議会質問

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2023年 9月定例会(9/19)

テーマ防災・減災対策

流域治水の県民運動化について(2023年9月定例会)

最後に、流域治水についてお伺いいたします。

本年6/30夜から7/1朝にかけ、県内各地で豪雨が発生し、大雨警報が発令されました。
さらに、私の地元松山市では石手川が氾濫水位に達し、避難指示が出され、その他にも大洲市、西予市、宇和島市、内子町、久万高原町の約53万5,000人に避難指示が出される事態となりました。

幸い人的被害は確認されなかったものの、土砂崩れや住宅浸水、道路の冠水や停電、各種交通機関の運休などの被害が相次ぎ、県民生活に大きな影響を与えました。

振り返りますと、本県にとって忘れることのできない、あの西日本豪雨から5年が経過いたしました。あらためて犠牲となられた方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、被災された皆様に衷心よりお見舞いを申し上げます。

本県は河川延長が全国で6番目に長く、それだけ対策に人手も予算もかかる過酷な制約の中、県では3年前から“流域治水”という新たな対策に取り組まれています。

従来は、国や県など行政が、重信川は“国”、石手川のこの区間は“県”、三反地川は松山“市”というふうに、河川や区間ごとにそれぞれが管理し、河床掘削や堤防整備等を行うことで、川の水を溢れさせずに海へ流すというのが、治水に関する基本的な考え方でありました。

しかし、気候変動による地球温暖化の影響で、豪雨災害の激甚化と頻発化が続く中、国は2020年7月、気候変動を考慮した新たな治水計画の方向性を発表しました。

それは従来と異なり、川の水が溢れることを前提とした上でいかに被害を軽減させることができるのか、行政だけでなく、企業や住民などあらゆる関係者が協働し、流域全体で対策に取り組む“流域治水”という考え方であります。

本県におかれましては、この間、各圏域と水系において、水害に備える関係者の協働が着実に進められており、心から敬意を表する次第であります。

そうした中、県では6月、〈住民版〉、〈企業版〉、2種類の“流域治水マニュアル”を策定されました。
早速、私も目を通しましたが、非常に分かりやすく丁寧にできており、感服しました。

本マニュアルは、林業者や農家ができる取り組みや、私たち生活者ができる取り組み、安全なところに建物を立てたり人が住んだりという、行政が行う“まちづくり”としての取り組み等、すべての県民が豪雨災害による被害の軽減に貢献できるアイデアをまとめた事例集となっています。

例えば、豪雨の際、庭や屋外にバケツを置いたり、お風呂の水を流さないようにすることは、お家で簡単に取り組むことができ、県民の多くの方がそれを実践すれば、河川に入る水量を大きく減らすことが可能となります。

お米農家の方には、時期にもよりますが、田んぼに水を張るのを5㎝かさ上げできれば相当の雨水を貯めることができ、河川の一気の増水を緩和することができるでしょう。

西予市が昨年度から進める、いわゆる“田んぼダム”の取り組みが既に実証を示しており、今後の全県展開に期待が膨らみます。

また、企業・団体の方々には、屋上に雨水タンクを設置したり、地下に貯留施設を設置したり、あるいは敷地や駐車場のアスファルトの材質を、地中に水を浸透しやすいものに変えて頂く等の取り組みが広がれば、水害リスクは大幅に軽減でき、地域貢献を果たすことで各社のイメージアップにも繋がると思います。

私は、県が策定した今回の“流域治水マニュアル”をぜひともすべての県民に周知して頂き、単なる知識に留めるのではなく、それをどう実践に繋げるかという“自分ごと化”と“流域治水の県民運動化”を目指し、市町等と連携して取り組んで頂きたいと考えるのであります。

そこで、お伺いします。

豪雨災害の激甚化と頻発化が続く中、県民の生命を守る防災減災対策における重要な取り組みの1つとして“流域治水”の県民運動化が必要と考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、見解をお示しください。

以上で質問を終わりますが、結びに一言申し上げます。

岸田総理は先週、内閣改造を行い、第二次岸田再改造内閣を発足させました。
直後の記者会見で、岸田総理は「この内閣は『変化を力にする内閣』だ。変化を力として閉塞感を打破し、所得であれ、福祉であれ、外交関係であれ、『あすは、きょうより良くなる』と、誰もがそう思える国づくりを一緒に行っていく」との決意を披歴しました。

振り返りますと、政府が初めて緊急事態宣言を発令した2020年4月、外出自粛とともに「日本」が止まったあの瞬間から3年半が経ちました。

様々な制約と、想像すらできないほどの変化を受け止めながら、私たちはようやくアフターコロナという新たな局面を臨む場所へとたどりつくことができました。

しかし、まだまだ挑戦は続きます。

描きかけの未来地図を更新しながら、私たちはニューノーマルという新たな世界と時代を生きていかなければなりません。

岸田総理におかれましては、本格的なアフターコロナに向け課題や困難が山積する中、求められる変化を力に変え、『あすは、きょうより良くなる』と、誰もがそう思える国づくりに向けたリーダーシップを発揮され、まずは、来月中にとりまとめられる経済対策と、その後の補正予算案の編成において、その決意がしっかり体現されたものとなりますことを心から期待し、私の質問を終わります。

ご清聴頂き、誠にありがとうございました。

〈答弁概要:中村知事〉

県では、気候変動により増大する水災害リスクに対応するため、河床掘削や堤防かさ上げ、ダム整備などのハード整備に加えまして、あらゆる関係者が協働して流域全体で被害軽減に取り組む流域治水を強力に推進することとし、具体的な浸水被害の防止・軽減策を盛り込んだ「流域治水プロジェクト」を県内31の水系で策定しておりますが、プロジェクトの実効性を確保するためには、住民や企業等に参画してもらうことが必要不可欠であります。

このため、西予市で実証実験を行った田んぼダムなどの効果やメリットをわかりやすく説明した住民版と企業版の「流域治水マニュアル」を本年6月に策定しまして、県のホームページ等で広報するとともに、県や民間団体等が開催する住民や企業向けのイベント等で配布するほか、流域治水のシンボルとなる親しみやすい県独自のロゴマークを作成するなど、理解・共感を得るための取組みを進めているところでございます。

今後は、マニュアルを教材にして小中学生対象の防災教育を実施することにより家庭での取組みを広げるほか、本年7月に開始した流域治水に取り組む企業等を登録する制度の活用に加え、登録企業の優良事例をSNS等で広く情報発信するなど、市町とも連携を図りながら、多くの住民や企業等が一つでも多くの取組みに参画してもらうことで、流域治水を県内に広く波及させて、結果として県民の安全・安心の確保に繋げてまいりたいと思います。

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