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路面下の空洞化対策について(2014年12月定例会)

路面下の空洞化対策について - 質問 -

路面下の空洞化対策についてお伺いします。

本年8月11日、三重県管理の国道163号で、長さ、幅、深さとも約2m程度の陥没が発生しました。通行中の乗用車がその穴に落ち込み、後続車と対向車が次々に衝突、それぞれ運転手が負傷するという痛ましい事故となりました。その後の調査で、台風11号に伴う大雨の影響によって、路面下の土砂の吸い出しが加速し、空洞が一気に広がったものと見られています。

国交省によりますと、こうした地下の空洞化による道路の陥没は年間5,000件程度発生しており、今年度も1兆円規模の防災・安全交付金を確保する中、路面下空洞調査とともに、事故の未然防止策を着実に推進するとしています。

言うまでもなく、道路は私たちの暮らしに欠くことのできない最も重要な社会インフラです。緊急時における救急車、消防車等の救助活動や災害時の救援・復旧活動も、道路が途切れることなくつながっていればこそ可能なのであります。
また、道路の下には電気、ガス、上下水道、通信回線など、私たちの暮らしや経済など社会全般の活動基盤となるライフラインが埋設されており、南海トラフ巨大地震等に備え防災・減災対策を進めていく際には、地面や路面の下も含めて把握し、対策を進めなければならないと改めて強く思うところであります。

その意味から、今回、目に見えない路面下における課題と対策について、何点かお伺いをいたします。

まず、冒頭に申し上げた路面下の空洞化についてであります。

平成25年度の全国自治体路面下総点検実施状況によりますと、総点検に着手しているのは宮城、神奈川、福岡の3県。例えば神奈川県では、国の防災・安全交付金を活用し、県管理道路のうち、災害時に緊急道路となる約600㎞を対象に3年計画で総点検に取り組んでいるとのことであります。

次いで、空洞調査を実施しているのが東京都、北海道、秋田など17の都道県、残念ながら、本県を含む27の府県は調査未実施となっています。

予防・保全の取り組みをぜひ加速してほしいと思うのでありますが、これまで路面下の空洞調査がなかなか進まないその理由の一つに、精度を含めた技術的な課題があったのも事実であります。

しかし、近年の技術進歩は目覚ましく、マイクロ波を活用した高解像度センサーを搭載した車両を、渋滞を起こさない時速約60キロの通常速度で走らせ、路面下の空洞や橋梁床版内部の劣化状況、埋設物の布設状況の把握などが高い精度をもって簡単に低コストで実施可能というところまで技術レベルが上がってきているのであります。

そうした技術を持つ民間企業が、先般9月、本県管理の国道317号及び県道松山川内線の1.1㎞区間で路面下サンプル調査を行ったところ、4カ所にいずれも深さ30センチ程度の位置に縦横約1m程度の空洞が確認されました。

県では、この調査結果に基づき、現在、地元自治体や路面下の埋設物の関係事業者と施工に向けて協議中であり、今年度内に空洞を埋める補修工事を完了させる予定と伺っております。速やかな御対応に敬意を表したいと思います。

ただ今回のサンプル調査は、民間企業の厚意によるところであり、距離数も約1㎞にすぎません。1キロで4カ所ということは、本県管理道路の総延長は約3,500㎞ですから、単純計算でいくと約1万4,000カ所もの空洞化が現時点で生じていることになります。

県では、南海トラフ地震等の災害に備え、安全で信頼性の高い道路網を確保するため、各地域の中心都市や防災拠点を相互に連絡する緊急輸送道路を優先し、のり面防災対策、橋梁耐震対策、トンネル保全対策等を優先順位をつけながら総合的に推進していると承知しております。

私は、ぜひこれに路面下の総点検も加えていただきたいと思うのであります。幅員5.5m以上の県管理道路約2,000㎞全てについて、先ほどのマイクロ波を活用した空洞調査で総点検した場合の費用は約3億円との試算もありますが、神奈川県のように、まずは緊急輸送道路を優先し、国の防災・安全交付金を活用すれば、財源的な手当ても十分可能と考えます。

さらには、調査結果に伴う道路整備は、基本的に地元建設会社など民間企業が担うことになりますから、そのまま地域経済の活性化にも貢献でき、防災・減災対策と経済対策の一石二鳥が可能となるのであります。

そこで、路面下における一連の課題についてお伺いをいたします。

まず、空洞化による道路の陥没や埋設物に起因する道路破損及び事故の有無も含め、道路や橋梁など路面下の空洞化調査に対し、県はこれまでどのように取り組んできたのか、お聞かせください。

また、サンプル調査に見られるマイクロ波を活用した高精度な調査技術についての認識と評価はどうか。さらに、本県が推進する緊急輸送道路を優先とした総合対策をさらに強化するため、国の防災・安全交付金を活用し、新たにマイクロ波を活用した空洞調査による路面下総点検に取り組んでほしいと考えますが、見解をお聞かせください。

次に、路面下のライフラインの保全についてですが、公営企業管理局が所管する発電・工水施設について、耐震化及び老朽化の現状をどのように認識し、今後、どのように取り組んでいくのか。また、県内の水道施設における基幹管路の耐震化率は、平成24年度末で21.0%と、全国平均の33.5%を大きく下回っている状況とのことですが、その後の進捗状況と今後の見通しはどうか、お伺いいたします。

