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豪雨対策について

豪雨対策について - 質問 -

公明党の木村誉でございます。

本年7月に発生した九州北部豪雨では、死者・行方不明者が40人以上に上るなど、甚大な被害がもたらされました。犠牲となられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被災された皆様に心より御見舞いを申し上げます。

復旧への道のりはいまだ厳しい状況と聞きますが、朝倉市長の言われる必ずこの地域をより安心して暮らせる地域に生まれ変わらせるとの揺るぎない決意を信じ、復興への歩みを一歩一歩進めていかれることを心から願うばかりであります。

被災された皆様の安寧を祈りつつ、会派を代表し、質問に入らせていただきます。

初めに、今回の九州北部豪雨による災害は、場合によっては、本県でも起こり得た、あるいは今後起こり得るとの危機意識から、豪雨対策についてお伺いいたします。

7月5日午後、気象庁は、福岡県朝倉市と大分県日田市周辺に相次ぐ形で、記録的短時間大雨情報を発表しました。その名のとおり、朝倉市の降雨量は、この日1日で、7月1カ月の平均雨量の1.5倍に当たる516㎜に達するなど、観測史上最多を記録する事態となりました。その大雨をもたらしたものが、いわゆる線状降水帯であります。積乱雲が発達する多くの条件が重なった結果、一ところに大雨が降り続くこととなりました。そして、発生した表層崩壊。福岡、大分両県境にまたがるおよそ450の地点で土砂崩れが発生しました。崩れた大量の土砂と倒木が川に流れ下り、その流木が橋にかかって流れをせきとめ、河川が氾濫。大量の流木が人家を次々となぎ倒し、田畑をのみ込んでいったのであります。

以上が、発災の大まかな経緯ですが、甚大な災害を招いた最大の要因として、線状降水帯、表層崩壊、大量の流木、この3つが指摘されております。被災地同様、中山間地が多く、県土の7割を森林が占める本県といたしましても、決して他人事ではありません。いつ起きるとも限らない豪雨災害に対し、地道ではありますが、一つ一つ教訓を生かしながら対策をアップデートしていく以外ありません。

今般の災害に照らせば、出発点は線状降水帯でありましたが、気象庁は、それに先んじて記録的短時間大雨情報を発表しています。日中の発表であり、夜間に比べて避難しやすく思われましたが、これほどの惨事になるとは誰も予測できないまま、事態に直面したと言います。

この記録的短時間大雨情報は、1時間の雨量が100㎜前後に達するような、その地域で数年に一度の猛烈な雨が予想される場合の注意報ですが、一昨年は年間38回、昨年は58回の発表に対し、ことしは7月だけで51回発表されており、年々確実に増加しているのであります。

その一方、1日に1㎜以上雨が降る日数は年々減っているため、結果として、降れば大雨という極端な現象が近年続いており、もはや集中豪雨あるいはゲリラ豪雨は、異常気象ではなく常態であると言っても過言ではないでしょう。

災害には必ず予兆があり、その段階で提供される注意報や警報などの情報は、人命保護になくてはならない命綱です。また、そのとき一人一人の住民が警報に素早く反応し、周囲を含めて避難するなど適切に対応することができれば、被災を大きく軽減させることが可能となるに違いありません。つまり、この警報は、甚大な災害となる予兆かもしれないと気づき、対応できる防災能力あるいは最前線の住民、自治体の災害情報リテラシーの向上が、減災を図る上で大変大きな鍵を握るのではないでしょうか。

そこで、お伺いします。

災害が発生する前の警報段階で、県民一人一人が適切な対応行動をとれるようにするために、県として、今後どのように取り組んでいくのか、御所見をお示しください。

本項最後に、表層崩壊による大量の流木についてであります。

雨量が森林の保水力の限界を超えたとき、果たしてなすすべはあるのだろうかと感じる一方、一部地域では、整備を進めてきた砂防堰堤が流木をせきとめ、河川の氾濫を防ぐことができたとの朗報もあったようです。

大量の流木を発生させないためには、発生源である山林の手入れを初め、上流域での砂防堰堤や下流域での護岸や橋梁の改良など、総合的な林産地対策、河川対策を、スピード感を持って進めていかなければならないと強く感じたのであります。

そこで、お伺いいたします。

万一、本県に九州北部と同程度の豪雨が発生した場合、県は、表層崩壊や大量の流木発生の可能性についてどのように考えるか。また、それらによる被害を少しでも抑える減災の視点から、今後どのような対策を講じられるのか、見解をお聞かせください。

豪雨対策について - 答弁 -

答弁:中村知事

木村議員に、まず、豪雨災害に関する御質問についてお答えをさせていただきます。

本県は、森林面積の割合が7割と高い地域でございます。また、急峻な地形で、脆弱な地質でもありますことから、九州北部と同様の豪雨があれば、表層崩壊や大量の流木が発生する可能性はあるものと考えます。

これまで本県では、間伐等により樹木を健全に成長させ、下層植生が豊かで保水力も維持された災害防止機能の高い森林整備を進めることで、流木の抑制につなげてきており、加えて土砂の発生源対策として、最上流部に間伐材による木製ダムを設置し、有効性を現在検証しているところでございます。

また、近年の土砂災害を踏まえ、今年度から、土石と流木はせきとめるが、水は通す構造の砂防堰堤を基本として整備することとし、現在、詳細な構造を定める指針の策定に取り組んでおりますが、その整備には多くの費用と長い時間が必要でありますことから、上流域での流木発生を抑制する渓流の保全、下流域での流下断面を確保する護岸整備や河床掘削等、即効性のある対策に係る予算を本議会に計上したところでございます。

県では、九州北部豪雨災害について、今後示される新たな知見をもとに、国と県で構成する砂防治山連絡調整会議で、より効果的な流木対策を検討するとともに、発生源から下流域まで流域全体で土砂流出や流木の対策を積極的に実施し、県民の安全・安心確保に取り組んでまいりたいと思います。

答弁:防災安全統括部長

豪雨対策に関する御質問のうち、警報段階での県民の対応についてお答えをいたします。

災害時に避難がおくれる、あるいは警報段階で的確な行動がとれない理由として、大ごとにはならない、自分は大丈夫といった心理、いわゆる正常性バイアス等に起因した個人の意識の問題とともに、より住民サイドに立ったきめ細かな情報提供のあり方などが指摘されているところでございます。

このため、県では、みずからの安全はみずからで守るという自助の大切さや、津波てんでんこに代表される過去の教訓を踏まえた災害に対する意識の醸成を図るため、防災意識啓発講演や防災士養成講座の開設、自主防災組織の活性化等に取り組んでおります。

また、情報伝達の面では、防災メールやツイッターなど最新の伝達ツール等も活用しながら、気象情報や避難情報等を迅速かつ的確に伝える体制を構築しているほか、市町においても地域内の危険箇所や避難所等をわかりやすく表示した防災マップ等を作成、配布しているところでございます。

さらに、今年度からは、県消防学校において、地域防災活動の核となる防災士等を対象に、住民避難対策をテーマとしたスキルアップ研修を実施しているほか、住民の円滑な避難を支援するスマホ向けアプリの開発などにも取り組んでおり、今後とも市町等と緊密に連携しながら、地域防災力の向上に努めてまいりたいと考えております。