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「（略）本県の新型コロナの感染状況は10日連続ゼロということで、落ち着いた状況が維持されております。ひとえに県民の皆様のご協力の賜物と感謝申し上げます。一方、世界に目を転じますと、南アフリカ由来の“オミクロン株”が急速に拡大を続け、不安が広がる状況となっています。

変異株の性質は未だ判明しておりませんが、従来株に比べ感染力が高い可能性や再感染リスクの可能性、ワクチン効果を薄める可能性などが指摘されており、そうした背景を踏まえ、先週、中村知事から「“オミクロン株”の発生に備えた本県の対応方針」について臨時の記者会見が行われました。今朝はその概要について報告したいと思います。

まず、早期探知に向けた検査方針ですが、今後、県の衛生環境研究所におけるすべての陽性者に対してL452R変異株（デルタ株疑い）のPCR検査が実施されることとなります。

“オミクロン株”にはデルタ株で確認されたL452Rの変異はないということがわかっているため、この検査で陽性が確認された場合は、“デルタ株”であって“オミクロン株”ではないということが判明します。

一定のウィルス量のある検体であれば、最短で数時間で結果が判明し、これによって入院等の措置や疫学調査の方針を早期に決めることができます。

次にゲノム解析の実施です。

これまでは感染事例の10％程度の解析を実施しておりましたが、今後は“オミクロン株”が否定できないものを優先し、すべての感染事例に対して可能な限りゲノム解析を実施することとなります。こちらは、結果判明までの期間は最速で3日程度とのことで、まずは県として、L452P変異株PCR検査を実施した上でゲノム解析を行い、早期探知に向けた取り組みを進めてまいります。

次に、保健所の疫学調査についてです。

“オミクロン株”は従来株に比べて感染力が高いとされており、換気が悪い場合の空気感染の可能性も示唆されておりますので、今後は接触者の探索を幅広に行い検査が実施されます。

これまで、濃厚接触者は発症日の2日前以降に濃厚な接触があった方だったとしていましたが、これからは発症日の3日前以降に濃厚な接触のあった方となります。

また、マスクなしでの15分以上の接触等の要件を機械的に適用するのではなくて、調査によって、適切な換気が行われていない室内などに陽性者と長時間過ごした方を対象に加えるなど、幅広に検査を行った上で、まず、自宅待機を要請することとなります。

その上で、接点があった陽性者が“オミクロン株”であると確定した場合、幅広の検査対象者についても、濃厚接触者として認定し、国の通知通り、“オミクロン株”陽性者の濃厚接触者には宿泊施設での滞在を求め、2日に1回を目安に検査が行われます。

次に、療養方針ですが、当面の間、すべての陽性者は一旦入院して変異株PCR検査を実施し、“オミクロン株”でないことが判明した場合に現行の療養対応に切り替えていくこととなります。

退院基準は、これまでは発症日から10日経過し、症状軽快後72時間が経過すれば退院、退所、自宅療養解除と全国統一で実施されていましたが、“オミクロン株”と確定された陽性者の退院基準は次のように変わります。

症状がある方は、症状軽快後24時間経過した後に、2回連続陰性を確認したら退院。

症状がない方は、陽性確認から6日間経過した後に、2回連続で陰性を確認したら退院という新たな基準となります。

最後に、“オミクロン株”に備えた注意事項ですが、何より重要なことは、早期に感染を探知すること、感染を水面下で広げないことに尽きます。

そのためには、日々の基本的な感染回避行動を引き続き徹底して頂き、体調に異変がある場合に速やかな受診をして頂き、保健所の調査には全面的にご協力頂きますよう、ぜひお願いしたいと思います。

専門家の間では、次の第6波があるとすればそれはデルタ株によって引き起こされるのではないかという懸念が言われており、今後、気温が下がり空気が乾燥することで、デルタ株の感染力が増すことも十分考えられます。

そのため、特に2点、県民の皆様にお願いがございます。

1点目は、学校や職場、店舗など人が集まる場所での定期的な換気の徹底であります。寒い季節ですので、換気と同時に寒さ対策としてウォームビズをお願いしたいと思います。

2点目は、海外からの来県された方と接触する事業所は、関係者の体調管理に注意、体調不良時には直ちに医療機関を受診するようお願いしたいということです。

今朝は「“オミクロン株”の発生に備えた本県の対応方針」の概要について報告いたしましたが、今後、オミクロン株の性質が判明するなど新たな知見が得られれば適宜見直しを行うとのことでございます。

慌ただしい師走を迎え、最近は事故や火事等も続いている状況ですので、皆様くれぐれもご安全にお過ごしください。今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」