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地震防災対策について(2007年9月定例会)

地震防災対策について - 質問 -

(拍手)皆様おはようございます。

公明党・新政クラブの木村誉でございます。

まず初めに、先般7月に起きました新潟県中越沖地震におきまして甚大な被災に遭われました新潟県、また、柏崎市の被災者の皆様に、心よりお見舞いを申し上げますとともに、一日も早いさらなる復旧、復興が進みますよう衷心よりお祈り申し上げます。

また、同地震発生後、直ちに保健師、医療スタッフを派遣し、物資や災害見舞金などの支援活動を展開された本県関係者の御努力に深く感謝と敬意を申し上げます。

最大震度6強という今回の大規模地震は、11名の命を奪い、約2,000名を負傷させ、そして約1兆5,000億円もの巨額の経済的損失を生み出しました。そればかりでなく、柏崎刈羽原子力発電所において、火災から微量の放射能漏れまで2,641件のトラブルが発生し、原発の安全性に対する信頼を根本から揺るがす事態をも生み出しました。伊方原子力発電所を擁する本県におきましても、防災体制の一層の強化に向けた教訓としてしっかりと受けとめ、取り組んでいかねばならない、そのように決意し、最初の質問に入らせていただきます。

地震防災対策についてお伺いいたします。
一部において、21日の村上議員の質問と重複しますが、御了承のほどよろしくお願いいたします。

先月29日、県庁内各部局によります第1回愛媛県大規模地震対策庁内連絡会議が開催されました。その目的は、さきの新潟県中越沖地震における主要な課題を踏まえ、本県における現状分析や対応策の検討を行い、その災害対応能力の強化を図るということでございます。

先般の常任委員会におきまして、かかるテーマに対し私は、従来の縦割りということではなく、ぜひとも全庁横断的なプロジェクトチームを編成され、県民をしっかり守ることができるトータルプランの構築をと要望を出させていただいたやさきであり、今回の連絡会議の立ち上がりを大変に喜ばしく思うとともに、本県における今後の防災能力の飛躍的向上に資する、実りあるアウトプットを心より期待するものであります。

さて、その連絡会議におきましては、緊急かつ重要なポイントを明確にして、今後、検討を進めていくことが確認されました。
1つは住宅耐震化であり、もう1つは災害時の要援護者対策であります。それぞれについてお伺いいたします。

まず、住宅耐震化についてですが、これがいかに重要かということを私たちは過去の各地における被災において学んだわけであります。国におきましては、昨年1月、改正耐震改修促進法を施行し、これを受ける形で県におきましても、耐震改修促進計画を本年3月に策定され、国、県挙げて鋭意取り組んでいるところと認識しております。

翻って、本県建築物の耐震化率の現状はどうかというと、全体で67.4%ということであります。これは全国平均の約75%を下回る水準であり、本年策定の愛媛県住宅マスタープランによりますと、平成27年度末にこれを80%まで引き上げるということであります。私は、この耐震化率67.4%という数字は、もう少し詳しく見る必要がある。その上で最重要課題を特定し、対策にめり張りをつけることが必要だと考えるものであります。

本県データを調べましたところ、まず、耐震改修促進計画で対象としている本県の建築物は、平成15年時点で56万3,785棟であり、そのうち実に98.8%が住宅建築物となっています。つまり、耐震化を図るべきそのほとんどが住宅と言ってよいでしょう。また、その住宅建築物は、木造戸建て住宅と、いわゆるマンションなどの共同住宅等の二つに分けられますが、木造戸建て住宅のうち耐震性が不十分のものが本県全体の約30%を占め、共同住宅等で耐震性の不十分のものは約2%という内訳になっています。ということは、本県の耐震化率を上げるために最も重要な要素は、この本県全体の約30%、すなわち約17万戸の木造戸建て住宅の耐震化をどのように促進するかということになろうかと考えます。

では、どうするか。木造戸建て住宅の耐震化についての意思決定主体は、各市町であり建築主であり、そして所有者であります。彼らに対し、県としてどのようにアプローチすればよいか。

巷間、住宅の耐震化が進まない最大の理由は、その費用にあると言われております。耐震診断にせよ補強にせよ、かかる費用が高額過ぎるということであります。確かに各種の補助制度を活用したとしても、100万ないし200万円ということにもなれば、庶民の多くはちゅうちょせざるを得ません。しかし一方で、民間では、現在入居したまま壁や建物の接合部分を補強できる施工器具や、柱とはりが交わる部分を強化する小道具などによる工法が普及しつつあります。いずれも工事が簡単、しかも安価であるというのが特徴です。

そこで、お伺いします。
耐震化率向上のかぎを握る木造戸建て建築物について、このような民間の安価な耐震化改修を加速させる、そのための支援を県として行うべきではないかと考えますが、御所見をお伺いいたします。

次に、耐震化を図るべき建築物のうち、木造戸建て建築物以外、すなわち特定建築物についてですが、とりわけ学校施設に着目しますと、私は、危機感を感ぜずにはいられません。本年4月時点での耐震化率は、公立小中学校で52.1%、県立高等学校が40.5%となっており、それぞれ全国30位と44位という低迷ぶりであります。ちなみに学校施設を含めて病院、官公庁施設などの公共施設全体で見ても54.8%という低い耐震化率となっております。公共施設、とりわけ学校施設については、子供たちの命を守るということはもちろん言うまでもなく、震災時における避難所とも、地域の防災拠点ともなるべき施設であります。それが倒壊したのでは、被害がさらに大きくなることは明らかです。

