一般質問、2日目。 今日の登壇は、村上 要議員(社民・護憲連合)、阿部悦子議員(環境市民)、梶谷大治議員(自民)、の3名であった。 村上議員からは、耐震化問題、しまなみ地域の交通対策、労働問題、後期高齢者医療制度、の4点が取り上げられた。 特に、労働・医療については、政党スタンスが色濃く反映され、なるほど、論戦とはこうしたものであるべき、との感慨を持った。 にしても、悠々と再質問に持ち込むあたり、さすが当選5回のベテランである。 私には、逆立ちしてもできないプロフェッショナル、と思った。 阿部議員は、がん対策、障害者差別、地震防災対策、の3点について、仔細にわたる質疑がなされた。 特に前半部分は、私たち会派の主張と軌を一にする内容が多く、感嘆するも、後半の傍聴席からのヤジは、残念極まりなかった。 そして、本日のトリを務める梶谷議員は、いつものように傍聴席いっぱいの大応援団を引き連れ、そして、いつものように幕が開き、見事な雄弁、であった。 医療・主力産業・災害など、地元課題を詳しく取り上げられ、大応援団の皆様も、さぞ快哉を心で叫ばれたことと思う。 が、果たして答弁はどうであったろう。 私たち議員の力量は、理事者から引き出した答弁、すなわち課題の実現であり結果、とよくいわれる。 そういう意味では、補正予算さえ組めない今の状況で、課題解決に大きく前進させる答弁を理事者から引き出すのは、とても困難に思えてならない、そんな暗澹たる感を持った。 国による財政難を、戦意喪失の理由にしてはならない、のだ。そう叱咤し、彼らを励ますのも、議員の仕事、なのかもしれない。 なんとなく重たい雰囲気で終了した本会議のあと、私のもとに1本の電話を頂いた。 とある住民団体から、県の取り組みに異議があるから、急で申し訳ないが、今晩、こちらに寄ってほしい、とのこと。 公僕だから喜んで、と1も2もなくお引き受けしたのだが。 電話にてお伺いした異議内容については、会派・個人として、心苦しい弁明を余儀なくされるかもしれない、 そんな不安を抱きながら、皆様のもとへと向かった。 お伺いした会場には、20人近くの住民代表者が、ズラリ。 私は見事に囲まれるカタチとなって、そこから2時間あまり。非常に長い、懇談となった。 差し障りもあり、詳細は割愛するが、 住民の皆様の苦しい思いを、怒らざるを得ない辛さを、ダイレクトに肌身で感じた2時間あまりであった。 さて、ここから、だ。この事態を、どう動かせばいいだろう。 まさに、昼間の理事者答弁が脳裏をよぎった。行政は必ず、そのように反応するだろう、と。 しかし、それでは、事態は、動かない、のだ。そこを、どのように動かせばよいのか。 これこそ政治、と思った。 きれいごとではない、教科書どおりには決していかない、もつれて絡まりあった糸をどう解きほぐすかという、現実問題、だ。 打算も勝算も見当たらない中、私ならこうする、これしかない、と思う、私の持てる情熱を、誠実に、 明日、部局に体当たりで訴えてみたい、と思う。 懇談を終え、すっかり静寂に包まれた夜の帳をお見送り頂いた、 そして、あたかも私の大応援団と化したかのような、あの、住民の皆様の笑顔にお応えするために。 祈る思い、である。 ��写真は、市内の海岸で、遠くを見つめて何を思う、海鳥。今日の私と同じだ、な。)
午前、市内にて、支持者の対話集会。午後、KHJ愛媛県こまどりの会定例会に出席。 今日は、その、こまどりの会から。 ん?それって何、 と、思われた方も多いと思うが、 この会は、社会的引きこもり、といわれる子どもさんを持つ、親御さんの集まりである。 子どもさん、といっても、それは、あくまで親御さんにとって、であって、 引きこもっているのは、20代~40代、あるいはそれ以上の年齢の、れっきとした大人たち、なのである。 その数は、全国に100万人とも、300万人ともいわれているが、もはやまぎれもない、社会問題といえよう。 私は、議員になる前の昨年3月に、当事者の方々から悩みを打ち明けられ、この問題を知ることとなった。 そうした苦しみが世の中にあることを、まるで知らなかった自身の不明を恥じるとともに、 実態を調べていく中で、この問題の構造の奥行きと広がりに、それが紛れも泣く、政治問題であることを知った。 この国が、豊かさを得る代わりに失った大事なものを、問われている気が、した。 であるがゆえに、議員になって初の一般質問は、この、社会的引きこもりに、半分以上の時間を割かせて頂いた。 ��ご参照⇒ http://www.pref.ehime.jp/gikai/frame/frame10.htm 会議録の検索→平成19年第303回定例会→第5号6月27日→木村誉議員、 の順で出てきます。ご覧頂く皆様には、お手数をおかけしてすみません。) 本当は、一般質問はもっと幅広いジャンルで、なるべくたくさんの項目を、ということを後で知ったが、あれでよかった、と1点の後悔も、ない。 それから、1年が経った。 