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障がい者の就労支援について

障がい者の就労支援について - 質問 -

障害者の就労支援についてお尋ねをいたします。

御承知のとおり、一昨年10月31日に障害者自立支援法が成立をいたしました。私は、本日は同法における障害者の就労支援、障害者がもっと働ける社会にという項目に着目し、幾つかお尋ねをしたいと思っております。

さて、本年3月末現在における県内の障害者の実態について県のデータを拝見しましたところ、身体障害者の方が7万5,329人、知的障害者の方が9,621人、精神障害者の方が1万9,525人、合計10万4,475人という実態でございました。10万人を超えるこの数字は、県人口の約7%を占めるものであり、決して少なくないこの方々に行政はきちんと光を当てられているのか、絶えざる検証を怠ってはならないのであります。

先日、私は、障害者施設にかかわる方々との懇談会に参加させていただきました。そこでお伺いした切実なる御要望の幾つかを御紹介させていただき、障害者の就労環境の改善アプローチとしていささかの切り口になればとの思いで述べさせていただきます。

県内では、フリーターなどの若年雇用対策としての愛媛県若年者就職支援センター、通称ジョブカフェ・愛workが、その導入から3年を迎えようとしているわけでありますが、着実に一定の成果を上げておることは喜ばしいことであります。

しかしながら、このジョブカフェ・愛workは、どちらかといいますと健常者を念頭に置いたものであるということも事実でございます。ジョブカフェ・愛workがあるビルの4階に車いすで訪れたけれど、従業員用のエレベーターを使わなければ上がることさえできなかった方々の悔しくつらい思いを考えたときに、私は障害者専用のジョブカフェというべき機能が必要であるというふうに考えるわけでございます。

つまり、障害者福祉に関する幅広い知識を持ち、何よりも障害者の気持ちに立ったサービススキルを身につけた、そういうスタッフによる障害者専用の就職相談施設でございます。現在、それに近い機能として、社会福祉法人愛媛県社会福祉事業団によりますえひめ障害者就業・生活支援センターと、社会福祉法人来島会によります障害者就業・生活支援センターあみの2拠点があるわけでありますが、今後、質的にも面的にもさらなる拡充が望まれます。

そこで、お伺いいたします。
障害者の就労ということに関しまして、現在までに県がどのように取り組んできたか。また、今後、どのような方向で、何を重点的に取り組まれようとされるのか、具体的な展望をお聞かせください。

次に、障害者の法定雇用について触れたいと思います。

障害者の雇用の促進等に関する法律によりますと、民間企業は1.8%、特殊法人は2.1%、地方公共団体は2.1%、都道府県等の教育委員会は2.0%と、それぞれに法定雇用率が適用され、その遵守が義務づけられております。

一方、その法定雇用率達成企業割合に目を移しますと、県内の最新データでは、今から30年前、すなわち昭和52年から60%強で安定的に推移していた法定雇用率達成企業割合が、平成11年を機に低下を始め、最近5年間はいずれも50%前後の低水準で推移していることがうかがえます。それほどバブル崩壊後の企業を取り巻く雇用環境は厳しいという一つの証左と言えますが、他方で私は、障害者雇用未達成企業に対するペナルティー付与が納付金、つまり罰金を支払うという形で行われていることも一つの要因と考えております。

現在の障害者雇用納付金制度は、法定雇用未達成企業から、法定水準に満たない部分を人数換算した上で、1人当たり月額5万円という金額を徴収し、その一部を達成企業に調整金、報奨金として支給し、残りを障害者を雇い入れるための事業主やその作業施設の準備等に助成金として支給する仕組みで、それ自体は合理的だと思われます。

しかし、法定雇用率達成企業割合の低迷状況を考えたとき、この障害者雇用納付金制度は、障害者の仕事の種類と機会をふやすことにつながっていないように感じます。今、障害者の方々に求められているのは就労機会の創出であり、その視点に立てば、未達成のペナルティーを金銭で支払うのではなく、仕事の発注ということで置きかえられないかと私は考えるのであります。つまり、ある法定雇用率未達成企業が、本来10万円のペナルティーを支払うのであれば、金銭ではなく10万円分の障害者の労働価値を購入するという考えであります。

例えばの話ですが、障害者が授産施設等で制作した生活用具、アクセサリー、農作物など、障害者の労働産物であるところの商品がおさめられたカタログを県が作成し企業等に配布を行う。そして、未達成企業は、その中から10万円分を商品として購入する。それはそのまま障害者への仕事の発注となるというアイデアでございます。そこには、より魅力ある商品の開発という授産施設側の競争力向上という副次的な触発効果も期待されますし、何より障害者自身の能力開発につながり、労働の喜びにつながる可能性が大いに期待されるわけであります。

むろんこの障害者雇用納付金制度そのものは国の専権領域に属するわけですが、県におかれましては、ぜひこういった現場の声やアイデアを国に対してしっかりアピール願いたいと考えるのであります。法定雇用率達成が目的ではなくて、一人でも多くの障害者の方々に働く機会と環境を提供し、サポートするという本来の障害者就労支援の原点に立ち返り、ぜひよろしくお願いいたします。

さて、就労機会を広げた今までになかった事例を1つ紹介いたします。それは、神戸市の社会福祉法人プロップ・ステーションと、同じく神戸市の通販企業であります株式会社フェリシモのタイアッププロジェクトであるチャレンジド・クリエイティブ・プロジェクトであります。

障害者就労といいますと、ややもすると、その制度やシステム、また、施設などのハードの整備や拡充といった点に意識が奪われがちでありますが、そのことに加えて、障害者の持つ能力や才能を埋もれたままにしておくのはもったいないという、支援する健常者側の感性が大事なのではないか、この事例はそういうことを示唆してくれるのであります。

