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高齢ドライバーの安全対策について(2018年2月定例会)

高齢ドライバーの安全対策について - 質問 -

最後に、高齢ドライバーの安全対策についてお伺いします。

本年1/9、群馬県の前橋市で、登校中の女子高生2人が85歳の男性に車ではねられるという大変痛ましい事故が発生しました。

報道によりますと、加害者である85歳の男性は、持病など特になかったものの、半年くらい前から小さな物損事故を繰り返す兆候が見られ、家族からも再三、免許返納を勧められていたそうです。

しかし本人がそれに応じず、事故当日も、家族の目を盗むように、車を走らせたとのことでした。

実は、同じような不安と苦悩を抱える方々は、私たちの周りにも決して少なくありません。実際、私も、年老いた父親を久万高原町の実家に残した松山市のご家族から切実なご心配をお聞きしたことがあります。

内閣府によりますと、今後、団塊の世代が75歳となる2025年には国民のおよそ5人に1人が後期高齢者となり、一人暮らし世帯のうち高齢世帯の割合が全体の4割に迫るなど高齢化の進行が加速するとし、認知症高齢者も730万人を超え、高齢者の約5人に1人を占めるとの推計を示しています。

高齢ドライバーによる交通事故のさらなる増大が懸念される今、高齢者を加害者にも被害者にもさせない決意と取り組みが求められています。

そうした中、昨年3月改正道路交通法が施行となりました。主な改正点は、高齢ドライバーの認知機能検査の強化です。

具体的には、従来の75歳以上の対象者が免許を更新する際に加え、信号無視や逆走など18項目の違反を行った際に、認知機能検査が義務づけられることとなりました。

そして検査の結果、認知症の恐れがあると判定された人は、別途医師による受診が必要で、認知症と診断され6ヶ月以内に回復の見込みがある場合は免許停止、回復の見込みがない場合には免許取り消しとなります。

つまり、“認知症の発症”というところに、より厳格な基準を設け、該当する高齢ドライバーには運転させない、本人とご家族のためにも、事故を未然に防ぐという観点からも運転を認めない、という考え方であり、この新たな制度に加え、効果的な取組みの1つとされるのが運転免許の自主返納支援事業です。

県警では、2008年から事業を立ち上げ、返納件数は年々増えてきているとお聞きします。

また、県下の自治体でもタクシーやバス、フェリーなどの利用券や施設の割引券を配布するなど、様々な特典を付与しながら運転免許の自主返納率向上への取り組みが着実に進んでいます。

しかし、離島や過疎地域では、路線バスや鉄道などの公共交通が十分でなく、本人の代わりに運転してくれる人もなかなか見当たらない。だから不安もあるが運転せざるを得ない、そういう高齢者がたくさんおられます。

その意味では、高齢者の免許返納は“地域に見合った公共交通をどう確保するか”という問題と表裏と言えるでしょう。

また、一方では、車の運転をやめた高齢者は、運転を続けている人に比べて要介護状態になる可能性が8倍高く、認知症の発症率が2倍に増えるというデータがあります。

鳥取大学医学部の浦上教授によりますと、認知機能を維持するには、1つには体を動かす「運動」、2つめに頭を使って指を動かす「知的活動」、3つめにできるだけ多くの人とおしゃべりをする「コミュニケーション」、この3つの要素が必要とのことです。

逆説的になりますが、車の運転にはこの3つの要素が備わっているのです。

つまり、認知機能の維持に有効であり、運転をやめると要介護や認知症の発症率が高まるという先程のデータにもぴたり符合するのです。

そうであれば、私は、運転免許の自主返納支援の取組みと同時に、高齢者の方ができるだけ長く安全に運転することを可能にするような取組みも必要であると考えるのであります。

私たちは誰しも、加齢に伴う運動能力や判断能力の衰えは避けられません。今後は認知症のみならず、加齢そのものに伴う事故の増大ということも視野に入れなければならないでしょう。

免許の更新時だけでなく、日常生活の中で衰えゆく自身の能力と向き合っていく、認知機能を維持していく、そういう取り組みが必要です。

超高齢社会のピークは、高齢者人口が約4,000万人に達する2042年と言われます。

私は、今から24年後のこの年を見据えた上で、高齢者を加害者にも被害者にもさせない高齢ドライバーの安全対策が、今求められていると考えるのであります。

そこで、県警に4点お伺いします。

1点目は、県内での高齢ドライバーに過失が認められる事故の発生状況と近年の傾向はどうか。

2点目は、改正道交法の施行から約1年が経過するが、認知機能検査の状況、及び今後の見通しと課題はどうか。

3点目は、2008年の事業立ち上げからこの間における、高齢者の運転免許自主返納の状況はどうか。

そして4点目は、超高齢社会のピークを見据え、高齢者が安全に運転するためにどのように取り組んでいくのか、見解を求めます。

最後に、県当局にお伺いします。

高齢者の運転免許返納支援について私は、地域に見合った公共交通をどのように確保するかという問題と表裏一体であると考えます。

来年度当初予算案には、生活バス路線の確保対策や、公共交通人材の確保対策、地域公共交通再編実施計画の策定等を実施することが盛り込まれておりますが、全ての高齢者の方々が、運転免許返納後に移動や生活で困らないよう、県は地域公共交通の確保にどのように取り組まれるのか、見解をお示しください。

