議会質問

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人材育成について

人材育成について - 質問 -

最後に、地域活性化についてお伺いいたします。

道州制をにらんだ今後の日本のあり方、あるいは待ったなしの国と地方の財政再建への方途を考えるほどに、これからは地域みずからが生き残りをかけて、いかに生活のもととなる経済を活性化させていくかということが求められる時代に入ったことを痛感いたします。

高知県の馬路村、徳島県の上勝町といった先駆的な取り組みは御案内するまでもないわけでありますが、この間、私は地域活性化特別委員会の一員として、諸先輩の皆様とともに、あるいは個人で、県内外のさまざまな先進事例を視察してまいりました。いずれの視察先におきましても、不屈の信念に裏打ちされた各地元の皆様の御努力に心からの敬意と深い感動を覚えるのでありました。と同時に、大いなる触発とある種の確信も得たわけでございます。

幾つか事例を御紹介いたしますと、例えば島根県の浜田市、その浜田漁港で水揚げされる水産物のうち、特に競争力の高いアジ、ノドグロ、カレイの3種類を「どんちっち三魚」としてブランド育成することで、水産業全体の収入拡大を実現されているのであります。アジを例にとりますと、基本的に同じ水揚げ品質にもかかわらず、ブランド化以前の平均単価でキロ157円だったものが昨年はキロ265円、実に以前の単なる浜田産アジ時代の約1.7倍の高級魚になったのであります。

同じく島根県の江津市に桜江町がございます。同町は古くから養蚕で栄えた町だったのですが、1996年についに養蚕業売り上げゼロ円となり、地元産業として完全に消滅したのでありました。必然的に若者は町を去り、残ったのは広大な桑畑と高齢者だけになったわけでありますが、このどん底からドラマは始まったのであります。残された者、また、この町を残すべき者として、これからどうやって食べていくか、皆で考えたその結論は桑の活用ということでありました。なぜ桑はこの町に何百年にもわたって存在し続けたのかを議論し、さまざまな角度から検証していくと、結局この地が桑の生育に最適だったからという結論に至ったのであります。そして、町を流れる暴れ川のはんらんにも屈せず5年ほうっておいても成長を続ける桑の生命力に着目し、その健康食品ビジネス化に成功をおさめているのであります。

ほかにもさまざまな事例を見てまいったわけでありますが、実に日本人の底力と申しますか、地元を愛してやまない方々の不屈の精神力とたくましい知恵というものに、まさに大いなる希望を見出す思いがいたしました。

さて、先日のことでありますが、中小企業基盤整備機構四国支部主催の「地域資源活用促進フォーラムin高知」というイベントに参加してまいりました。その冒頭、株式会社玄代表取締役の政所利子さんによる四国ブランド活性化戦略という基調講演の中で、次のようなお話がありました。

僻地から限界集落まで、いわゆる田舎と呼ばれる地方の私たちには「ない」がいっぱいある。お金がない、仕事がない、学校がない、病院がない。そのないない尽くしの中で、最大の課題は人材がいないことと言われるが、そうではない。人材はいる。ただ活躍の場がないだけなのだと、こういうことでありました。

また、政所さんは、かつてのような与えられる公共事業、補助金事業、そうした受け身的な活躍の場はもはやないというべきで、そうではなく、自分たちで活躍の場をつくっていく。個々人のそうした精神性の転換こそが、時代の要請であり、地域活性化の前提なのだと、このような趣旨で論を展開され、最後に、地域活性化の本質は、地域固有の資源を地域住民が主体となって掘り起こし、地域外から魅力ある経営資源に転換させることと結ばれました。

私が視察先で見てきたことは、まさにその実践であり、実証例であったわけであります。農水産物だったり、観光名所だったり、料理だったり、伝統文化だったり、どの地方にも必ずその土地ならではの地域資源があります。それを経営資源化、つまり市場化できるかもしれないと気づく力、また、こうすると訪れた人が喜んでくれるかもしれないと仮説を発想する力、こうした力をその地域を担う人材は必ず秘めていると私は信じたいのでありますが、最後にお伺いいたします。

地域活性化は地域独自の新たな市場づくりととらえた場合、私は、行政の役割というものは、それぞれの地域を担う方々に対して、その自発性や主体性を高めるきっかけや環境をどのように提供するかということになろうかと考えますが、本県として地域づくりを担う人材の育成にどのように取り組んでいくのか、お考えをお示しいただきたいのであります。

以上で私の初の代表質問を終わらせていただきます。

御静聴いただきまして、まことにありがとうございました。(拍手)

人材育成について - 答弁 -

答弁:加戸守行知事

次に、本県として地域づくりを担う人材の育成にどのように取り組むのかとのお尋ねでございました。

地域が自立的かつ持続的に発展してまいりますためには、中核となる人材の育成が欠かせないものと考えております。事実、県内でも、町並みを活用したまちづくりを進める内子町や夕日を観光資源に仕立て上げた旧双海町の成功を支えましたのは、熱意あるリーダーとそれに賛同する地域住民の熱心な取り組みであったことは、御承知のとおりであります。

県では、こうした人材を育成するため、えひめ地域政策研究センターを通じて地域づくりリーダーの養成やまちづくりに関する情報発信等を行っておりますほか、地域資源を活用した地域密着型ビジネスの立ち上げや新商品開発への支援、あるいは観光まちづくりやグリーン・ツーリズムに取り組む住民グループ、着地型観光を目指す旅行エージェント等の育成、さらには地域の農林水産業を支える担い手の育成、確保や経営基盤の強化などに取り組んでいるところであります。

また、4月からの地方局再編成に伴い、新ふるさとづくり総合支援事業を創設いたしまして、地域づくりマネジャーの招聘など、市町が取り組む人材の育成を積極的に支援していきたいと考えております。さらに、愛媛大学におきましても、南予水産研究センターの愛南町への開設や法文学部への観光まちづくりコースの新設など、高等教育の面から地域のリーダーとなり得る人材を育成しようという動きが活発化しておりまして、県としても大きな期待を寄せているところでございます。

人材の育成は一朝一夕に実現するものではございませんが、「人は石垣、人は城」と言われますように、本県の将来にとって根幹をなすものでありますことから、今後とも県政の各般にわたり関係機関と連携を図りながら、地域づくりを担う人材の育成に努めてまいりたいと考えております。その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。