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ドクターヘリの導入について(2013年9月定例会)

ドクターヘリの導入について - 質問 -

最後に、ドクターヘリの導入についてお伺いをいたします。

御案内のとおり、本件につきましては、平成13年に初めて本会議で取り上げられて以来、歴代多くの議員各位が提言を重ねてきたところであります。

県土の約7割が中山間地域であり、全国で2番目に多い32もの有人離島数を抱える本県にとって、救急医療の切り札としてドクターヘリの導入が求められるのは必然と言えるでありましょう。

また、3.11以降は、自然災害に対する想定も一変し、防災・減災対策の重要性が高まる中、南海トラフ地震などの被災時における救命という観点からも、その導入を求める声は高まる一方であります。

さて、平成19年にドクターヘリ特別措置法が制定されて以来、全国では35道府県で41機へと導入が加速しており、四国でも高知県と徳島県は既に導入済みであります。

本県では、これまで四国4県連携、高知県との共同利用などの協議を進めてこられましたが、いずれも協議困難な状況が続く中、御案内のとおり、平成21年8月から消防防災ヘリ「えひめ21」を用いてドクターヘリ的運用を行っているところであります。

運用開始から約4年が経過しましたが、救急活動に関する運用状況は20件と低迷しております。

その理由として、本県の場合、東予、中予、南予それぞれに三次救急病院が配置されているため、救急車で走った方が早いということが考えられますが、これはドクターヘリ導入を時期尚早あるいは不要とする根拠とはならないと私は考えます。

ドクターヘリと消防防災ヘリの決定的な違いは、救命率、つまり治療のスピードと質であるからであります。特にスピードについては、例えば、要請から出動までにドクターへリは5分以内であるのに対し、消防防災ヘリは約18分かかります。

また、消防防災ヘリが防災・救助活動で手いっぱいの場合では、ドクターヘリとしての出動はかなわないといった事態も想定されることなどから、やはり消防防災へリはドクターヘリの代替とはならないのではないかと思うのであります。

ドクターヘリ事業に関しまして世界の手本であるドイツでは、救急通報から15分以内に医療を開始する体制確保のため、そのツールとして導入したわけでありますが、その結果、導入後、約20年間で交通事故による死亡者数を3分の1に減らすことに成功したといいます。

日本は、ドイツにおくれること31年、アメリカにおくれること29年、イギリスにおくれること14年と言われておりますが、本県も既に導入した35道府県にこれ以上おくれることのないよう、決断をお願いしたいと思うのであります。

また、本年4月に、八幡浜市の男性が3つの病院から搬送受け入れを拒否され、亡くなられるという痛ましい事件が発生しましたが、改めて御冥福をお祈りいたしますとともに、もしドクターヘリによってピンポイントで県立中央病院に搬送治療されていたらと思うと、まさに痛恨のきわみという以外ございません。

そこで、お伺いをいたします。

重症患者等の搬送実態を踏まえ、本県にはドクターヘリ搬送の潜在需要がどの程度見込まれるのか、御所見をお示しください。

私は、ドクターヘリ導入にとって重要なネックは、コストと医療資源及び運用体制の確保であろうかと思います。

そのうちコストに関しては、平成20年度から運航費用のうち県費負担の5割から8割が特別交付税で賄われることになり、例えば青森県では、年間費用約2.1億円のうち、県の負担は1割の約2,100万円とのことであります。本県とは一概に比較はできないかもしれませんが、かつてに比べるとコスト面でのハードルが下がってきているのは全国の普及加速を見ても一定の事実と言えるのではないでしょうか。

むしろ本県にとっての問題は、医療資源と運用体制の確保でありましょう。フライトドクター、フライトナースを初め、受け入れる側の体制を手薄とも言うべき現状の医療資源の中からどのように確保するのかということは、極めて困難な課題であろうかと拝察をいたします。

しかしながら、先ほど来申し上げておりますように、本県の過酷な地理条件、高まる自然災害発生への備え、また、さらなる少子高齢・過疎化の進展などを踏まえても、ドクターヘリ導入の機は熟しつつあると思うのであります。

そこで、お伺いいたします。

これまで近隣他県との共同運用が極めて困難であり、その道筋の不透明が今も続く中、南海トラフ地震への対策を初めとした待ったなしの防災・減災対策上からも、私は、今後、本県単独でのドクターヘリ導入を目指すべきと考えますが、御所見をお示しください。

また、導入にとって何がネックと考えるのか、そして、その解消のためにどのように取り組まれるのか、あわせてお聞かせください。

ドクターヘリの導入について - 答弁 -

答弁:保健福祉部長

次に、ドクターヘリの導入について、まず、ドクターヘリ搬送の潜在需要の見込みについてでございます。

平成21年8月から実施している消防防災ヘリによるドクターヘリ的運航につきましては、これまで出動実績が4年間でわずか20件、年間最大10件と伸びていないことから、平成24年度に、平成22年の6カ月間における重症患者の救急搬送状況調査を実施いたしました。

具体的には、ドクターへリは夜間は通常対応できませんので、夜間を除いて救急車で三次救急医療機関へ搬送された重症患者のうち、現場から医療機関の収容までに30分以上を要した患者をヘリで救急搬送した方が有効であると仮定した場合、年間174名と推計されたところでありますが、これはあくまでそういう仮定のもとでの推計値でありまして、これがそのままドクターヘリ搬送の潜在需要とは言えないことから、さらにドクターヘリ的運航の動向等を見きわめる必要があると考えております。

なお、この推計値に対し実際のドクターヘリ的運航の要請件数が大きく下回っていることについて、県としては、ヘリ離着陸場の安全確保に人手がかかることも含め、出動要請の判断が難しいことなどがその一因ではないかと考えておりまして、今後は、患者搬送を行う消防機関が積極的にヘリの出動要請を行えるよう、消防機関との一層の連携・協力に努めてまいりたいと考えております。

次に、本県単独でのドクターヘリ導入についてでございます。

消防防災ヘリを活用したドクターヘリ的運航について、本県と同様にドクヘリ的運航を行っていた高知県と比較しますと、本県は年間平均5件、最大で10件の出動実績であるのに対し、高知県は年間200件前後の出動実績があったところでありまして、地理的条件や救急医療機関等の医療インフラの状況などにより、ドクターヘリの需要は異なるのではないかと考えられます。

このような状況から、本県におけるドクターヘリの導入については、まずは、その需要について見きわめが必要であると考えているところでございまして、また、このほか基地病院におけるヘリ格納庫、給油施設などの整備、搭乗する医療スタッフの安定的確保といった課題があると認識しております。

このため、県では、現在実施しているドクターヘリ的運航について、本年5月、県立中央病院に設置された屋上へリポートを使用した新たな運航体制により、搬送時間の短縮を図るとともに、山間部等へのヘリポートの整備などを進めながら、当面、その運航を継続し、出動件数の動向を見きわめるとともに、ドクターヘリを導入する際に想定される諸課題について、他県の取り組み状況の調査や関係機関との意見交換を引き続き進めてまいりたいと考えております。