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単身急増社会について(2011年9月定例会)

単身急増社会について - 質問 -

次に、単身急増社会についてお伺いします。

総務省が6月末に発表した2010年国勢調査の抽出速報によりますと、我が国で最も多い家族形態は単身世帯であることが判明しました。全国の一般世帯約5,000万世帯のうち、単身世帯が1,588万5,000世帯と31.2%を占め、1960年の調査開始以来、常に最多であり続けた夫婦と子供世帯をついに逆転したのであります。

さらに、厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所がまとめた日本の世帯数の将来推計によりますと、今後も単身世帯はふえ続け、2030年には37.4%、実に全世帯の4割に迫るとの見通しが明らかとなったのであります。

これまで我が国は、家族を中心に据えた社会、また、そうした社会のあり方を先人の御努力により連綿と築いてまいりました。しかし、単身世帯が最多となり、しかもさらにふえ続けるとなると、これは今後の我が国のあり方に大きな変化をもたらすだけでなく、新たな社会の方向性を見出さない限り、日本というシステムそのものが破綻しかねない危うさを私は感じるのであります。

ここに至った背景にはさまざまな要因が考えられますが、まずは高齢化の進展が挙げられます。現在の日本人の平均寿命は、男性で80歳、女性で86歳、その差の分だけ高齢の単身者がふえていくという構図が浮かんでまいります。

そして、もう一つは、例えば30代後半から40代前半のいわゆる団塊ジュニア世代と、それより若い世代における未婚者の増加であります。これには、雇用が不安定で結婚したくてもできないといった経済的な要因や、女性の社会進出が進んだ結果、価値観が多様化するとともに、結婚しなくても生計が維持できるようになったことなどの社会的な要因が挙げられます。

そうした背景が複雑に絡み合いながら、今、私たちは、単身最多社会に直面することとなりました。家族という最小単位が社会の前提として成立しなくなったのであります。

一人一人が個々に生きていく。それがどのような社会なのか、にわかに想像できないし、できれば想像したくありませんが、避けられない事実であるならば、私たちにはどのような準備が可能でしょうか。

公明党が提唱するビジョンは、支え合う日本であります。東日本大震災発生直後、多くの国民が被災地と向き合い、被災者に寄り添い、支え合う、その姿に世界じゅうから賛嘆の声が上がりました。他者を思いやり、譲り合い、ともに生きる、そうした支え合う日本人の美徳を改めて見詰め直す機会となりました。

単身最多社会となった今、求められるのは、まさに支え合う日本、そして、支え合える愛媛をどのように実現していくかに尽きるのではないでしょうか。

そこで、お伺いします。

単身世帯が3割を超え、最多となった今、県民がお互いに支え合い、助け合う地域社会づくりに向け、県はどのような方向性を見出そうとしているのか。私たちの提唱する支え合う日本、支え合える愛媛の実現というビジョンに対する認識とあわせて、御所見をお示しください。

次に、一口に単身世帯といっても、当然ながら、お一人お一人の事情はさまざまでありましょう。そこで、私は、同じ高齢者であっても、元気なお年寄りが元気でないお年寄りに声をかけたり、同じ障害者であっても、耳が御不自由な方が目の御不自由な方をサポートしたりといった、それぞれが少しずつ支え合う地域の仕組みがつくれないだろうかと考えるのであります。

例えば、高齢者の場合を想定しますと、買い物や片づけであったり、囲碁や慶弔であったり、何かしらちょっとしたお手伝いを必要とする単身世帯に、あらかじめ一定のお手伝いポイント(仮称)を付与しておいて、実際ちょっと困ったときに、お手伝いしてくれた方に対してポイントでお支払いをする。また、今はお元気であっても、だれかからちょっとしたお手伝いが必要になったときには、それまで少しずつ他人のお世話をしてためておいたポイントでお支払いする。

