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原発再稼働問題について

原発再稼働問題について - 質問 -

 公明党の木村誉でございます。
昨年夏の広島土砂災害がいまだ記憶に新しい中、今夏も先般発生しました東日本豪雨災害を初め、台風、火山噴火など、甚大な自然災害が相次ぎました。改めて犠牲となられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被災者の皆様に衷心よりお見舞いを申し上げたいと思います。

本県におかれましては、引き続き油断を排し、スピード感を持ちながら防災・減災対策の強化にお取り組みいただけますようお願いを申し上げまして、会派を代表し、質問に入らせていただきます。

まず、原発再稼働問題についてであります。

初めに、国のエネルギー政策に関する私たち公明党のスタンスにつきまして、改めて明確にしておきたいと思います。

それは、原発に依存しない社会、原発ゼロ社会の実現です。同時に、その目指すべき将来は、あくまでも現実的なものでなければならないと考えております。代替となる再生可能エネルギーの普及・拡大、省エネの促進、そして、火力発電の高効率化、この3つを柱に、持続可能な経済社会の構築と発展を両立させながら、徐々に原発への依存度を減らしていくという合理的な道筋をつけゆく中で初めて可能となる、私たちは考えております。

さて、この夏、原発再稼働に関して2つの大きな動きがありました。

一つは、7月15日、伊方原発3号機の安全審査について原子力規制委員会が新規制基準に適合すると認定し、それを受けた政府から7月17日、本県に対し正式に再稼働の要請があったこと。

もう一つは、8月11日、国内全ての原発が運転停止する中、約2年ぶりに鹿児島県川内原発1号機が新規制基準のもとで初めて再稼働したことであります。

御案内のとおり、国においては、昨年、エネルギーの安定供給、経済性、環境適合性等の観点から、原子力を重要なベースロード電源と位置づけ、原子力規制委員会の新規制基準に適合すると認められた場合には、原発再稼働を進めていくとの方針を明らかにしました。

果たして、7月17日本県に宛てた政府文書もその方針に沿ったものであり、これを受けた中村知事は、7月21日、宮沢経済産業大臣を訪問し、その会談の中で8つの要請を行いました。知事はこれを再稼働の前提条件とはしないとしておりますが、私は、県議会における今後の議論、さらには、再稼働の可否を判断する際の重要な要件になるものと考えます。

先ほど申し上げましたとおり、公明党としては、将来的に原発ゼロ社会を目指しており、伊方原発3号機の再稼働については、何よりも安全性の確保を第一とし、同時に原発ゼロ社会に着実な道筋をつけていくということが重要と考えております。その意味では、今回の8つの要請の中でも、特に伊方原発における廃炉技術研究について着目しているのであります。
御案内のとおり、伊方原発1号機は、間もなく運転開始後38年を迎えます。40年で廃炉という原則に照らせば、あと2年ということになります。廃炉となれば、原発ゼロに向けて一歩歩みを進めることとなりますが、一方で、これまでに伊方と同型の加圧水型原子炉の廃炉実績はなく、本当に廃炉は可能なのかとの不安は拭えません。

加えて、廃炉となれば、最も打撃を受けるのは、立地点である地元伊方町を初め、原発に関連しながら生活を営む多くの方々であります。そうした方々が安心して将来を描くことができるよう、それにかわる雇用や経済環境についてもしっかりと整えていかなければなりません。その意味で、国は加圧水型原子炉に広く適用できる廃炉技術研究を伊方原発において展開されたいとの知事の要請に、私どもは大いに賛同するのであります。

公明党は、40年廃炉という原則は厳格に運用すべきであり、伊方原発1号機については確実に廃炉に向かうことを期待しておりますが、そのためには、先ほども申し上げましたとおり、代替エネルギーの確保はもちろん、地元住民や関係者の方々が抱える生活の不安、廃炉の技術や安全性に対する不安、使用済み核燃料の中間貯蔵や最終処分の見通しに対する不安など、さまざまな不安や同時に横たわる課題について一つずつ払拭していかなければならないと思います。

今回、川内原発が新規制基準のもとで初めて再稼働したわけでありますが、40年廃炉という原則を全ての原発で厳格に適用すると、2030年度の電源構成における原発依存度の目標20ないし22%を大きく下回るため、一部の原発については、特例となる20年延長を既に織り込んでいるのではないかとの見方があります。となると、国はなし崩し的に原発依存社会に戻そうとしているのではないかという疑念さえ浮かんでまいります。

そこで、2点お伺いします。

まず、知事が国に対し行った8つの要請について、9月11日、資源エネルギー庁、日下部長官との面談で回答が寄せられましたが、それについて知事はどのように受けとめているのか、見解をお聞かせください。

次に、2030年度の電源構成の原発依存度20ないし22%という目標設定における40年廃炉の位置づけと、伊方原発1号機を含めた今後の廃炉のあり方についてどのようにお考えか、御所見をお示しください。

そして、さらに申しますと、起きてはならない万一の事故が発生した際に、その責任は誰に帰すのかということが依然として明確になっていない、そうした中での再稼働ということが最も大きな不安材料として指摘されています。法律上、一義的には事故の責任は事業者となるわけですが、福島第一原発における事故の収束、廃炉、汚染水対策、除染、賠償、帰還支援など果たすべき責任の重さは、とても事業者だけで担い切れるものではありません。

