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ひきこもり支援について(2019年2月定例会)

ひきこもり支援について - 質問 -

次に、ひきこもり支援についてお伺いします。

本年1月、県として初となるひきこもりの実態に関する調査結果が明らかとなりました。それによりますと、県全体のひきこもりの人数は1,000人に上り、内訳は男性7割、女性3割、年代別では40代以上が6割を超え、期間は10年以上が4割強と長期高齢化するひきこもりの深刻な実態が浮き彫りとなりました。

振り返りますと、初登壇のとき、私が最初に取り上げたテーマが社会的ひきこもりについてでありました。質問では、県内に当事者はどのくらいいるのか、年齢、性別、期間の長短など実態を明らかにすべきと訴えたのでありますが、その際の答弁は、把握は困難であり、他県の動向も勘案し検討したいというものでありました。実にあれから12年の今回の初調査であります。

そうした中、最近よく聞かれるのが、中高年のひきこもりと言われる8050問題であります。これは、80代の親と引きこもった50代の子供の生活が困窮し共倒れとなる危険性、あるいはその可能性が否定できない方々や生活状況を指す社会問題であります。

昨年1月、札幌市のアパートで80代の母親を追うように50代の娘が衰弱死しました。部屋には約9万円の現金が残されていたにもかかわらずです。また、4月には、福岡県の住宅で80代の母親の遺体が発見され、同居する60代の息子を死体遺棄容疑で逮捕。8月には長崎市のアパートでごみに埋もれた76歳の母親の遺体が見つかり、こちらも48歳の息子が逮捕されました。

長期にわたって他者とのかかわりを拒否し、あるいは社会へのアクセスを失った彼らに、死亡の届け出や火葬の許可申請などの手続を履行させるにはどうすればよいでしょうか。

そもそもこれまで国がひきこもりの対象としてきたのは39歳までであり、大人のひきこもりが問題とされるようになったのは、ごく最近のことであります。90年代、ひきこもりは、不登校や思春期と同列の青少年問題として扱われ、2000年代には就職氷河期との兼ね合いで就労支援に主眼が置かれました。昨年施行された改正生活困窮者自立支援法や改正社会福祉法において、地域共生社会という今後目指すべき社会像の中で、初めて、ひきこもり支援というものが明確に位置づけられたのであります。

そこで、お伺いします。
県は、今回のひきこもりに関する実態調査の結果を含め、8050問題をどのように認識するのか。また、親子共倒れの危険性や親亡き後の不安というものに対し、どのように取り組んでいかれるのか、見解をお示しください。

県ひきこもり相談室が2011年に開設され、7年が経過しました。この間、相談室を訪れた方からは、昼夜逆転していたが、規則正しい生活ができるようになった。部屋からなかなか出られなかったが、部屋から出て家族と一緒に食事ができるようになったり、家の手伝いをしたりするようになった。就職を支援してくれる機関につながり、就職することができたなど、うれしい感想が寄せられる一方で、中高年の方からの電話相談や来所はまだ少ないとのことでありました。

先日、ひきこもり当事者御家族の方からお話をお伺いしたのですが、多くの方から寄せられましたのは、もっと相談しやすい体制を整備してほしいとの御要望でありました。例えば家庭内で問題となるような深刻な場面は、平日昼間よりむしろ夜間や休日に多く、相談を受け付ける日時を見直してほしいという声、あるいは近隣や併設スペースにひきこもり経験者やスタッフがさりげなく寄り添い、ゆっくり過ごすことができる居場所があれば、そのまま相談にも行きやすいといった声など、ひきこもり相談室の敷居をもっと低くし、間口をもっと広げてほしいといった御要望であります。

県の実態調査で明らかとなった必要な支援策は、家族の相談や支援の充実、支援や窓口の周知啓発、NPO団体など支援団体との連携でありましたが、こうしたニーズにつきましても、当事者御家族からお聞きした要望とぴたり符合するのであります。

私は、このような県民の声、当事者の思いに寄り添いながら、ぜひひきこもり相談室の24時間365日化や移転を含めた官民連携による居場所スペースを併設した相談室のあり方について御検討をいただきたいと思いますし、ひきこもり相談室の相談支援体制の一層の充実強化に取り組んでほしいと考えるのであります。

そこで、お伺いします。
ひきこもり相談室の開設から、この間における主な成果についてお聞かせください。また、相談室の相談支援体制強化に、県は今後どのように取り組んでいくのか、御所見をお示しください。