私は、空洞化にせよ、ライフラインの老朽化にせよ、路面下という見えざるところまで気を配り、安全を強化する取り組みは、防災・減災対策という観点に加え、県民の皆様の心に大きな安心を与え、暮らしを豊かにするすぐれた公共事業であると思うのであります。

そこで、お伺いします。

路面の予防保全型マネジメントをさらに一歩進め、埋設されたライフラインの一括管理や定期点検の効率化、長寿命化等を図るためにも、官民協働によるライフラインの地下共同溝化を、ぜひスピード感を持って推進してほしいと思うのでありますが、御所見をお示しください。

路面下の空洞化対策について - 答弁 -

答弁:土木部長

路面下の空洞化対策についてのうち、3点についてお答えいたします。

まず、空洞化調査の取り組みについてお尋ねがございました。
県管理道路では、従来から愛媛県土木施設パトロール実施要綱に基づき定期的に道路パトロールを実施しており、舗装の損傷による局部的な陥没は見られるものの、路面下の空洞化や埋設物の損傷による道路の陥没等を原因とする事故は発生していません。

しかしながら、南海トラフ地震等の大規模災害の発生が懸念される中、従来の橋梁やトンネル等の防災対策に加え、平成25年度からは、空洞化対策としまして、まずは県が管理する道路排水管等を対象に、近接目視や暗渠用特殊カメラによる損傷調査を27年度の完了を目途に実施中でありまして、11月末現在で、県管理道路256路線のうち149路線、1万2,230カ所の点検を終え、異常が発見された箇所につきましては、順次適切な補修を実施しているところでございます。

次に、マイクロ波を活用した点検についてお尋ねがございました。

マイクロ波等の電磁波を活用した調査につきましては、道路の通行規制を伴わず、測定車が走行するだけで路面下の状況を効率的に把握できる方法であると認識していますが、調査手法によってその精度にばらつきがあるとも聞いておりまして、9月に本県で行われたサンプル調査により空洞のおそれがあると指摘された4カ所について、県で実際に掘削調査を実施し、地下の状況を確認しているところでございます。

このため、県としましては、マイクロ波を活用した路面下総点検の実施につきましては、今回の掘削調査の結果を参考に、国や他県の取り組み状況も勘案しながら、今後、検討することとしています。

3点目は、地下共同溝についてのお尋ねでございます。

電気、ガス、上下水道など複数のライフラインを収容する官民共同による地下共同溝につきましては、道路管理者が道路の保全や円滑な交通の確保などを目的として、関係する占用事業者との合意を図った上で設置することとなっています。

本県におきましては、南海トラフ地震等に備えた都市の防災機能の向上、さらには安全で快適な道路空間の確保の観点などから、地下共同溝のうち電力線や通信ケーブルを歩道下に収容する電線共同溝に整備を進めておりまして、これまでに松山市や宇和島市などの国道、県道、市道、合わせて約17㎞が完了し、引き続き松山市内の6カ所約4㎞の整備を進めているところでございます。

全てのライフラインを主として車道下に一括して収容する大規模な地下共同溝につきましては、電線共同溝と比べて多大な事業費を要し、占用事業者の負担も非常に大きいため、整備事例は著しく交通量の多い3大都市圏や一部の政令指定都市の幅員の広い直轄国道等に限られておりまして、本県において直ちに導入することは困難と考えています。

答弁:公営企業管理者

路面下の空洞化対策の御質問のうち、発電・工水施設の耐震化及び老朽化の問題について答弁させていただきます。

公営企業管理局が所管しております発電・工水施設のうち、路面下の施設といたしましては工業用水の配管がありますが、まず、耐震化に関しましては、利用者の負担も大きいことから、老朽化が進んだ時期の更新にあわせて実施することとしておりまして、それまでの対策として、地震等による漏水にも速やかに対応できるよう、今年度から3年間の予定で、確保に長期間を要する大口径の管の応急復旧用資材の備蓄を始めたところであります。

一方、配管の老朽化に関しましては、これまで地盤の空洞化を引き起こす漏水等も生じておらず、また、部分的な試掘等による配管の調査からも、老朽化の進行は軽微で、今後も引き続き使用可能であるとの評価が得られておりますことから、当面計画的な調査により老朽化の進捗状況の把握に努めることとしております。

答弁:県民環境部長

路面下の空洞化対策のうち、水道施設の耐震化について答弁させていただきます。

県内の水道施設の耐震化につきましては、事業主体である市町において、まずは本体である浄水場や配水池の耐震化を優先しており、平成24年度のこれら施設の耐震化率は全国でそれぞれ7位、16位と上位になっている一方、お話のございました基幹管路の耐震化率は全国を大きく下回っております。このため、現在、市町において水道耐震化計画を作成し、耐震化に関する国庫補助事業を導入するなど、耐震化の促進に鋭意取り組んでおるところでございます。

この結果、平成25年度の基幹管路の耐震化率は、県の試算で23.2%と、平成24年度の21.0%から2.2ポイント伸びており、耐震化が着実に進んでおる状況でございます。

今後の見通しにつきましては、現在、策定中のえひめ震災対策アクションプランの中で耐震化の目標数値を明らかにしたいと考えており、その目標のもとに、県としても基幹管路の耐震化の促進に向けまして、引き続き国庫補助事業の導入や、災害時に拠点となる重要施設へつながる基幹管路の耐震化の優先整備などを行うよう、市町に対しまして適切に指導助言をしてまいりたいと考えております。