
「次に、健康寿命の延伸についてお伺いします。
2025年度版厚生労働白書では、わが国の平均寿命と健康寿命が延伸傾向にあり、先進7か国の中で最も長いとあります。
人生100年時代が到来しようとしている中、すべての県民が元気に生き生きと活躍する社会の実現が求められています。
一方、厚生労働省の統計によりますと、本県の健康寿命の全国順位は男性で43位、女性が26位となっており、とりわけ心疾患の死亡率は男女ともに全国ワースト1位という深刻な状況となっています。
心疾患の中でも、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患は、高血圧と脂質異常、喫煙、高血糖が4大危険因子として知られています。
また、内臓脂肪の蓄積に加え、高血圧、高血糖、脂質異常のうちいずれか2つ以上を併せ持った状態になると、それぞれが仮に軽症であっても動脈硬化を悪化させ、虚血性心疾患の発症リスクを高めることが判明しています。
この虚血性心疾患の主な危険因子のほとんどは、生活習慣と関係しています。
減塩や栄養バランスのとれた食事を心がけ、禁煙、節酒、適度な運動を習慣にするなど、生活習慣を改善すれば予防できる可能性がとても高いのです。
本県では、特定健診の受診率が低く、受診後の生活習慣病に対する二次予防のフォロー体制が十分とは言えず、結果として高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が進行し、医療費増大や要介護化のリスクが高まっていると考えられます。
県は、各市町や保険者、医療機関、薬局と連携し、巡回健診や夜間・休日健診、オンライン保健指導など、健診受診率向上に向けた多様な施策を展開するとともに、減塩、禁煙支援や運動促進といった施策を、地域住民が日常生活の中で自然に取り入れられるような環境づくりについて、積極的に取り組んで頂きたいと考えます。
そこで、お伺いします。
県民の健康寿命の延伸にどのように取り組むのか、ご所見をお聞かせください。」
〈答弁概要:保健福祉部長〉
「平均寿命が伸長し、人生100年時代を迎える中、生涯を通じて健やかで心豊かな生活を送るためには、県民一人ひとりが主体的に、健康づくりに取り組むとともに、定期的な健診の受診等により、生活習慣病を予防することで健康の維持・増進につなげることが重要と認識しております。
このため県では、産官学連携による循環器病の予防に関する正しい知識の普及啓発や減塩推進ポータルサイトを通じた食生活改善の提案のほか、誰もが楽しみながら継続的に取り組める、アプリを用いた健康づくりを進めているところでございます。
また、特定健診受診率70%以上を目標に掲げ、健診団体と連携した受診勧奨CMの展開を始め、スマホ等を利用した健診予約システムの導入や、AIを活用した未受診者の特性に応じた受診勧奨など、各保険者の好事例を共有し、受診率の向上を図っているところでございます。
今年度は、市町と連携して特典付きのポイントを拡充した健康アプリを活用し、11月には誰もが気軽に参加しやすいウォーキングイベントを実施することとしておりますほか、健診後のフォロー体制を強化するため、保険者が実施する保健指導に、豊富な行政経験を持つ保健師等を派遣する取組を新たに開始したところでございます。
今後も引き続き、市町、医療保険者、企業等の多様な主体と連携してライフステージに応じた取組を強化し、社会全体で健康づくりを推進することで、健康寿命の延伸につなげてまいりたいと思います。」
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 10:13
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