この仕組みを回すものは、お金ではなく、善意です。そして、社会のお金である財源には限りがありますが、善意には限りがないというのがお手伝いポイントのポイントです。

こうしたアイデアを地域の座談会などでお話ししますと、お年寄りの目が急にきらきら輝き出し、俄然口も滑らかになるのです。ということは、ニーズと可能性は大きいということであります。

例えば、「私ら介護保険払うばっかりじゃけど、何年か介護サービス利用せんと元気でおったら保険料が安うなるとか、ある程度もんてくるとか、そがなかったら励みにもなるし、頑張って長生きしようという気にもなるんじゃけど、どがな」、これは1カ所や2カ所ではなく、10カ所、20カ所のあちこちからいただいた実際の話です。

私たちは、こうした皆様の声を早速国に届け、国会でも、介護保険料の軽減策として、介護保険を3年間利用しなかった元気な高齢者の介護保険料を軽減するお元気ポイントの導入を提案させていただいているところであります。

そこで、お伺いします。

社会保障と税の一体改革に向けた国の取り組みは、いまだ先行きが見えずという状況をよそに、猛烈なスピードで進行する単身最多社会。その中で私は、本県は本県として、国の対応を待つことなく、単身最多社会を踏まえた対策を早急に進めていく必要があると考えます。

例えば、お手伝いポイント(仮称)のように、地域で善意を回せるような仕組みの構築は、私は十分に可能と考えますし、広く自治体に呼びかけながら、ぜひこれを実現してほしいと考えるのですが、御見解をお示しください。

単身急増社会について - 答弁 -

答弁:中村時広知事

次に、単身急増社会についての御質問でございますけれども、急速な少子高齢化の進展や価値観の多様化に伴いまして単身世帯が急増する中、地域では、高齢者介護や地域福祉、さらには防災など、さまざまな分野で社会的課題に直面しており、これに対応するため、県では、助け合い、支え合う社会の実現を目指して愛と心のネットワークづくりに取り組んできたところであり、公明党が提唱する孤立社会から支え合いの社会を目指す新しい福祉社会ビジョンと相通ずるものがあるのではと認識しております。

県はこれまで、ボランティアの振興やNPOの育成など、県民一人一人が主体的、自立的に助け合い、支え合う活動に対する支援や、県とNPOなどが連携する県民参加型の協働事業を実施してまいりましたが、今後は住民が主体となった地域づくりを着実に進めていく必要があり、それには、NPOやボランティアだけではなく、地域コミュニティの力が不可欠であると考えております。

このような考えのもと、共助の担い手として地域に根差した活動をしている自治会やNPO、企業など、多様な主体が協働して社会的課題の解決に向けて活動を行う仕組みをつくることによって、県民一人一人が孤立することのない居場所や出番、役割がある地域社会、コミュニティづくりに取り組んでいきたいと思います。

答弁:県民環境部長

次に、単身急増社会についてのうち、地域で善意を回せるような仕組みの構築を広く自治体に呼びかけながら実現してほしいと考えるがどうかとのお尋ねでございます。

木村議員お話のお手伝いポイントと同種の仕組みとして、県では、サービスや行為を時間や点数等に置きかえ、ポイントとして物やサービスと交換できる地域通貨等のシステムを、助け合い、支え合う地域づくりを実現するためのきっかけづくりとして、出前講座やモデル事業を通じて普及啓発に努めてきたところでございます。

また、介護分野では、ボランティア活動を行った元気な高齢者に対し、実績に応じて換金可能なポイントを付与する制度を導入する市町もあり、県内でも久万高原町が同様の制度を実施していると聞いております。

こうしたポイント制度など地域で善意を回せるような仕組みにつきましては、過去の例を見ましても、地域が主体的に取り組んでいかなければなかなか継続できないことから、地域のニーズや実情に応じて地域みずからが創意工夫しながら課題の解決を目指す新しい公共支援事業の市町モデル事業等を活用するなどして、取り組んでいくよう市町に呼びかけてまいりたいと考えております。