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視覚障がい者の交差点横断支援について(2021年12月定例会)

最後に、視覚障がい者の交差点横断支援についてお伺いします。


先日、視覚障がい者の当事者ご家族から、音響式信号機、いわゆる「ピヨピヨ」、「カッコー」などの音がする信号機の設置に関するご要望を頂きました。
その際、何気なく言われた一言が胸に刺さりました。
「木村さん、私たち、交差点を横断するには勇気がいるんです。」
果たして私たちは、そうした方々の痛みにどこまで寄り添うことができるか、そのことが問われていると感じました。


警察庁によりますと、昨年3月時点で、音響式信号機は全国の信号機のうち、11.7%に当たる24,370基が整備されているものの、近隣住民の要望で、そのほとんどが夜間・早朝は鳴らない設定となっているため、鳴動時間外の死亡事故も起きているとのことであります。

しかし本来、視覚障がい者にとって最も「音」による横断情報が欲しい“深夜や早朝”に音が出せないという現実は、音響式信号機を仮に100%整備することができたとしても、なお残る課題であります。

冒頭のご要望に対する県警の回答は、「音響式信号機は病院や役所、盲学校等の公共施設を含む地域に優先的に設置することとしており、当該交差点はそれらの基準を満たさないため困難」というものでありました。

そこで、次なる方策について調査を進める中、一筋の光明に思えたのが、歩行者等支援情報通信システム「高度化PICS(ピックス)」です。

これは、視覚障がい者等の歩行者に、交差点の名前や歩行者用信号機の状況を音声で提供し、安全な横断を支援することで交通事故の防止を図るシステムです。

警察庁の普及整備計画の下、愛知県警や福岡県警などでは今年に入り、目の不自由な方が赤信号に気づかず横断し交通事故に遭う危険を減らすため、スマートフォンを通じて歩行者用信号が表示している色を知らせる機器の整備を進めています。

それは、手持ちのスマートフォンに「信GO!」という専用アプリをダウンロードすると、交差点や信号機等に設置した機器からスマホに、ブルートゥースで信号の色などを伝え、音声や振動で通知されるしくみとなっています。

これなら“深夜や早朝”といった時間帯に関わらず使用することができ、横断に際し、当事者が必要な情報を確実に得ることができます。

さらに、高齢者用押しボタンが設置された信号交差点では、スマートフォンの「信GO!」アプリ上のボタンを押すと“青信号を延長できる”機能等もついており、私はDXの進展に伴い、信号交差点のみならず、視覚障がい者の移動全般を安全にサポートする機能拡張も実装されてゆくだろうその将来が、なるべく早く到来するよう、心から期待を寄せるものであります。

そこで、お伺いします。
視覚障がい者から要望の多い音響式信号機に関しまして、本県の設置状況、及び今後の整備の見通しについて、ご所見をお示しください。

次に、警察庁が昨年から運用を開始した「高度化PICS」については、現段階で、本県には設置されていないため、ほとんどの方はイメージしにくいと思われることから、今後の普及を視野に入れ、視覚障がい者団体等と実際のシステムを用いた体験会などを通じて啓蒙と理解を深める、そうした取り組みも必要になってくると思います。

そこで、お伺いします。
県警として今後、「高度化PICS」の整備を推進するため、どのような方針で取り組んでいかれるのか、ご見解をお聞かせください。
以上で私の質問を終わります。ご清聴誠にありがとうございました。

<答弁概要①:警察本部長>
音響式信号機の中でも、鳥の鳴き声を模した音で信号の状態を知らせる「視覚障がい者用付加装置」、所謂「ピヨピヨ」「カッコウ」でございますが、これは、信号交差点における視覚障がい者の方々の安全な道路横断を支援する重要な交通安全施設であると認識しており、本県においては、駅や市役所など、視覚障がい者の方々の生活に密接に関連する施設の周辺等を中心に、県内161か所の信号交差点に整備しております。

一方で、周辺住民から深夜や早朝における音の制限要望があることも事実であることから、視覚障がい者の方々が望む形での整備が難しい場合も少なくないというのが実情であります。

このように同装置の整備については、運用方法や設置場所に関する課題が残っているものの、県警としては、今後も視覚障がい者の方々がより安全かつ自由に移動を行えるよう、周辺住民の方々との意見の調整にも取り組み、要望がある交差点にはできる限り整備を進めて参りたいと考えております。

<答弁概要②:警察本部長>
高度化PICSは、情報通信技術を利用して視覚障がい者等の安全な歩行を支援する新しいシステムであり、令和元年度に初めて全国に導入が開始され、令和2年度末の時点で宮城県等5県138か所に整備されております。

県警では、昨年度、視覚障がい者団体等の意見も踏まえて松山盲学校北交差点等、同校周辺で視覚障がい者の方々の利用頻度が高い信号交差点を5か所選定し、今年度内に整備を行う予定であります。今後、視覚障がい者団体等と協力し、視覚障がい者の方々に利用方法等の説明を行うこととしております。
今後の方針については、実際に利用していただく視覚障がい者の方々の声や、先行して整備を実施している他県の事例も参考に、整備効果を検証して参りたいと考えております。

あわせて、視覚障がい者の方々をサポートする様々な先端技術の動向にも注視して参りたいと考えております。