すなわちこの試みは、行政、授産施設、プランナー、メーカー、アーチスト等をプロップ・ステーションがつなぐ形で、障害者を含むチーム制作でオリジナルの商品を開発し、販売するというものであります。特定企業の下請でもない、メーカー製品の補助作業でもない、ユニバーサル社会を希求する各社とスタッフのパートナーシップによって、障害者自身の感性を商品化するところにこのプロジェクトの肝要がうかがえます。障害者の感性、能力、才能、そしてそういったものを真ん中に立てて全く新しいビジネスを構築したのであります。そして、障害者就労に大きく資する結果をもたらすことになりました。現在、同プロジェクトに参加する授産施設、作業所は50カ所、協力メーカーは6社、そして6つの自治体に広がり、発展を見せているようでございます。ちなみに四国のトップを切って、宇和島市の障害者労働センター・結が、よもぎ入浴剤を商品化し、かなりの人気を博しているようでございます。

そこで、お伺いいたします。
本県におきましても、法定雇用率の達成のみならず、障害者就労のさらなる拡大に資する有益な事例や有利な制度情報などを障害者及び県民に対してわかりやすく積極的にPRすべきであると考えますが、いかがでしょうか。今後の普及啓発についての県のお考えをお示しください。

以上障害者の就労支援ということに焦点を当ててお伺いいたしました。

障害者が当たり前に働けるユニバーサルな社会の実現、それは3期目を迎えた加戸県政がその柱の一つに掲げる「弱っている地域や人を、みんなで支える」という施策にまさに合致し、そのスローガンである「輝くふるさと愛媛づくり」の理想的実像の一つであることを確信いたします。

最後に、新人ゆえの拙文を多々御指導くださいました先輩議員の皆様、理事者の皆様に心より感謝申し上げますとともに、冒頭に申し上げました「日に新たなり」の決意で県民の皆様のために精進してまいりますことを改めてお誓いし、私の質問を終わらせていただきます。

御清聴まことにありがとうございました。(拍手)

障がい者の就労支援について - 答弁 -

答弁:加戸守行知事

次に、障害者の就労支援につきまして、障害者の就労に関して、現在まで県はどのように取り組んできたのか。また、今後、どのような方向で何を重点的に取り組むのかとのお尋ねでございました。

働く意欲と能力を持つ障害者の方々の雇用を促進するためには、職業能力開発の充実や能力と適性に応じた就業機会を確保することが重要であると認識いたしております。

このため、県では、授産施設や高等技術専門校等における障害の対応に応じた訓練を行いますとともに、就労の場を確保するため、企業への雇用の働きかけや県庁内における障害者インターンシップの受け入れ、身体障害者を対象とした公立学校教員や臨時職員の採用試験の実施、障害者を積極的に雇用している企業に対する物品調達や工事の競争入札等参加資格での優遇措置などに取り組んできたところでございます。

また、平成19年度から、新たに障害者委託訓練等の受け入れ企業の開拓や就職後のアフターフォローなどを行う求人開拓員を東・中・南予に各1名配置いたしましたほか、企業の一層の受け入れを促しますため、障害者の雇用を義務づけられていない従業員55人以下の中小企業に対しまして、障害者を新たに雇用した場合や雇用を拡大した場合には、法人事業税あるいは個人事業税を軽減する制度を創設したところでございます。

今後は、木村議員のお話にありました障害者就業・生活支援センターについても、障害福祉計画の中で県内6障害保健福祉圏域ごとに各1カ所ずつ設置することを目標に掲げておりますことから、関係機関と連携し、その実現に努め、障害者の立場に立った職業能力の開発と就労の場の確保を重点に、各種施策に取り組んでまいりたいと考えております。

なお、木村議員、県議就任間もないわけでございますが、御存じなければと思って紹介申し上げたいことがございます。

すぐ近くの県立美術館萬翠荘の敷地内に小規模作業所あいが軽食喫茶を営んでおりまして、そこには知的障害者6、7人がかいがいしく働いております。昼食をとられる場合に時折御利用いただきまして、メニューは、じゃこ天うどん、カレーライス、焼きそば等豊富でございますが、私のおすすめのメニューはカツ丼でございまして、デザートにところてんを召し上がっていただくと、気分もすっきりしゃっきりすると思います。その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。

答弁:経済労働部長

木村議員にお答えいたします。

障害者の就労支援の(2)の法定雇用率の達成のみならず、障害者就労の拡大に資する制度や事例などを障害者及び県民に対して積極的にPRすべきと考えるがどうかとのお尋ねでございますが、県ではこれまで、障害者の雇用について、より一層の理解を求め障害者の雇用の促進と安定を図りますため、愛媛労働局や関係団体と連携して、毎年街頭キャンペーンを実施し雇用促進を呼びかけますとともに、障害者雇用フェスタの開催によります障害者雇用に関する講演や優良企業の表彰、障害者スポーツ大会などイベントの場での授産施設等で作成した製品の販売、高等技術専門校の訓練生を雇用している企業名を掲載したポスターの作成掲示など、各種啓発事業等の実施に努めてきたところでございます。

また、社団法人愛媛高齢・障害者雇用支援協会や愛媛県社会就労センター協議会等の関係団体においても、インターネットで利用できる障害者雇用事例の検索サービスを実施しておりますほか、イベントやショッピングセンターでの製品販売、カタログ作成などによる製品の紹介、販売を行うなど、障害者のものづくり技術の向上や就労の支援につながる各種事業を行っているところでございます。

今後は、国の機関や関係団体とも連携いたしまして、それぞれの広報紙やホームぺージなどさまざまな広報手段を活用しまして、御指摘のような効果的事例や県の障害者雇用の促進のための減税制度など各種制度を周知することによりまして、障害者就労の促進に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。