議会質問

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2012年 12月定例会(12/6)

テーマ未来世代対策

自転車の安全対策について(2012年12月定例会)

自転車の安全対策について - 質問 -

次に、自転車の安全対策についてお伺いします。

あなたは道路や交差点を走る自転車に対して思わずヒヤッとした経験はありますかと聞くと、一体どのくらいの方が「はい」と答えるでしょうか。メールを見ながら、はたまた夜間無灯火で、あるいは後方を確認せずに右左折するなど若者の自転車マナーの悪さに対する苦情がふえていると言われています。私のもとにもそうした声が近年ふえてまいりました。私自身も、車のハンドルを握りながらヒヤッとする場面は少なくありません。

そこで、本県における過去10年間の自転車事故の概況を調べてみました。まず、自転車事故の件数は、平成16年をピークに減少傾向にありますものの、決して少ないとは言えません。昨年で年間1,379件、月平均で実に115件の計算となり、決して看過できない数字と言えます。事故に遭うのは小中高校生が29.9%と約3割を占め、接触相手は自動車が98.3%、発生状況は、出会い頭が最も多く55.6%、次いで右左折が20.1%の順。事故現場を道路別で見ますと、第1位は市町道で60%。時間帯は16時から18時が18%、次いで8時から10時が16.9%の順となっており、いずれも通学の時間帯と言えます。

以上のデータをつなぎ合わせますと、自転車事故は児童生徒に多く、市道や町道の交差点で朝夕の通学時間帯に車と出会い頭に接触することが多いという仮説が成り立ちます。とすれば、自転車の安全対策の主なターゲットは児童生徒を初めとする若者であり、彼らに対しどのような啓発が可能であり有効か、そこをしっかり検証する必要があります。

言うまでもなく、自転車は便利です。また、健康にもいい。特にサイクリストの聖地を目指す本県としては、その楽しさも大いに訴えたいところであります。ただその一方で、乗り物は人を傷つける凶器にもなり得るということもまた事実であります。ゆえに、自動車には免許が必要でありますし、交通違反には厳しく罰金、罰則も科せられているのでありますが、自転車の児童生徒にそのまま当てはめるというのも困難であります。

そうした思案をめぐらせる中、好事例を2つ見つけました。いずれも対象となるのは事故が最も多い児童生徒であります。

最初に、松山市と県警で今年度から始めたこども自転車免許証事業。これは、市内の小学生が走行マナーや交通ルールのテストを受験し、合格すればブルー免許証がもらえるという仕組みで、免許証には市営駐輪場が無料になるなどの特典までついています。さらに、学校で行われる実技を中心とした安全教室に参加するとゴールド免許証に格上げされ、子供心をくすぐりながら好評を博しているそうです。春先、早速受講した小学3年の娘が誇らしげにゴールド免許証を見せてくれましたが、親として、何ともほほ笑ましく感じますとともに、楽しみながら自転車の交通ルールを身につけさせるとは実にすばらしいと、思わず感嘆させられたのを思い出します。

また、もう一つの事例は、県警が小中高の児童生徒を対象に9月から県内全域で始めた自転車の交通違反情報学校連絡制度であります。何だか交通取り締まりのようで緊張を覚える生徒もいるかもしれませんが、基本ルールの徹底が自転車事故の防止につながり、ひいては自分の身を助けるというふうに受けとめてほしいと思います。この取り組みは、交通違反をした自転車に対して指導警告するアラームカードを配付し、その数が年度内に2枚になると保護者へ、3枚になると保護者と学校へそれぞれ県警から連絡が入るという仕組みであります。ちなみに、秋の交通安全運動初日の9月21日午前7時半からの1時間で計25枚のアラームカードが配付されたとのこと。若者の自転車事故は市道や町道の交差点で朝夕の通学の時間帯に多いというさきの仮説に照らしますと、同制度が定着するまで粘り強く推進をいただき、一定の時期に検証も加えながら、ぜひ成果を上げてほしいと思います。

そこで、お伺いします。

まず、子供たちに自転車の交通ルールを楽しみながら身につけさせる松山市のこども自転車免許証事業は、学校、保護者にも評判がよく、本県としてぜひ県下全域に広がるよう各市町に呼びかけてはどうかと考えるのでありますが、このことについて御所見をお示しください。

次に、9月から実施の自転車の交通違反情報学校連絡制度についてですが、この間の取り組みの成果について、例えば児童生徒や保護者、学校の反応や事故件数の前年同月比の変化など、具体的にお示しください。

自転車の安全対策について - 答弁 -

答弁:警察本部長

自転車の安全対策について2点お尋ねがありました。

まず、松山市こども自転車免許証事業については、松山市が企画し実施しているものでありますが、県警としても、ペーパーテストの問題の監修、自転車安全教室における実技指導などの協力を行っております。

この事業は、自転車の利用が始まる初期の段階で交通ルールとマナーの定着を図るための効果的な取り組みであると考えられます。県警といたしましては、子供の交通安全対策については、市町、教育委員会、学校との連携が重要と認識しておりますが、さらにこれらの連携を深めていくに際して、松山市こども自転車免許証事業に関する情報の提供も行ってまいりたいと考えております。

次に、児童・生徒にかかる自転車の交通違反情報学校連絡制度については、本年9月21日から運用を開始しておりますが、制度開始後の2カ月間において、児童・生徒に係る自転車の交通違反に対するアラームカードの交付は合計で526件であり、このうち2回目の交付が24件、3回目の交付が3件であります。児童・生徒の自転車事故は、制度開始前の2カ月間では76件のところ、制度開始後の2カ月間では65件と約15%減少しております。また、生徒からは、これまで以上に交通ルールを守るようになったなどの反響があり、交通安全意識の向上につながっているものと考えております。

県警といたしましては、引き続き教育委員会や学校と緊密な連携を図るとともに、自転車の街頭指導を強化し、本制度の効果的な運用に努めてまいりたいと考えております。

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