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2024年 2月定例会(3/5)

テーマ地域経済対策

空飛ぶクルマについて(2024年2月定例会)

次に、空飛ぶクルマについてお伺いします。

いわゆる「空飛ぶクルマ」につきましては、県内においても多くの事業者が関心を示すとともに、自治体でも実証実験が行われており、近い将来、本県の過疎地域や離島の交通・物流、救急医療や災害救助などの社会課題の解決、また、新たな観光ビジネスの創出など、様々な可能性が期待されています。

一昨年に県が主催したシンポジウムに、私も参加しましたが、松山市から宇和島市や広島市に16分で、松山駅から石鎚山までわずか9分で移動できるとの試算が示され、大変驚きました。

本県をはじめ、多くの地方は、公共交通網が脆弱で、都会のように全域をくまなくカバーすることは困難であるため、例えば、観光目的で松山城から今治城に移動する際には、バス、電車、タクシー等の乗り継ぎが必要となります。

そうした移動に要する手間や時間、コストが、本県の観光振興をはじめ、経済活動にとって大きなハンデとなっているわけですが、近い将来、「空飛ぶクルマ」によって、松山城と今治城を最短距離で、ピンポイントに移動することが可能となれば、ハンデの解消のみならず、高付加価値の観光アクティビティが実現し、新たなビジネスの裾野が大きく広がります。

救急医療の面では、「空飛ぶクルマ」のコストは、ヘリコプターに比べて低く抑えられ、自治体が複数台持つこともできるため医師が派遣しやすくなるとも言われており、ドクターヘリとの共存で救命率のさらなる向上が期待されます。

さらに、同シンポジウムでは、四国経済産業局から、“今後、空飛ぶクルマの部品製造や物流サービス、発着設備の建設・運営など、幅広い新たなビジネスが生まれ、タクシーと変わらない料金で乗ることができ、移動の概念が根本から変わるだろう”との期待が述べられました。

来年開催が予定される大阪・関西万博では、いよいよ、空飛ぶクルマが会場の上空を運行するとも言われており、新たな時代の扉が開かれる、そんな予感がふくらみます。

そこで、お伺いします。
空飛ぶクルマについて、県では今年度、県内運航ルートの調査を実施され、民間事業者も、今治市の大島から今治港の間でのドローン物流実証実験等に取り組まれたと承知しておりますが、目標である2027年度以降のサービス開始に向けたこれまでの取組みの中で、県民、事業者等から、どのような期待や意見が寄せられているのか、また、今後どのように取り組んでいくのか、ご所見をお聞かせください。

〈答弁概要:企画振興部長〉
空飛ぶクルマは、多くの島々や半島を有し、県土の7割が森林という本県の新たな移動手段として有望視されますことから、昨年度から機体や運航の専門家等を講師に招いたシンポジウムや勉強会を開催するほか、実用化を想定した運航ルートを検討するなど、まずは県民・事業者等の理解促進と活用イメージの周知に取り組んでおります。

シンポジウム等に併せて実施したアンケート調査や意見交換では、安全性が課題との意見もございましたが、過疎・離島地域の移動や災害救助、救急医療への利活用が期待できるといった意見のほか、近隣県とのアクセス向上や、主要な観光地を周遊するツアーの造成によりインバウンド需要の獲得につながるとの期待も多く寄せられておりまして、まずは、自然豊かな島々や美しい橋を有するしまなみ海道エリアの遊覧飛行といった観光面での活用がビジネスモデルとして取り組みやすいのではないかと考えております。

来年度は、市町においても導入の期待と可能性が高い運航ルート案について、離発着場の候補地調査等に必要な経費を当初予算案に計上しており、引き続き、国の法整備等の動向も注視しながら、近隣県や県内外の事業者、市町と連携し、100年に1度とされる新しいモビリティの本県への早期導入に向けた取組みを進めて参りたいと考えております。

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