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文化財の防火対策等について(2020年2月定例会)

文化財の防火対策等について - 質問 -

次に、文化財の防火対策等についてお伺いします。

昨年4月、フランス・パリのノートルダム大聖堂で大火災が発生し、木造の尖塔が崩落。1200年代に建築され、最もフランスの歴史を象徴する建物と言われた美しい大聖堂の一部が、赤い炎に包まれながら崩れ落ちる映像は世界中に衝撃を与えました。

半年たった10月、今度は、我が国の世界遺産である沖縄首里城で火災が発生。正殿等の主要な建物が焼失しました。くしくも常任委員会の視察で沖縄を訪れたやさきの出来事でした。朝、起き抜けにテレビのスイッチを入れた瞬間映し出された映像は、火柱とともに燃え上がる首里城正殿の姿でありました。悲しみに暮れる多くの沖縄県民の姿に声も出ませんでした。もし本県で、松山城や道後温泉を火災で失うようなことになったらと考えると、決して人ごととは思えなかったのであります。改めて沖縄県の皆様にお見舞いを申し上げたいと思います。

立て続き世界に衝撃を与えた一連の火災は、文化財というものが、私たちにとって、いかにかけがえのない宝であるかということを知らしめる痛恨の出来事でありました。

さて、ノートルダム大聖堂の火災を受け、昨年4月、文化庁では、県・市町を通じて、国宝・重要文化財の防火設備等の緊急状況調査を実施し、8月に調査結果を発表しました。それによりますと、自動火災報知設備や消火設備等についての老朽化、ふぐあいが確認されたほか、火災などの緊急時に対応できる人員について、特に夜間など、時間帯によって管理体制に脆弱性が見られることや、訓練などの実施が必ずしも十分な状況ではないことが確認されたとのことであります。

本県におきましても、国の依頼を受け、松山城や道後温泉本館など、39の国宝・重要文化財について調査を行ったとのことですが、今回、浮き彫りとなった防火対策上のさまざまな課題に対し、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。

さて、文化財保護法によりますと、文化財は、伝統的建造物群のほか、有形・無形文化財、民俗文化財や埋蔵文化財などと対象が規定されています。これらの文化財を火災などの災害から守るため、本県では、えひめ文化財防災マニュアルを作成し、自治体や関係機関と連携・協力して、オール愛媛で防災対策に取り組んでいると承知しています。

一方、政府は、沖縄首里城の火災焼失を受け、昨年12月、世界遺産や国宝など、文化財建造物の防火対策強化に向けた、世界遺産・国宝等における防火対策5か年計画を策定し、重点的、計画的に防火対策に取り組む方針を示すとともに、国が対策費用の最大85%を所有者に補助するなど、集中的に対策を進めるとしています。

文化財は本県の宝であり、県民共有の財産であります。加えて、日本の魅力を発信し、インバウンドのさらなる取り込みに向けた重要なツールでもあります。そのかけがえのない宝をきちんと後世に継承できるよう、対策に万全を期してほしいと心から願うものであります。

そこで、お伺いいたします。
県は、昨年4月の防火対策緊急状況調査で明らかとなった課題や国の5カ年計画を踏まえ、本県文化財の防火対策強化にどう取り組むのか、えひめ文化財防災マニュアルの見直しや市町、所有者等との連携のあり方を含め、御所見をお聞かせください。

文化財の防火対策等について - 答弁 -

<答弁:教育長>
文化財の防火対策強化への取り組みについてお答えいたします。

文化財は貴重な国民財産であり、地域の文化や経済の振興に大きく寄与するもので、火災等により一旦滅失すれば、再び回復することが不可能でありますことから、文化財の所有者に対し、防火対策の注意喚起を行うほか、防災フォーラムや災害対応訓練を定期的に開催してきたところでございます。

昨年実施した防火対策緊急状況調査では、39の国宝・重要文化財について、消防法令上設置義務のある自動火災報知設備や消火器は、全てで設置されていましたが、任意の対策である消防訓練の実施や避雷設備、消火栓設備の設置については、十分でない状況が確認されましたことから、所有者の防火対策に対する一層の意識啓発が課題であると認識しております。

県教育委員会としましては、こうした課題や国の5カ年計画を踏まえ、日常的な火気管理や出火防止策の徹底、防火設備の適切な保守点検や維持管理など、所有者が取り組むべき課題を文化財防災マニュアルに盛り込むとともに、文化財防災ネットワークの活動を通じて、市町や所有者との連携を深めるほか、来年度策定予定の文化財保存活用大綱に広域的な連携による防災対策を盛り込むなど、文化財の防火対策の一層の強化に努めてまいりたいと考えております。