最後に、ひきこもり支援に携わる人材養成についてお伺いします。

厚労省では、ひきこもり支援が適切に行われるひきこもりサポーターの養成研修を県が実施し、養成されたサポーターを地域に派遣し訪問支援を行うほか、業務を担当する市町や関係機関の職員であるひきこもり支援従事者の養成研修を実施する事業を平成25年度より開始し、今年度は大幅に予算が拡充されたと聞きます。

そもそも先ほどの8050問題が浮上したのは、ヘルパーさんや民生委員さんが、介護が必要な高齢者の家庭を見守り訪問したら、無職の中年の子供に出会ったというケースがふえてきたからということでございますが、そうだとすれば、こうした方々にぜひひきこもりサポーターとして、さらなる活躍を期待したいと思うのであります。あるいは自治体において、アウトリーチのスキルやノウハウの底上げを図るためにも、私は、県が積極的にひきこもり支援の人材養成に取り組むべきと考えるのであります。

そこで、お伺いします。
本県におけるひきこもりサポーターやひきこもり支援従事者を初めとするひきこもり支援の人材養成について、県は今後どのように取り組んでいくのか、御所見をお聞かせください。

ひきこもり支援について - 答弁 -

答弁:保健福祉部長

ひきこもり問題に関する御質問のうち、まず、8050問題についてお答えをいたします。

本県が実施をした実態調査では、民生委員が地域で把握をしておりますひきこもり該当者1,000人のうち、40代が239人と最も多く、50代の163人と合わせますと、40代、50代が全体の4割を占め、また、ひきこもりの期間も10年以上が最も多いなど、ひきこもりの長期化、高年齢化の傾向が顕著にあらわれておりまして、高齢の親がひきこもり状態にある子供を養わなければならない8050問題は、本県においても重要な課題と認識をしております。

ひきこもりとなった背景には、さまざまな要因があり、保健、福祉、医療面でのアプローチにあわせ、経済的困窮等の問題に応じて、早期に適切な支援を提供することが重要でありますことから、調査に協力をいただいた民生委員を初め、社会福祉協議会等の地域福祉団体との連携を強化しまして、地域での見守りや、家庭を訪問するアウトリーチ活動により、支援を求める声を上げられないひきこもり状態にある方を、生活困窮者自立支援制度を初めとする必要な支援につなげられるよう、市町と連携して取り組んでまいりたいと考えております。

答弁:中村知事

次に、ひきこもり相談室の成果、また、相談支援体制強化についての御質問についてお答えをさせていただきます。

ひきこもりの背景には、家庭、学校、職場等の生活環境や心の疾患、発達障がい等のさまざまな要因がありますことから、県では、心と体の健康センターに一次相談窓口としてひきこもり相談室を平成23年度に設置し、専任の相談員が年間約600件の相談に対応しているほか、相談内容や対象者の状況に応じ、就学、就労、子育て支援、障がい者支援、医療等の各支援機関に適切につなぐなど、当事者や家族等の支援に取り組んでいるところでございます。

具体的には、相談員が中心となりまして、家族教室やデイケアの開催、家庭を訪問するアウトリーチ活動による支援などを行うほか、就労支援窓口や自助グループへの同行支援など、個々のケースに応じたきめ細かい支援活動に取り組んでおり、その結果、就学や就労に至った事例を初め、家族支援により生活や行動が改善した事例などの成果が得られています。

また、ひきこもりから回復した方の協力を得まして、相談室のホームページをリニューアルし、相談窓口の効果的な広報を図っているところであり、今後、本県が実施した実態調査結果や家族会の意見も踏まえまして、家族に寄り添った支援がさらに提供できるよう、ひきこもり相談室を核として支援機関のネットワークを活用し、相談支援体制の強化に努めてまいりたいと思います。

答弁:保健福祉部長

次に、ひきこもりサポーターなど支援人材の養成についてお答えをいたします。

県では、ひきこもり相談室を設置した平成23年度からひきこもり支援従事者の養成を進めており、支援に携わる市町職員や医療機関スタッフ、福祉・就労関係機関の職員等を対象にひきこもり支援研修会を開催し、これまで延べ約1,600人が受講をしておりまして、市町や相談支援機関においてひきこもり支援に当たっていただいているところであります。

ひきこもりサポーターにつきましては、市町におけるひきこもりの早期発見や訪問支援の担い手としての役割が期待できますことから、今後、市町と連携し、民生委員やひきこもりから回復した方にも協力をいただくなど、効果的なサポーターの養成について検討をしてまいりたいと考えております。