議会質問

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2024年 2月定例会(3/5)

テーマ未来世代対策

1人当たり県民所得の向上について(2024年2月定例会)

次に、1人当たり県民所得の向上についてお伺いいたします。

私は昨年の9月定例会で、人口減少に歯止めをかけるためには県民所得を向上させる経済政策が重要であり、そのための具体的な取り組みについて質問を行いました。

中村知事からは、農林水産業、ものづくり産業、観光業などすべての産業のさらなる振興が重要であり、デジタル人材の育成をはじめ、賃上げの促進や魅力ある雇用環境づくり等によって、2026年度の1人当たり県民所得288万4,000円という目標達成に向け全力で取り組む旨の答弁があり心強く感じたわけですが、9月末の、国の発表では、“2020年度の本県1人当たり県民所得が、全国43位、四国最下位”であることが明らかになりました。

このことは、ニュース等でも取り上げられ、私の周りでも反響が大きく、“だから若者の県外流出が止まらないのでは?”といった苦言も含め、県民の皆様から様々なお声が寄せられました。

1人当たり県民所得が低い要因としては、令和5年10月の定例記者会見において、知事からは大きく3つ、

1つは、他の産業と比べ、労働生産性の低い農林水産業など第1次産業に従事する就業者の割合が高いという点、

もう1つは、結婚世帯に占める共働き率が、2022年時点で49.5%と、全国36位、四国最下位と低い点、

さらに、第2次産業について、製造コストが高く、利幅の少ない素材系の業種割合が高い点が挙げられ、

裏を返せば、本県にはまだ県民所得向上への伸びしろがあるという認識とともに、課題解決の方向性の一端が示されました。

その論点は、“労働生産性の低い産業分野について、どのように生産性向上を図るか”、そして、年齢、性別、地域を問わず、働き方改革等を進めつつ、“就業者数をどう増やしていくか”の2点であります。

2024年度当初予算案では、愛媛県総合計画に基づき、地域の稼ぐ力と県民所得の向上に向けて、DXによるデジタル技術の現場実装の加速化や、新技術の研究開発、産業人材力強化に向けたデジタル人材の育成・確保など、多彩で意欲的な新規事業が数多く盛り込まれています。

将来を見据え植えられた“種”ともいうべきこれらの政策が、次代を担う若者を中心に広く支持されるとともに、既存産業にいくつものイノベーションが生まれ、東中南予それぞれに、新たな産業やビジネスが創出されることを期待しつつ、お伺いいたします。

県は、全国低位で推移する本県1人当たり県民所得の向上に向け、産業DXの推進による労働生産性の向上と、外国人材も含めた就業者の確保に、どのように取り組んでいくのか、ご所見をお示しください。

〈答弁概要:中村知事〉
一人当たり県民所得の向上に向けては、全産業の労働生産性の引上げが鍵を握るとともに、人口減少が進む中、いかに就業者を確保するかが重要でありますことから、新産業・新技術の創出やDX推進も含めた付加価値の向上、外国人を含む多様な人材の育成・確保に取り組んでまいりました。

来年度当初予算案にも所要経費を計上させていただき、生産性向上に向け、トライアングルエヒメを加速し、農林水産分野を含む多くのデジタル実装プロジェクトを展開するとともに、中小企業のDX投資への支援や、県機関での新技術の研究開発、創業支援による新産業の創出にも取り組んでまいります。

また、就業者確保では、県内大学と連携したデジタル人材育成はもとより、若者目線での女性の県内就職促進に新たに取り組むほか、地域間競争の激化を見据えた外国人技能実習生の受入推進や、留学生の県内就職促進など、多様な人材が活躍できる環境の整備を進める所存でございます。

本県の一人当たり県民所得を下げる要因には、県民や企業等にとってはメリットであるはずの家賃の低さなども関連してまいりますことから、高い目標ではございますが、県総合計画に掲げた「令和8年度1人当たり県民所得288.4万円」の目標達成に向け、これまで以上に県民視点に立った成果重視の姿勢を徹底しつつ、市町や関係団体等と連携したオール愛媛体制で、全力で取り組んで参りたいと思います。

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