議会質問

皆さまの声を
県政に、
カタチに
2016年 2月定例会(3/7)

テーマ未来世代対策

自転車の安全対策と道路整備について(2016年2月定例会)

自転車の安全対策と道路整備について - 質問 -

最後に、自転車の安全対策と道路整備についてお伺いします。

ご案内の通り、県ではサイクリングパラダイス愛媛を目指し、平成25年に「自転車安全利用促進条例」を制定し、この間、「愛媛マルゴト自転車道」の整備をはじめ、平成26年には国際サイクリング大会「サイクリングしまなみ」の開催、昨年は「愛媛サイクリングの日」を創設するなど、知事を先頭に一丸となって取り組みを進めてこられました。

平成28年度当初予算案におきましても、サイクリングパラダイス愛媛の実現に向けて引き続き重層的な事業が盛り込まれておりますが、一方で、サイクリストの増加や、道路交通法の改正に伴う自転車利用環境の変化などに対し、県民の皆様から寄せられる声も、以前に比べ増えてきたというふうに私は感じています。一言で言えば、道路の安全性に対する不安であります。

一例を挙げますと、私の地元松山市の、土居田町から松前町にかけて、伊予鉄・郡中線沿いに伸びる県道松山・松前・伊予線があります。

こちらでは、ほとんどの区間で歩道が整備されておらず、そのため外側線の外側を歩行者が歩き、その内側の車道を自転車とバイクと自動車が走行。

しかし、道路の幅員が狭く、並んだり追い越したりする時に、自転車が車道側にふくらみ、自動車の前方に飛び出すといった危険な状況が日常化しています。あくまでも一例でありますが、こうした安全性に不安を感じる道路状況というものは、県下に少なからず存在するのではないかと推測いたします。

そこで、お伺いします。

本県調査によりますと、平成26年4月時点の県管理道路の改良率は約71%で全国41位、歩道設置率は約30%で全国43位ということでありますが、全国下位に低迷する現状にある中、県管理道路の整備に今後どのように取り組んでいくのか。又、県道松山・松前・伊予線のように、歩行者、自転車、自動車など道路利用者の円滑な通行に支障をきたす恐れのある道路について、どう対策を講じられるのか、併せて見解をお聞かせください。

次に、自転車の安全対策でありますが、平成19年6月に道路交通法が改正され、自転車で歩道を走れるのは、通行可の標識等がある場合に加え、13歳未満の子ども、70歳以上の高齢者などに限ると要件が明確化され、翌年6月1日に施行されました。

本来、自転車は車道通行が原則であり、自転車で歩道を走れるのは、昭和45年の道路交通法改正により、標識が有る場合に限られているわけですが、一般にはほとんど浸透しておらず、歩道を当たり前のように自転車で走っている現状において、先の改正に驚いた人も多いと思います。

また昨年6月には、自転車運転中の危険行為に対して安全講習を義務づける自転車運転者講習制度も施行されるなど、この7年余りの間、自転車の車道通行の徹底と取締りの強化が着実に進められています。

とはいえ、長く根づいた歩道走行の習慣は容易に拭えるものではなく、そこに県民の戸惑いがあり、警察当局のご苦労があり、自転車の安全対策の難しさがあると思うのであります。

そこで、お伺いします。

県警では、平成19年6月の道路交通法改正以降、自転車の車道通行に関するルールを周知徹底する上で、どのような課題があると認識し、それに対しどのように取り組んでいるのか。また、自転車運転者講習制度の対象となる危険行為への取り締まり状況についても併せてお伺いいたします。

さて、県ではこの度の当初予算案において、自転車の安全利用を促進するため、高校生や高齢者のヘルメット着用、思いやり1.5m運動の普及啓発など、交通マナーの向上を図るといったソフト面での取り組みについて様々な事業を盛り込んでいます。

他方、ハード面では、愛媛マルゴト自転車道改良事業費として3.5億円を計上しており、先の臨時議会における2月補正予算の愛媛マルゴト自転車道整備事業費4.8億円と合わせますと、8.3億円という巨費を投じての整備促進ということになります。

その内容は、ブルーラインやコース案内板、勾配標識、駐輪施設の設置をはじめとする各種のサイクリングコース整備となっており、自転車と自動車の円滑な通行に支障がある箇所の道路改築も含まれています。