したがいまして、この学校施設の耐震化につきましては、平成27年度までという視野ではなく、可及的速やかに実施をしていただきたいのであります。この点について御所見とめどについてお聞かせ願います。

次に、災害時の要援護者対策についてお伺いします。
避難したくてもできない、いわゆる高齢者や障害者などの災害弱者の方々をどのように守るかということであります。

さきの連絡会議では、新潟県においては、県旅館生活衛生同業組合等の協力により、旅館、ホテルを県が借り上げ、福祉避難所として確保し対応したとのことでありました。

私は、この要援護者についてもきちんと分けて考える必要があると考えます。例えば、目や体が不自由な方や高齢者には介助者が必要ですし、耳と言葉が不自由な方には手話通訳者が必要です。また、団体生活にふなれな知的障害者は、大勢がごった返す避難所生活を避けるといった可能性もあるわけであります。

そのように考えますと、一口に福祉避難所というのではなく、要援護者をもう少し整理して、高齢者や障害者など、また、その重度、軽度といったケースごとに対応可能なものにぜひしていただきたいと思いますし、要援護者には必ず介助者が必要なわけでありますから、だれがだれをそこへ誘導するかなど、それぞれの対応に応じた避難支援計画の作成が促進されるよう検討をいただきたいと思いますが、御所見をお聞かせください。

地震を初めとして県民の生命と財産を災害から守るということにつきましては、県の最大の責務であり、その防災への取り組みに対し、これでよしという終わりはないわけであります。

今後とも、愛媛県大規模地震対策庁内連絡会議がさらに充実したアウトプットを出し続け、それを磨き続け、そして県民の自助共助の意識を高め、地域力を高めるムーブメントを力強く推進していかれることを念願し、この質問を終わります。

地震防災対策について - 答弁 -

答弁:土木部長

木村議員にお答えいたします。
地震防災対策について、県は、民間による安価な耐震化改修に対して支援を行う考えはあるかとのお尋ねです。

県といたしましては、これまで耐震診断事業の推進や住宅リフォーム支援事業の創設などにより、住宅の耐震改修を促進するための支援に努めているところでありますが、木村議員御指摘のとおり、耐震化の進まない要因の一つとして、耐震改修に要する費用が大きく、これが建築主の負担となっていることが考えられます。

このため、現在、本年中を目途に、安価な改修事例等を取り入れた改修マニュアルの作成を進めており、今後、このマニュアルを活用した建築技術者への講習会を通じて、安価な改修方法等の普及啓発を図るとともに、県民に向けてもこれらの情報提供に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。

答弁:教育長

木村議員にお答えさせていただきます。
地震防災対策につきまして、学校施設の耐震化については、平成27年度までと言わずに可及的速やかに実施してほしいがどうかというお尋ねでございます。

この問題は大変頭の痛い問題でございますが、6月議会におきまして村上議員にもお答えをいたしましたとおり、県立学校につきましては、厳しい財政状況の中で、平成13年度から18年度までに約145億円を投入し、また本年度も18億円を確保いたしまして、校舎等の耐震化を進めてきているところでございます。

この工事の実施に当たりましては、限られた予算を最大限に活用いたしますために、複数の校舎機能を1棟に集約して改築を行ったり、工事費の少ない耐震補強工事へシフトしたりして、少しでも耐震化率をアップする工夫をしながら工事を行っているところでございます。

また、小中学校の校舎等の耐震化につきましても、財政的には厳しいわけでございますが、義務教育でありますことから、国の交付金制度がありますために、これを活用して、市町が順次改築などを進めておりまして、県教育委員会といたしましても、この市町への交付金等の確保に努めまして、計画を積極的に支援してまいりたいと考えております。

県教育委員会も、また市町教育委員会も、この学校施設の耐震化の重要性は十分認識しているわけでございますが、県立学校の例で申しますと、改築には1棟当たり平均で5億円から6億円、耐震補強工事だけでも1億円を超える多額の工事費が必要なことから、短期間にこの耐震化率を大幅にアップするということは極めて困難でございまして、耐震診断の結果、優先度の高いものから順次工事を行っているのが実情でございます。

答弁:県民環境部長

木村議員にお答えします。
地震防災対策の第3問目、要援護者の態様に応じた避難支援計画の作成が促進されるよう検討してはどうかという御質問でございました。

要援護者の避難や避難所での生活に対しましては、議員も御指摘のとおり、要援護者の障害などの態様あるいは程度に応じて支援する必要がございます。このため、市町に対しまして、例えば、寝たきりの高齢者や肢体不自由の方には、車いすや担架等の移動用具や協力者を確保すること、視覚障害者あるいは聴覚障害者の方には、音声情報伝達機器や歩行介助者あるいは手話通訳者等を確保することなど、要援護者の態様に応じた避難支援計画を作成することを求めております。

また、さきの中越沖地震で判明いたしました要援護者に関するさまざまな課題を踏まえまして、改めて市町に対しまして要援護者の支援強化を文書で要請もいたしました。また、緊急アンケートも行いまして、課題を抽出した上で、市町消防の担当課長と要援護者情報の共有の進め方などにつきまして意見交換も行って、きめ細かい支援計画の作成を強く要請しております。

さらに、先般設置いたしました部局横断型の県大規模地震対策庁内連絡会議の中に、要援護者対策推進班を設けまして、庁内が連携して支援する体制を構築したところでございます。

今後はさらに、行政のみならず民生委員や介護従事者、自主防災組織などにも働きかけまして、地域が一体となって実効性のある避難支援計画が作成されるよう努めてまいりたいと考えております。以上でございます。