さて、今日のこまどりの会の中で、会長から参加者に対し、事態が改善・解決された家族はいるか、との問いかけがあった。 皆様の反応は、すこぶる、重たかった。 結局1年間、事態は放置されたまま、ということか、あるいは、解決したらここにはいない、ということか。 胸が、痛んだ。そして、ひるんではならない、と思った。 その瞬間。 ここで集まって話していても前進しないんだったら、お互いに動いて、自ら解決の糸口を探しましょうよ。 同席していた、ヒューマン・チェーンセンターの戒田理事長の、明るく力強い檄が、空気を一変させた。 有難かった。 そして、社会的引きこもり問題の解決のために私がなすべきは。 国の法整備から、自治体の対応インフラの整備までの、国と自治体を挙げた行政面での支援拡大を図るとともに、 青少年の健全育成に情熱を燃やす、まさに戒田理事長のような、 民間各位の知恵とスキルを、どのようにネットワーク化し、機能させるしくみを創るか、ということだ、と思った。 引き続きさらに、である。褌を締め直せ、と自身に言い聞かせた。 社会的引きこもりの長期化は、取り返しのつかない事態を生む。親御さんのご心情からすれば、時間との戦いである。 ご本人とご家族が、一刻も早く、元の笑顔を取り戻せるよう。 昨年の一般質問の末尾に述べた一節を、今一度、心に刻んで取り組んでまいりたい。 ��写真は、講演を頂いた、NPO法人若者訪問支援協会代表理事の、川上佳美さん。本ブログでも何度かご紹介した、知る人ぞ知る、レンタルお姉さん、です。)
日本の漁業が、今、大変なことになっている。 非常警報を発するのは、社団法人大日本水産会の中須勇雄会長、だ。 記事は、原油高で一斉休漁やむなし、との見出しで始まる。 ��日経ビジネス6/30号 「敗軍の将、兵を語る」/写真) 中須会長は、 現今の、水産業を取り巻く非常事態を、4Pにわたって語られ、行間からは、その、尋常でない苦悩がひしひし、伝わってくる。 一般的に、漁業は燃油代のコストシェアが約20%といわれ、それが今は、5年前に比べて3倍以上、に膨らんでいるそうだ。 販売量額とも低迷が続く中、魚価にも転化できず、出漁するほどに赤字が膨らむ構造となっているのである。 市場原理でいうと、との意味合いで、会長は語る。 まず、水産業が、産業として未熟であったこと。 今までは、黙っていても魚を食べてもらえる国民とマーケットがあった。 したがって、供給するという意識が強く、消費者が何を求めているかを考える姿勢が欠けていた、と。 そして、省エネへの努力が足りなかったこと。 獲れさえすれば買ってくれるマーケットがあったので、漁船の燃料効率については、ほとんど考えることがなかった。 その結果、燃費の悪い船齢20年以上の古い船ばかりとなって、それが、原油高ダメージをさらに増幅させてしまった、という。 但し、その反省は重要だが、今、最も重要なのは、目の前の苦境をどう乗り切るかだ、として、 燃料購入に対する補助、と休漁補償の2点を、国と政府に強く要望されて、記事は結ばれていた。 心臓が止まらないように、カンフル注射を打ってもらいたい、と。 私たち公明党も、その危機意識を共有している。全国の漁業関係者から、あまりにも多くの声を頂いているからだ。 そして、奇しくも、というか、記事を読む前の6/24、 太田代表・斉藤政調会長・赤羽対策本部長から福田総理に対し、原油高騰への緊急対策を求める申し入れを提出させて頂いたのである。 昨年末から、これで第5回目の、申し入れになる。 その内容は、 水産資源の確保の観点も含め、漁業者が継続して操業できるよう原油高騰による負担を軽減するための助成を検討すること、 省エネ漁業への転換を図り、漁業経営の体質強化のための基金などの支援を拡充すること、 など、中須会長をはじめとする漁業関係者の要望はもちろん、 中小企業・運送業・農林業・建設業・国民生活などの、各分野に対する緊急対策を、総合的にまとめさせて頂いた。 そして即、であろう6/26、原油等価格高騰対策の政府案が示された。 私たちの要望がほとんど盛り込まれていた。 特に、漁業関連では、 水産業燃油高騰緊急対策基金を積極的に活用し、省エネルギー型漁業等への転換支援を強化する(102億円)。 緊急に資源回復を図る必要のある魚種等についての減船、休漁等への経費支援につき支援対象を拡充する(14億円)。 漁獲から出荷に至る生産体制を改革し、省エネルギー等により収益性を向上する漁船漁業改革推進集中プロジェクトにつき支援対象を拡充する(50億円)、 など、非常事態に対応した抜本的対策の導入に向けた検討を行う、ということである。 スピード、スピード、スピード、だ。 市場原理は大事、だ。が、それを主義にするのは、あくまでもビジネスの世界である。 政治は、それを踏まえた上で、国民生活を守り、向上させる、深さと温かさを持たねばならない、のだ。 そして、それは。国民生活が予期せぬ出来事に見舞われたとき、真価が問われよう。 その1点を忘れず。微力ながら私も、皆様に貢献できるよう取り組んでまいりたい。