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幼児教育・保育の無償化について(2020年2月定例会)

幼児教育・保育の無償化について - 質問 -

おはようございます。公明党の木村誉でございます。
早速、質問に入らせていただきます。

初めに、幼児教育・保育の無償化についてお伺いをいたします。

御案内のとおり、昨年10月、消費税が8%から10%に引き上げられ、その増税分の一部を財源として幼児教育・保育の無償化がスタートいたしました。

このことは私たち公明党にとりまして、結党以来、半世紀余りにわたる悲願でありました。時に1960年代、私たちは保護者の教育負担の軽減を重点政策に掲げ、教科書無償配付実現に向けて全力で取り組みました。憲法第26条に、「義務教育は、これを無償とする。」とあるにもかかわらず、戦後長きにわたって、義務教育の教科書が有償だったからであります。

そうした中、無償配付の完全実施を決定づける質問を行ったのが、私どもの大先輩であります、当時の柏原ヤス参議院議員でした。元小学校教員の彼女には、忘れられない一つの記憶がありました。それは、教え子である少女からの次のような訴えです。

「先生、私はおもちゃもお菓子も要らないから、みんなと同じように教科書が欲しいです。」

少女は悔しくて、自宅にあった陶器製の貯金箱を壊して小銭を数えましたが、数十円足りませんでした。そのお金を握り締め、「先生、これで教科書を下さい。足りない分は必ず後で払います。教科書を売ってください。」そう訴えたそうです。柏原議員は、このときの必死に訴える少女の思いを質問にぶつけました。

「何はさておいても、中学3年までの教科書代を無償にすべきだ。」

これに対し、当時の池田勇人首相は、「憲法の理想を実現することに努め、昭和41年度までには義務教育の教科書を全部出したい」と答弁。

少女の小さな声が実現した瞬間でありました。

その半世紀前の義務教育の教科書無償配付という小さな一歩こそ、このたびの幼児教育・保育、そして、新年度からの私立高校、高等教育という3つの教育無償化実現につながる大きな一歩でありました。

そうした系譜に思いをはせながら、公明党では、昨年11月、12月、全国約3,000人の国と地方の議員が、幼児教育・保育の無償化に関する実態調査を行いました。大改革だからこそさまざまな課題が出てまいりますし、それらの課題解決に向けて、実情を把握し、見える化することが重要との考えからであります。この調査は聞き取り方式で行われ、利用者と事業者の計2万7,424人が回答し、1万1,254人から自由記述による意見が寄せられました。

利用者の回答を見ますと、幼保無償化の制度を評価するが65.2%、やや評価するは22.5%で、全体の約9割が肯定的でありました。経済的負担の軽減が子育て支援策として重要であることが、改めて示されたと考えます。

一方、今後取り組むべき課題も明らかとなりました。最も多かった回答は、幼児教育・保育の質の向上であり、次いで、ゼロから2歳児への対象拡大や待機児童対策など、受け皿の整備に対する要望でありました。そのうち、質の向上に関して、国では、人手不足の解消に向けて2013年度から保育士などの処遇改善を進め、これまで月額で3万円を超える給与アップを実現。受け皿の整備では、来年3月までに32万人分の拡大を目指し取り組んでいるところですが、今回の私どもの調査からは、いずれも不十分との声が多く、さらなるスピードアップが求められていることが判明いたしました。

例えば、保育士に対する家賃の補助制度といった人材確保策やICTを活用した業務効率化の促進を望む声、園舎の老朽化対策や教材の充実を要望する自治体の意見など、県内においても、多様な意見が私どものもとに寄せられており、地域によってさまざまな次の一手が求められているということを実感しているところであります。

そこで、3点お伺いします。

まず第1に、昨年10月に幼児教育・保育の無償化がスタートして半年を迎えようとしていますが、県内の利用者及び事業者への影響や市町の対応状況を踏まえ、県は本制度をどのように評価しているのか。