厳しい財政状況の下でのご尽力に敬意を表したいと思います。そしてその上で、申し上げるとすれば、誰しもが望む、将来的、最終的な理想は、欧州各国のような自転車専用レーンや、台湾のような自転車専用道路の整備でありましょう。

それが、心から安心して自転車に乗れる最大級の安全対策であり、誰もが自転車に乗りたくなる、ハード面での「サイクリングパラダイス愛媛」の理想形であるからであります。

そこで、お伺いします。

私は、自転車先進国における自転車専用レーンや専用道路の整備については、非常に夢のある一大プロジェクトであり、将来的には、公共交通政策や都市整備計画などと一体的に、長期的なビジョンのもとぜひ戦略的に取り組んでほしいと考えます。一方で、増加する自転車利用者の安全を確保するためには、拡幅を含め、まずは既存道路での安全な走行環境の確保が喫緊の課題であると考えますが、県は、それに対し、今後どのように取り組んでいくのか、お聞かせください。

自転車の安全対策と道路整備について - 答弁 -

答弁:土木部長

道路は、県民の日常生活を支える重要な社会基盤でありまして、県民からの要望も多いことから、県では、全国平均の改良率の伸びを大幅に上回るペースで、整備を進めて参りましたが、未だ改良率は全国平均を下回っているところであります。

一方、本県では、南海トラフ地震など大規模災害への備えが喫緊の課題となっているため、先月改訂いたしました「愛媛道ビジョン」に基づき、防災・減災対策を最優先に、役場や学校などの集落中心地を結ぶ道路や、地域の活性化に資する道路の整備にも、重点的に取り組むこととしており、これらの整備に当たっては、自転車や歩行者の安全にも、これまで以上に配慮する方針としております。

また、車や自転車・歩行者の円滑な通行に支障を来している道路につきましては、警察や学校など地元関係者と調整を図りながら、交通量の多い箇所や通学路の危険箇所など、緊急性が高く実施可能な箇所から、順次、路肩の拡幅や歩道の整備を進めることとしており、今後とも、県民にとって安全な道路空間の確保に努めて参りたいと考えております。

答弁:警察本部長

自転車は年少者から高齢者まで広く利用されていることから、全ての年齢層の自転車利用者に、道路交通法改正等を踏まえまして、車道や歩道の通行方法を始めとする交通ルールを正しく理解し、遵守してもらうことが課題であると認識しており、県警におきましては、バイシクルユニットなどによる街頭指導や、学校、企業等を対象とした自転車教室のほか、関係機関・団体等と連携した広報啓発活動を推進しているところでございます。

また、道路交通法改正による自転車運転者講習制度の新設を受け、複数回検挙されると同講習の対象となる危険行為の取締りを推進し、昨年6月の制度施行後、先月末までに25件を検挙しており、危険行為で2回検挙された者には、本年1月に自転車運転者講習を実施しているところであります。

引き続き、関係機関・団体等と連携し、自転車利用時における交通ルールの遵守のほか、交通マナーの向上やヘルメットの着用について県民各層に対する指導啓発を行いますとともに、悪質・危険な交通違反の取締りを推進し、自転車の安全利用を更に促進してまいりたいと考えております。

答弁:土木部長

本県が提唱いております「自転車新文化」を推進していくためには、増加しているサイクリストはもとより、通勤・通学者など、全ての自転車利用者が安全で安心して走行できる環境の確保が、重要な課題であると認識いたしております。

このため、今年度から、マルゴト自転車道コースや交通量が多い路線等で道路整備を行う際には、可能な限り幅の広い路肩を確保するほか、歩行者の利用状況に応じて歩道を縮小し路肩を拡幅するなど、自転車の走行に配慮した整備を行うこととしております。

また、これらの整備が困難な箇所につきましては、自転車の進行方向や走行位置を示します「思いやりピクト」を、県道松山松前伊予線などのモデル区間に設置することで、自転車の左側走行の徹底や、ドライバーに注意を喚起するとともに、「思いやり1.5m運動」の浸透を図っているところでございます。

さらに、自転車による道路パトロールを実施することにより危険箇所を把握いたしまして、路面の補修や、側溝、グレーチングの改修など、きめ細かな安全対策を行っておりまして、今後とも、「シェア・ザ・ロード」の理念のもと、自転車が安全に走行できる環境の確保に努めてまいりたいと考えております。

テーマtheme
時系列で見るarchive