以上で私の質問を終わります。ご清聴誠にありがとうございました。

高齢ドライバーの安全対策について - 答弁 -

答弁:県警本部長

次に、高齢ドライバーの安全対策についての御質問のうち、まず、高齢ドライバーの過失による事故の状況等についてお答えいたします。

昨年中、県内において高齢運転者に主たる過失が認められた交通事故は、発生件数908件、負傷者数1,046人でいずれも前年より減少したものの、死亡事故は27件と前年より6件増加しており、死亡事故全体の約35%を占める状況にあります。

過去5年間を見ても、発生件数、負傷者数ともに年々減少してはいるものの、死亡事故はおおむね増加傾向にあり、中でもブレーキとアクセルの踏み間違いによる路外逸脱等の車両単独事故など、身体機能の衰えに起因すると思われる事故が徐々に増加しております。また、高齢になるほど、死亡事故を起こしやすい傾向が見られるところであります。

次に、認知機能検査の状況等についてお答えいたします。

改正道路交通法施行後の運転免許更新時における認知機能検査の受検者数は、昨年末現在、約2万3,000人で、その約4%に当たる927人が認知症のおそれがあると判定され、そのうち34人が免許取り消しまたは停止となっております。

また、一定の違反をしたことによる臨時認知機能検査の受検者数は953人で、その約3%に当たる27人が認知症のおそれがあると判定され、そのうち3人が免許取り消しとなっている状況にあります。

高齢運転者の増加に伴い、認知機能検査の受検者数も増加が見込まれることから、県警察では、業務委託先の自動車教習所と一層の連携を図り、認知機能検査を円滑かつ適切に実施していくとともに、運転に不安を覚える高齢者やその家族等からの運転適性相談にも的確に対応してまいりたいと考えております。

次に、運転免許自主返納の状況についてお答えをいたします。

県内における高齢者の運転免許自主返納件数は、平成10年に自主返納制度が導入された当初は、年間100件程度でありましたが、自主返納者に対する支援事業が開始された平成20年以降は増加傾向が大きくなっており、昨年は5,351件で、前年と比べて872件、19.5%増加、支援事業開始当時の6.5倍となっております。

県警察では、自治体、企業等との連携による自主返納者への支援事業の充実にも努めているところ、支援事業数は年々増加し、昨年12月末現在で215事業となり、前年と比べて64事業、42.4%増加している状況にあります。

最後に、高齢者の安全運転についての取り組みについてお答えいたします。

県内における昨年末現在の高齢運転者は、運転免許保有者全体の26.3%に当たる約24万4,000人で年々増加傾向にあり、高齢運転者の安全対策が喫緊の課題であると認識しております。

このため、県警察では、高齢運転者に身体機能の変化を自覚してもらうよう、ドライビングシミュレーター等を活用した参加・体験・実践型の安全教育や居宅訪問による安全指導のほか、安全運転サポート車の普及啓発等を推進しているところであります。また、運転に不安を感じる高齢者に対する運転適性相談の充実等を図るため、来年度当初予算案に所要の経費を計上しております。

今後も、関係機関、団体と連携を図り、高齢者が安全に安心して運転できるよう、ソフト・ハード両面による総合的な高齢運転者対策を推進してまいりたいと考えております。以上でございます。

答弁:企画振興部長

高齢者ドライバーの安全対策に関する御質問のうち、地域公共交通の確保についてお答えをいたします。

県が、今年度行った住民アンケート調査では、高齢者の移動手段として、車をみずから運転する割合が最も多く、今後、免許返納者がふえていく中で、高齢者がマイカーに依存しなくても生活の質を維持できるようにするためには、地域公共交通を確保し、利便性の向上を図ることが重要というふうに認識をしております。

このため、県では、生活バス路線の運行費を補助するとともに、運転手の確保や市町におけるコミュニティバス等の運行を支援しているほか、免許返納者が公共交通を利用しやすいよう優遇制度の導入を促進しておりまして、現在、10市町がバスやタクシーの利用券の交付などを行っているところでございます。

また、年度内に策定する地域公共交通網形成計画では、通院や買い物など、高齢者の移動目的に配慮した運行経路の見直しなどを行うこととしておりまして、今後とも市町や交通事業者と連携しながら、県民が地域で安心して暮らせるよう地域公共交通の維持、活性化に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。