議会質問

皆さまの声を
県政に、
カタチに

テーマ若者・女性に輝きを

ひきこもり支援について

ひきこもり支援について - 質問 -

次に、ひきこもり支援についてお伺いします。

ことしの書籍部門で先ごろ年間ベストセラー総合第1位に輝いた「もしドラ」を皆様御存じでしょうか。正式には「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」というタイトルの青春小説であります。

実はこのヒットにより、ちまたでは、にわかなドラッカーブームが起きています。私もかねてからのファンであるドラッカーですが、御承知のとおり、従来は、経営トップやビジネスマンなど、その人気は一定支持層によるものでしたが、今起きている現象は、それとは全く異なります。

例えば、中学校の生徒会から支持される。また、高校や大学の運動部や病院や美容室に至るまで、およそ組織をなし成果を求めんとする幅広い層から支持を集めているのであります。かつてとは異なる形で注目を集めるドラッカーのマネジメントという概念と実践は、閉塞状況にある今の日本にとって、それだけ必要とされている証左なのかもしれません。

「もしドラ」ではなく本家本元のドラッカー著「マネジメント」には、その巻頭で次のように書かれてあります。「本書の動機と目的は、今日とあすのマネジメントをして成果を上げさせることにある」と。つまり、マネジメントの目的は、成果を上げることにあるのであります。

翻って、本県のひきこもり支援に当てはめれば、その成果は当事者、御家族にこそもたらされるべきものであり、事業の検証はその立場に立ってなされるべきであります。

今から3年半前、私が議員になって初めて質問で取り上げさせていただいたのが、このひきこもり支援についてでありました。これは、家族固有の問題のみならず大きな社会問題であり、その解決は社会的になされるべきとの思いから、以来今日まで提言を重ねているところでございます。

先日、ひきこもり当事者の家族会であるKHJ愛媛県こまどりの会の3周年記念総会に出席し、現状をつまびらかにお伺いしたのでありますが、胸が押しつぶされるような心苦しさ、申しわけなさを覚えてなりませんでした。端的に申しますと、私の取り組みが十分に成果を上げていないからであります。しかし、当事者、御家族の苦しみを我が思いとしたとき、ひるんではいられません。

そこで今回は、私、2つのことを提案したいと思います。

その1つ目は、格に行って格を出でよ。つまり、成果を上げている例に倣って、さらにそれ以上の本県独自のひきこもり支援を目指すということであります。

例えば、希望あふれるこんな事実があります。ひきこもりする大学生の96%が社会復帰できた。平均5年以上ひきこもる一般人も、半年以内に84%が外に出てくるようになった。これは、全国から注目を浴びている和歌山大学のひきこもり回復支援プログラムが達成した衝撃的な効果事例なのであります。

そして、プログラムの開発中心者である和歌山大学保健管理センターの宮西照夫教授が、先ごろ、愛媛県心と体の健康センター主催のひきこもりに関する研修会に講師としてお越しになられ、私も教授の御講演を拝聴させていただいたのであります。

ひきこもり回復支援プログラムは、長年の蓄積データをもとに、引きこもった状態から再び社会参加するまでの期間を導入期、治療期、仲間づくり、社会参加という4つのステージに分類し、各ステージにおけるガイドラインを提示した実践プログラムであります。宮西教授のレクチャーは、これまでの高い成果に裏づけられ、非常にわかりやすく、例えば専門家による見立ての重要性や、親和性の高い支援者によるアウトリーチの必要性、居場所、たまり場との連動性など、どこを切っても示唆に富み、説得力にあふれていました。

そこで、お伺いいたします。

本県のひきこもり支援を考える上で、和歌山大学のひきこもり回復支援プログラムは大変参考となる取り組み事例と考えますが、御所見をお聞かせください。

2つ目は、ひきこもり地域支援センターの設置についてであります。

これにつきましては、去る8月23日、我が党の山本博司参議院議員、KHJ愛媛県こまどりの会の代表者とともに県当局へ申し入れを行ったところでございますが、この際、改めてお願いを申し上げたいと思います。

本年4月に施行された子ども・若者育成支援推進法は、教育、福祉、雇用など各分野にわたる施策を総合的に推進するとともに、ニート、ひきこもりといった困難を抱える若者への支援を行うための地域ネットワークづくりの推進を図ることを目的とし、ひきこもり地域支援センターは、その地域ネットワークを構成する機関とされております。

厚労省では、同法施行に先立ち、昨年度からひきこもり地域支援センターの全国整備を進めており、現在18の都道府県において、また、四国におきましても、高知県、徳島県で既に設置が進んでおります。

一方、本県におきましては、総合保健福祉センター内の心と体の健康センターが、ひきこもり支援の中核拠点として実質的に機能しているのでありますが、ひきこもり地域支援センターは今のところ設置されておりません。

そこで、当事者、御家族の御心情に照らし、本県のひきこもり支援に関する成果はいまだ十分ではないとの認識から、お伺いします。

本年度、国は、ひきこもり対策推進事業として、ひきこもり地域支援センターについて1カ所当たり350万円までの補助をつけ、普及啓発を進めているわけでありますから、本県でも、一歩踏み込んでぜひ設置していただきたい。そして、高知、徳島に負けない充実したセンターとして、また、ひきこもり当事者、家族に安心が広がるセンターとして、その実現を図るべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。

ひきこもり支援について - 答弁 -

答弁:保健福祉部長

次に、ひきこもり支援について、2点御質問がございました。

1点目は、和歌山大学のひきこもり回復支援プログラムの取り組みについての所見を問うとのことでございます。

和歌山大学の宮西教授が開発したひきこもり回復支援プログラムは、専門家による診察や治療に加え、過去にひきこもりの経験を持つ学生をメンタルサポーターとして支援対象者の家庭に派遣するところが大きな特徴でありまして、仲間づくりによって徐々に学内のサークル活動やボランティア活動に誘導し、社会参加につなげていく点で、大学内の資源を巧みに組み合わせた実践的プログラムであると考えております。

県のひきこもり支援対策は、年齢や経歴、ひきこもりの原因や生活環境、精神疾患の有無等、事情の異なるさまざまなケースに幅広く対応し支援する必要がありますことから、宮西教授のプログラムがそのまま適用可能かどうかについては、さらに検証する必要がございますが、ひきこもり経験者を支援ボランティアとして活用する手法は有意義であると考えられますので、どのように応用できるか、今後、研究をしてみたいと考えております。

2点目は、ひきこもり地域支援センターの設置についてどのように考えるのかとのお尋ねでございます。

ひきこもりの支援は、まずは家族の方々が気軽に相談いただくことが重要でございますので、県では、心と体の健康センターにおいて、電話、来所、訪問による相談支援を行っておりますほか、当事者や親の集い、家族会の活動支援、市町職員や一般県民を対象にした講習会の開催などにも取り組んでおります。

しかしながら、ひきこもりの背景にはさまざまな要因がありまして、相談の内容や対象者の状況に応じて、医療、福祉、教育、労働など各種の支援機関に適切に紹介するとともに、関係機関の情報交換や連絡調整を行う機能整備が課題となっております。相談者や家族会からは、ひきこもりの第一次相談窓口を明確にしてほしいとの声が寄せられているところでもございます。

このため、本県におきましても、国が整備を進めているひきこもり地域支援センターの事業を活用し、関係機関との連携、協力によるひきこもり支援体制の充実を図る必要があると考えておりまして、県全体の相談体制のあり方や相談支援に当たる人材の確保などにも配慮をしながら、平成23年度の開設に向けて検討をしたいと考えております。