知事がこれまで何度も、最終的な責任を持つ総理大臣の言質を国に求めておられますとおり、最後は国の責任ということを明確に打ち出すべきであります。その上で、国と事業者、もちろん地方自治体も含めてでありますが、万一の際の責任と役割について、法制の見直しも含め明らかにする必要があると思います。

福島原発事故以来、今なお国民の半数以上が原発を使わなくて済む社会を望んでおり、直近の各種世論調査でも、国民の過半数が再稼働反対を示している中で、原発に依存しない社会への道筋が曖昧ということでは、地元はもとより幅広い県民の理解は得られないのではないかと思うのであります。

そこで、お伺いいたします。

知事は、万一の事故が発生した際の責任と役割はどうあるべきと考えられているのか、御所見をお示しください。

原発再稼働問題について - 答弁 -

答弁:中村時広知事

木村議員に、まず、原発問題のうち、国への要請に対する回答についての受けとめ方の御質問にお答えをさせていただきます。

先般、経済産業大臣に直接要請した8項目は、国からの伊方原発3号機の再起動要請に対して、改めて国の考え方などを確認したものでありますが、9月11日に資源エネルギー庁長官が来県され、文書回答をいただいたところでございます。

その中で、まず、大洲・八幡浜道路の整備促進と大分県への避難訓練に対する協力につきましては、関係省庁と連携して対応するとの回答があり、前向きの姿勢と評価させていただいております。

また、伊方原発の緊急時の作業スペース確保につきましては、四国電力から土地造成等に取り組んでいくとの報告があり、国からも指導していくとの回答もいただいておりますので、今後、計画の具体化を確認していきたいと思っております。

使用済み燃料の中間貯蔵及び最終処分については、これは、非常にすぐにできる話ではありませんが、現在進めている国の取り組みについて説明をいただきました。現実に具体化していくことが重要であり、進捗状況を見守ってまいりたいと思います。

伊方発電所における廃炉技術の研究につきましては、四国電力との協力のあり方を検討するとされておりましたが、伊方原発1号機の廃炉時期にかかわらず、これまで廃炉実績のない加圧水型炉のモデルケースとして、中・長期的な研究が必須と考えておりますので、引き続き県内企業の持つ先端技術との連携等も含め、検討を求めていきたいと思います。

経済産業大臣の現地視察については、適切な時期に実施できるよう調整していくとされており、大臣御自身も折を見て現地を訪問したいと発言されているところでございますが、今の段階で日程等は、まだ確定をしておりません。

内閣総理大臣の発言については、今回は、引き続きコミュニケーションをとっていくとの中間的な回答と受けとめていますが、特にこの項目は、知事として、県民を代表して、国政の最高責任者たる総理の言葉を直接確認したいとの思いで要請しているものであり、必ずや当たり前のことでございますから、お受けいただけるものと信じているところでございます。

これら国からの回答状況は、知事メッセージ等により広く情報発信しており、また、今後の国からの回答の進展についてもありのままにお伝えしたいと考えていますので、県民の皆さんの議論をいただきたいと思います。

次に、万一事故が発生した場合の責任と役割についての御質問でありますが、最も重要なことは、そもそも原子力災害を発生させないことであり、原子力発電所の安全確保に関する責任は、第一義的には原子炉の設置・運転者である事業者にあり、さらには災害の防止上、支障ないとの許可基準に照らして許可・不許可の判断を行う原子力規制委員会にあると思います。

それでも、万一事故が発生した場合には、事業者はもちろんのこと、国や自治体など関係者が連携、協力して、事故収束、また、災害応急対策、損害賠償、復興対策に当たる必要がありますが、いずれも最終的には国が責任を持って統括するべきものと考えます。

なお、現状においては、原子力災害対策特別措置法や原子力損害賠償法などが制定されておりますが、これによりますと、重大事故時には、総理が原子力緊急事態宣言を行うとともに、原子力災害対策本部長につき、地方公共団体等へ必要な指示を行うなど、国が責任を持って原子力災害対策を統括することと書かれています。

また、原子力事業者が自己損害賠償責任を有するが、事業者の能力を超える損害賠償については、国が最終的には事業者を援助することという文言になっております。こういう定めがありますが、解釈によってはいろんなとり方もできるように思われるため、伊方原発3号機の再起動に関する判断に当たっては、国政を統括する総理から、万一事故が発生した場合のこれら国の責任に関する認識と、その責任を全うしていくという、そういうお気持ちを、ぜひ直接お聞きしたいと求めているものでございます。

答弁:県民環境部長

原発再稼働問題のうち、廃炉についての御質問にお答えさせていただきます。

原子炉等規制法では、原発の運転期間を原則40年と定め、運転延長期間中にも設備の健全性を維持できることが確認されれば、1回に限り最大20年の延長を認めることとされております。

国では、今後40年を超える運転延長を一切しなかった場合には、2030年時点で稼働している原発は、全国で23基にとどまり、電源構成の目標としている原発比率20から22%程度の達成に必要な、おおむね30基台半ばの稼働を大きく下回ることになるが、40年経過した一定数の原発が規制委員会の審査をクリアし、運転延長を行うことができれば達成可能としております。

県としては、将来的には脱原発を目指すべきものの、それぞれ、出力、型式、運転履歴、保守状況等が異なる個別の原発の廃炉判断につきましては、一義的にはまず事業者が行うべきものと考えます。

伊方原発1号機につきましては、来年9月末までに四国電力が最終判断したいとしておりますので、県としてどう対応するかにつきましては、伊方原発を取り巻く状況等を十分に踏まえ、慎重に検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。