第2に、私どもの調査結果から見えてきた課題のうち、例えば、幼稚園教諭や保育士の人材確保、処遇の改善など、幼児教育・保育の質の向上について、県は今後、どのように取り組んでいくのか、御所見をお示しください。

そして第3に、受け皿の整備についてであります。県下20市町における待機児童数の近年の推移はどうか。また、施設・設備の整備など、市町と連携した待機児童対策に、県は今後、どのように取り組んでいくのか、御見解をお聞かせください。

幼児教育・保育の無償化について - 答弁 -

<答弁:副知事>
まず、私から、幼児教育・保育の無償化の評価についてお答えをさせていただきます。

幼児教育・保育の無償化は、子育てを社会全体で支えるという全世代型社会保障への転換のシンボルとなる政策であり、子育ての経済的負担を軽減し、出生数増加につなげる少子化対策の観点からも、大きな意義を持つものと評価しております。

一方で、昨年10月の導入までの準備期間が十分ではなく、制度設計がなかなか固まらなかったことから、利用者や事業者に戸惑いが広がるとともに、地方財政への影響や現場での事務負担に大きな懸念が生じるなど、導入時にさまざまな問題が発生いたしましたほか、制度導入後は、保育ニーズの高まりによる待機児童の増加や、保育の質の確保等の課題が指摘されているところであります。

このため、県といたしましては、全国知事会等を通じて、地方や現場にしわ寄せがないよう、国に財政措置や改善策を求めるとともに、市町と連携して、施設整備や保育人材の確保を図り、質・量の両面で増大する保育ニーズに対応できるよう努めているところであり、今後とも、無償化が真に子育て世帯の期待に応えられる制度となり、県民の皆さんが、安心して子供を預けられる保育環境が整備されるよう取り組んでまいりたいと考えております。

<答弁:社会福祉医療局長>
幼児教育・保育の無償化の御質問のうち、まず、幼児教育・保育の質の向上の取り組みについてお答えいたします。

幼児教育・保育の無償化に伴い、増加、多様化する教育・保育ニーズに適切に対応するためには、新たな幼稚園教諭や保育士のなり手をふやすとともに、給与等の処遇改善や業務負担の軽減により、人材の確保と保育の質の向上を図ることが重要と考えているところでございます。

このため県では、県保育士・保育所支援センターにおいて、潜在保育士の就職支援や保育士を目指す学生への修学資金の貸与等により、保育人材の確保を図るとともに、キャリアアップ研修の実施等により、職務や経験の段階に応じた給与改善と資質の向上を図っているところでございます。

また、保育士の補助的業務を行う子育て支援員の養成や、給食の配膳等を行う保育支援者などの人件費への補助により、保育以外の業務負担の軽減を図るとともに、幼稚園児の登園を管理するシステムの導入など、ICT化による業務の効率化にも取り組んでおりまして、今後とも、県民が安心して子供を預けられるよう、幼児教育・保育に必要な人材の確保と質の向上に努めてまいりたいと考えております。

<答弁:社会福祉医療局長>
次に、市町と連携した待機児童対策についてお答えいたします。

本県における毎年4月時点の待機児童数は、平成27年の119人をピークに、平成30年には49人に減少していましたが、昨年は、西日本豪雨災害で被害のあった施設が新規受け入れを停止した影響や、共働き世帯の増加などによる保育ニーズの高まりにより103人となり、4年ぶりに増加しているところでございます。

県では、待機児童対策として、毎年度、市町の整備計画に応じて、施設や設備の整備に補助するとともに、潜在保育士の就職支援や保育士の処遇改善を図ることにより、ハード・ソフト両面で受け皿整備に取り組んでいるところでございます。

幼児教育・保育の無償化に伴い、今後も保育ニーズの増加が見込まれることから、本年1月には市町と連携し、県待機児童対策協議会を立ち上げ、保育士確保などの課題の共有や対策を共同で検討する体制を構築したところであり、今後とも、協議会を中心に、より実効性の高い待機児童対策に取り組んでまいりたいと考えております。