久々に読み応えがあったなー、と思った1冊。タイトルは、「日本、変革」(田原総一朗著/ダイヤモンド社刊)。 ついつい。 ��ニッポンが見えてくる世界一エキサイティングな授業」というサブタイトルと、��藤原和博」「竹中ナミ」というクレジットタイトルに釣られてしまったのだが。 みごと、大正解。 文字通り、誌上授業を体験できたし、エキサイティングが詰まっていて、こういう講義がライブで受けられる学生たちが、本当にうらやましく思えた。 その講義というのは、早稲田大学の大隈塾のことで、塾頭は、ご自身、同大学OBの、あの、田原総一朗さんである。 先の読めないこの時代に、生きるとは何かをつかむこと、を目的として、昨年4月に開塾。 毎回、塾長らが、これはまさに先輩としてすばらしい、と思う人たちをゲストスピーカーに迎え、私はこのように生きてきた、という具体的な生き様を語って頂く、という講義スタイルである。 弊ブログにも綴らせて頂いた藤原校長や、ナミねえ、の生き様が持つ説得力はやっぱり圧巻なのだが、今回、初めてその存在を知り、私が格別に感銘を受けたのは、次のお3方である。 有機のがっこう土佐自然塾・塾長の山下一穂さん( http://harehore.net/ )と、みやぎ食育の里づくりアドバイザーの結城登美雄さん( http://www.ruralnet.or.jp/ouen/meibo/243.html )と、㈱ハッピー代表取締役の橋本英夫さん( http://www.kyoto-happy.co.jp/index.html )。 おこがましく論評するつもりはないし、そもそもできないのだが。私は、その生き様に、引きずり込まれるような感銘を受けたのである。 山下さんは、元学習塾経営者。ひょんなことから行き着いたのが農業で、山下農法といわれる有機農業の伝道者となった。 結城さんは、元広告会社社長。東北の田舎を歩きぬいた末、食から地域を考える地元学を提唱し、その実践者となった。 橋本さんは、元サラリーマン。世界を視野に、クリーニングからダイレクト・ケア・メンテという新たなマーケットの開拓者となった。 なった、としているが、ご本人方いわく、まだまだこれからであり、現在急ピッチ進行形、なのである。 お3方とも、元ナニナニから紆余曲折を経て、伝道者となり、実践者となり、開拓者となられたわけだが、その紆余曲折の中で、まさに自ら生きることの答えを、自らで掴まれた点において、見事に一致していた。 朴訥だったり、ひょうひょうだったり、荒っぽかったり、その語り口はまちまちだが、決してぶれない信念があった。教えてもらうのではなく、生き方は自ら建てるのだ、そんな、人生に対する揺るぎなさ、を感じたのである。 そして振り返って自分はどうか。と考えたとき、今までの自身に対して思わず闘志がかきたてられたのであった。 そんなエキサイティングな読後感。結局、最後までサブタイトルの通り、だったのである。