
視察2日目はタイトなスケジュールの中、初めに新潟県議会を訪れ、県観光文化スポーツ部より「ガストロノミー・ツーリズムの推進」と「県内コンベンション施設の現況及びMICE誘致強化施策」についてお話を伺った後、朱鷺メッセ新潟コンベンションセンターに移動し、施設見学。
その後、県議会に戻り、県国際課と市教委から「教育現場での拉致問題の啓発」について学んだ後、デンカビッグスワンスタジアムに移動し、アルビレックス新潟の「サッカー観戦をフックとした地域周遊観光ツアーの実施状況」についてお話を伺いました。
【新潟美食旅(ガストロノミー)の推進について】
ガストロノミーとは、食事や料理と文化の関連性を探求する学問の考え方で、料理を通じてその地域を知ること。
2018年からガストロノミーを中心とした観光ブランド構築に向けた取り組みを開始し、2021年には新潟ガストロノミーアワードを創設。

その目的は、新潟らしさあふれる飲食店、旅館やホテル、若手シェフ等の中から優れた人たちにスポットを当て表彰するとともに、受賞したお店と県内観光地を組み合わせたツアー商品の造成で、持続可能な“稼ぐ”観光地域づくりを推進すること。
その取り組みに対し、スポーツ庁、文化庁、観光庁から「食文化ツーリズムアワード」2024特別賞が贈られました。
新潟美食旅は同県においてブレイクスルーを生み、本県にとっても非常に示唆に富む事例として学ばせて頂きました。
インバウンドの多くがサイクリングやゴルフといった体験アクティビティを求める中で、本県の地域ごとの食や歴史、文化が紡ぎ出す“ストーリー”に光を当てたガストロノミー・ツーリズムの推進に向け、今回得た知見を活用してまいりたいと思います。
【朱鷺メッセ新潟コンベンションセンター】
新潟県を代表するコンベンションセンター「朱鷺メッセ」は、1万人収容の本格的な展示場、大小13の会議室、ホテルなどが一体化した複合コンベンション施設。2003年7月に開業し、新潟市のランドマーク的な存在となっています。
この間、全国トップクラスの補助制度により安定したコンベンション誘致を実現しており、県外、国外から学会や大会、国際会議が、国内では大規模展示会、大型コンサートなど幅広い方々に利活用頂いています。

古くから港町として栄え、かつては倉庫街だった広大なエリアを信濃川河口ウォーターフロントとして再開発。
エリア全体を統一的景観とデザインで構成し、ホテルやオフィスの入ったビルはそびえ立つほど高く、建物の内外にわたるプロムナードは信濃川沿いをどこまでも伸びていて壮観でした。
愛媛県では、県民文化会館県有地において競争力あるMICE拠点の整備を目指しており、先般、民間事業者の意見を広く聴取することを目的にサウンディング調査を開始しました。
今回の「朱鷺メッセ」視察で得た知見を同構想の実現に資するよう、議会活動に活かしてまいりたいと思います。
【拉致問題にかかる新潟県の取組みについて】
新潟市の横田めぐみさんが北朝鮮に拉致され48年。
同市では事件を風化させることのないよう、部局や教育委員会を挙げて拉致問題に関する市民啓発に取り組んでいます。
拉致問題は新潟市の教育の一丁目一番地であり、市内の全学校が教育課程に位置づけ取り組みを進めてきた結果、令和4年の拉致問題に対する意識調査によると全国平均が17.9%に対し、新潟市は32.6%とほぼ2倍の高さとなっています。
また、県では本年3月に拉致問題に関する条例を制定し、めぐみさんが拉致された11月を新潟県拉致問題等啓発月間と定め、県民集会やセミナー、講演会、パネル展、映画上映、署名活動など、拉致を絶対に許さない、被害者を全員必ず取り戻すとの執念の取組みを展開されています。

本県には3名の「特定失踪者」がおられ、その他にも拉致の可能性を排除できない方々がいます。拉致問題を風化させることなく、新潟とともにの思いで世代を超えて関心や理解を深めながら、1日も早い解決をめざしてまいりたいと思います。
【アルビレックス新潟】
昨年、観光庁の「サッカー観戦をフックとした地域周遊観光ツアーの造成」事業の採択が決定し、その実施状況等についてお話を伺いました。

同事業は、遠隔地からサッカー観戦に訪れる観戦者をターゲットに地域の持つさまざまな魅力を伝え、滞在時間や観光消費の増加、ひいては新潟県観光の振興を通じた地方創生をめざすことが目的です。
県観光協会、民間旅行会社などとスキームを組み、本年10/4・5に実施したツアー概要と実施結果について学びましたが、次につながる可能性や課題のいくつかが浮き彫りとなり、それらはトライアンドエラーを重ねないと決して掴むことはできないと感じるとともに、地域観光×スポーツ観戦×行政×SNSというスキームは本県でも十分応用が可能と感じました。
次に、現地視察。
ホームスタジアムのデンカビッグスワンスタジアムの収容人数は42,300人で、グランドに足を踏み入れると飲み込まれるような巨大な要塞で、思わず圧倒されました。
2024年の年間入場者数は426,176人で、1回あたりの平均入場者は22,430人。
同年の愛媛FCは4,721人、FC今治は3,786人ですので、残念ながら現時点では比較になりませんが、ピッチを眺めながらいつか必ず!とのイメージもふつふつと沸いてまいりました。
アルビレックス新潟は惜しくも来年からJ1から降格することとなりましたが、J2はわがFC今治と同じカテゴリー。
J1経験者に胸を借りながら、ともに昇格が実現できるよう期待し、対戦を心待ちにしたいと思います。
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 23:11
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