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うつ病対策について

うつ病対策について - 質問 -

最後に、うつ病に有効な認知行動療法についてお伺いします。

全国の有病者数が約250万人と推測され、今や国民病とも言われるうつ病につきましては、これまで多くの議員が取り上げ、自殺とも密接に関連するその対策の緊急性、重要性が提起されてまいりました。

私のごく身近な人間関係においても、この人がという方が何人も心に不調を来しており、うつ病はいつ、だれしもに起き得ることを痛感せずにはいられません。

そこで、私は、この問題で成果を上げられている鹿児島県の事例を通して、本県における新たなうつ病対策の導入を提起させていただきたいと思います。

今から5年前、鹿児島県の自殺率は全国9位という状況で、このことに強い危機感を抱いた県と医師会、弁護士会、経済界、NPOなどが官民一体となって、本格的に戦略的に自殺対策を推進していくこととなったそうであります。取り組みの中で、自殺した人の約4割がうつ病であったことから、まず、うつ病に関する正しい知識の普及啓発を図るとともに、早期発見、早期治療を目指し、平成18年度から、自治体の健康診査において心の健康診査を取り入れ、他の施策も含めた対策推進の結果、鹿児島県の昨年度の自殺率は全国26位にまで改善され、その成果に一定の手ごたえを感じているとのことであります。この心の健康診査は、厚労省のマニュアルをもとに8項目の自己診断を行うもので、その結果、一定の項目に該当した人には保健師による面談を行い、さらに精密な診断が必要とされた場合には、専門医が紹介されるというものです。

例えば想像してみてください。毎日の生活に充実感がない。これまで楽しんでやれていたことが楽しめなくなった。以前は楽にできていたことが、今ではおっくうに感じる。自分は役に立つ人間だと思えない。わけもなく疲れたような感じがする。これは8項目中の5項目ですが、ここまでで2つ以上「はい」と答えた方は、保健師との面談がお勧めされます。

そこで、お伺いいたします。

各自治体で実施している健康診査において、県の主導により、心の健康診査のような簡易なチェックシステムを取り入れ、地域医療機関との連携を図ることは、うつ病の早期発見、早期治療、ひいては自殺の抑制に資するものと考えますが、御所見をお示しください。

次に、鹿児島県における認知行動療法の推進事例についてであります。

うつ病に極めて有効とされる認知行動療法につきましては、9月議会で笹岡議員が質問を行ったところでありますが、その際の御答弁は、「今後、国等による研修体制が整備され、習熟医や専門知識を有する臨床心理士等の育成が図られることによりまして、認知療法、認知行動療法の普及が進むことを期待いたしております」とのことでした。私も国には期待したいと思いますが、本県は本県として、積極的にその普及を進められたいと思っています。

平成17年からうつ病デイケアという形で認知行動療法を取り入れ、これにより治療を受けた人の約9割に症状改善の結果が出ているという沖縄県立総合精神保健福祉センターに学び、鹿児島県では、先ごろ独自の取り組みが開始されました。認知行動療法の導入に当たっては、最大の壁は、やはり治療に当たる専門医の不足ということでしたが、発想を転換して、専門医を育成するほかに、保健師や看護師、精神保健福祉士、ケアマネジャーなど、地域で精神保健福祉に携わる方々を対象に、その考え方を普及啓発しようということになったのであります。

鹿児島県精神保健福祉センターでは、本年8月、地域における支援者のための認知行動療法研修を開催し、2日間で計208名の参加を得て好評を博したそうであります。研修は、認知行動療法では日本の第一人者と言われる慶應義塾大学の大野裕教授が担当され、受講後の参加者からは、考え方を整理して対応できるようになった。相談者が陥っている視野狭窄状態を相談者みずからにより広げられる方法論ということが理解できたなど、それぞれの立場で業務に生かしたいという前向きな感想がほとんどであったそうであります。

ちなみに、大野教授は本県の御出身ということでもありますので、ぜひ認知行動療法の第一人者としてのノウハウを本県に御伝授いただき、本県のうつ病対策の前進に大きなお力添えを賜りたいと念願しております。

そこで、お伺いいたします。

沖縄では、うつ病治療を受けた人の約9割に症状改善が見られるほど有効な認知行動療法について、鹿児島県の事例を踏まえ、本県においても、各自治体、保健医療機関などと連携し、地域で精神保健福祉に携わる人々を対象に普及啓発を図るべきと考えますが、御所見をお願いいたします。

以上、新しい福祉の実現で皆様とともに愛顔あふれる愛媛県をつくりたい、公明党・新政クラブを代表しての私の質問を終わります。

御清聴まことにありがとうございました。(拍手)

うつ病対策について - 答弁 -

答弁:保健福祉部長

最後に、うつ病対策について、2点御質問がございました。

まず、心の健康診査のような簡易なチェックシステムを取り入れ、地域医療機関との連携を図ることについての所見を問うとのことでございます。

木村議員お話のようなチェックシステムによるうつ病の早期発見と、これを早期治療に結びつける仕組みは、自殺予防対策としても効果的でありまして、その実施に当たっては、ハイリスク集団の適切な把握と受検の勧奨とともに、スクリーニングの効果的な実施手法、地域の医療機関と連携したフォローアップ体制等を各地域の実情に応じてきめ細かく組み立てていくことが重要であると考えております。

このため、県におきましては、これまで久万高原町と西予市におきまして、保健医療機関の協力と住民参加による地域自殺対策事業を推進し、住民健診等を利用したうつ病のスクリーニングを実施するとともに、その結果を保健師による訪問相談やかかりつけ医による早期治療に結びつける取り組みを展開してきたところでございまして、これらの成果を踏まえ、今後も、県内市町において地域の特性に応じた効果的な対策が広がるよう、支援をしてまいりたいと考えております。

2点目は、認知行動療法について、各自治体、保健医療機関などと連携し、地域で精神保健福祉に携わる人々を対象に普及啓発を図るべきと考えるがどうかとのお尋ねでございます。

認知行動療法の普及のためには、さきの9月議会で笹岡議員にお答え申し上げましたとおり、専門医等の育成が重要であると考えておりますが、木村議員御提案のように、それに先行して地域の精神保健福祉業務に従事をしております保健師等の専門職に認知行動療法の基本的な考え方を普及することも有益であると考えておりまして、保健所及び市町等を対象に県が実施いたしました自殺対策企画実践研修におきましても、認知行動療法に関する研修の開催を希望する意見が寄せられております。

このため、平成23年度の地域自殺対策緊急強化事業の一環として、精神保健福祉に携わる保健所、市町及び関係機関の保健師等の専門職を対象に、認知行動療法の普及啓発を図る研修の実施を検討してまいりたいと考えております。