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2015年 9月定例会(9/17)

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本県経済の状況について(2015年9月定例会)

本県経済の状況について - 質問 -

本県経済の状況についてお伺いいたします。

本年7月、財務省が発表した経済情勢報告によりますと、北海道、中国、四国、九州の景気の基調判断が、持ち直しの段階から回復の段階に上方修正され、実に18年ぶりに全ての地域で回復と判断されました。

アベノミクスの打ち出しから約2年半。株価、実質GDP、有効求人倍率、失業率など、主な経済指標において着実に改善を見せているものの、中小零細企業や生活者など、私の周辺で伺う限り、残念ながら景気回復という実感は余り聞かれません。むしろ、昨年の消費増税に加え、円安による輸入物価が与える物価上昇などから、個人消費も設備投資も手控えが続いているというふうに感じています。

さて、国では、2013年9月、公明党の提唱により経済の好循環実現に向けた政労使会議を立ち上げ、これまで10回にわたり、政府、経済界、労働団体の3者で、賃金上昇や雇用拡大の方策について議論が積み上げられてまいりました。その最大の成果となるのが、賃上げであります。

連合が7月にまとめた春闘の最終結果によりますと、定期昇給を含む賃上げ率は2.20%で、2年連続で前年同時期を上回っております。その意味で、この政労使会議が果たした役割はまことに大きいと言えますが、一つ残念なのは、これはあくまでも大都市、大企業が中心の成果だということであります。地方が景気回復を実感できない限り、デフレ脱却はあり得ないわけで、大都市や大企業で先行する賃上げも、景気回復の実感も着実に地方へ波及させていくことが肝要であります。

そこで、お伺いいたします。

まず、デフレ脱却と景気回復を最大の眼目とするアベノミクスについて、本県経済におけるこれまでの波及効果はどうか。また、今後の課題は何か、御所見をお示しください。

次に、国において政労使会議が一定の成果を上げる中、私は、景気回復を積極的に地方にも呼び込むべく、本県においても、愛媛労働局、商工団体、経営者団体、労働団体等と連携し、仮称愛媛県版政労使会議を設置してはどうかと考えます。特に本県では、少子化に加え、人口流出に歯どめがかからない若者に対して、所得拡大や処遇改善に向けた取り組みを進めることは喫緊の課題であり、地方創生やワークライフバランスなどの視点も踏まえながら、政労使で話し合う場を設置することは大変有益であると考えるのでありますが、見解をお示しください。

本県経済の状況について - 答弁 -

答弁:経済労働部長

次に、本県経済の状況についてのうち、まず、アベノミクスの波及効果等についてでありますが、アベノミクスの金融緩和と財政出動というカンフル剤的な政策によって、円安・株高に伴う企業業績の回復や雇用環境の改善が見られ、デフレ脱却に向けての期待感も高まりましたが、こうした恩恵は一部にとどまり、各層に広く行き渡っているとは言いがたい状況にあるのではないかと考えております。

本県でも、造船や化学などの輸出型産業に好影響が見られるとともに、有効求人倍率が22カ月連続で1倍を超え、賃金もここ半年は前年を上回るなど、雇用環境を中心に改善が続いている一方で、中小・零細企業や一般消費者は、原材料や食料品の値上げ等により、依然として厳しい状況に置かれているものと考えておりますが、こうした政策は、あくまでもカンフル剤でありまして、いつまでも続けられるものではなく、失敗するわけにはまいりませんので、その効果が効いているうちに企業や県民の皆さんが真に景気回復を実感できるよう、県内経済の好循環を実現させていくことが大きな課題であると認識をいたしております。

このため、県では、本県独自の実需の創出に徹底的にこだわった取り組みを進めてきており、今後とも、営業本部を中心に県産品の販路拡大に向けた営業活動を一層強化することで、平成30年度までに県関与年間成約額100億円を目指すほか、サイクリングや南予観光の魅力を活用した国内外からの誘客による交流人口の拡大などを通じ、地域経済のさらなる活性化につなげてまいりたいと考えております。

次に、県版政労使会議についての御質問でありますが、国の政労使会議は、経済の好循環に向けて政労使の3者が意見を述べ合い、包括的な課題解決のための共通認識を得ることを目的として設置され、着実な賃上げの促進など、さまざまな課題に道筋をつけてきた意義は大きいと認識をいたしております。

そうした意味において、県版政労使会議の設置は、本県が直面する人口減少問題への対応を初め、地域経済の活性化や仕事と生活の調和に取り組む上で一定の有効性は認められると思っておりますけれども、現在、国レベルで労使を初めとする地域の関係者が集まる会議の設置を検討する動きもありますことから、その動向を注視しているところであります。

県といたしましては、愛媛労働局や経済団体、労働団体等との連名により、6月に、えひめ働き方改革宣言を発表いたしましたけれども、まずはこうした連携もベースにしながら、いまだ十分には実感できていない本県経済の真の回復に向けて、先ほども申し上げましたとおり、実需の創出にこだわり抜いた各般の施策展開により企業収益を向上させ、県民所得の拡大につなげるための基盤づくりに全力を傾注してまいりたいと考えております。 以上でございます。

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