
「(略)厚生労働省の審議会は先週、2025年度の最低賃金について、全国平均で1時間当たり63円引き上げ1118円とする目安を決めました。
この引き上げ幅は、昨年度の50円を大きく上回り、5年連続で過去最高を更新。全都道府県で1000円を超える見通しとなりました。
物価高が続く中、働く人の暮らしを下支えする重要な判断であり評価したいと思います。
そこで今朝は、最低賃金の動向についてご報告させて頂きます。
物価高を克服するには、物価上昇を上回る賃上げが不可欠な中、最低賃金の大幅な引き上げは社会全体の賃上げを促す上で大きな意義があります。
今回の決定を契機に、賃上げの流れをさらに加速させていきたいと思います。
大幅な引き上げが実現すれば、非正規雇用の賃金水準の上昇につながり、正規と非正規の格差を縮小する効果も期待されます。
その一方で、過去最高の更新が続く最低賃金の引き上げに、中小企業や小規模事業者の負担感は増しており、経営悪化を懸念する声は少なくありません。賃金上昇に耐え得る収益基盤の構築が喫緊の課題です。
まずは、大企業など発注元に対する価格転嫁対策の徹底が急務です。
日本商工会議所によりますと、コスト増加分の4割以上を価格に反映できた受注企業の割合は約5割にとどまるとのこと。
トランプ関税を背景に、発注元からの受注減少やコスト削減圧力も製造業を中心に懸念されています。政府は取引状況の監視を一層強化すべきであります。
生産性向上へ、省力化やデジタル化の投資も積極的に行う必要があります。
例えば、経営指導員の人件費を政府が支援するといった“伴走型”で中小企業の経営効率化を支えていくことなどが求められます。
併せて資金繰り支援にも万全を期していかねばなりません。
今後、議論の場は都道府県の審議会に移りますが、最大約210円に上る地域間格差の是正は重要な論点です。
今回の目安では格差是正を促すため、都道府県を経済情勢に応じて地域分けしたA~Cの3ランクで、経済力が強いA、BをCが上回る「逆転現象」が初めて見られました。
本県はBランクにあたりますが、県下各地の経済や雇用情勢を注視しつつ、目安への上乗せを検討して頂きたいと思います。
今朝は、最低賃金の動向についてご報告させて頂きました。今週もどうぞ宜しくお願いいたします。」
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 10:24
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