「次に、保育士の確保等についてお伺いいたします。
本年1月、宇和島市において公明党ユーストークミーティングを開催し、南予地域の男女青年13名と意見交換を行いました。
参加者からは「インフルエンザ予防接種に更なる補助を」、「津波が来たら壊滅的被害を受ける養殖業のリカバリー支援を」、「とにかく目の前の物価高対策を」といった要望の他、インバウンドの誘致や四国新幹線導入の賛否など様々な意見が寄せられました。
こうした現役世代の不安を取り除き、確かな希望が感じられる未来を築いていくためにも、青年の声にもっともっと耳を傾け、今まで以上に寄り添った取り組みを行っていかなければならないと、決意を新たにいたしました。
その中で、宇和島市で保育士をされている女性から次のようなご要望が寄せられました。その方ご自身、小さいお子さんを育てながら保育士をされており、現在、職場で6人の子どもを担当しているそうです。
コロナ禍は特に大変だったそうですが、例えば同僚が欠勤となった場合、その分仕事量が増え、子どもへの目配りも含めて物理的にも精神的にも負担が大きくなること、逆に自身の病気や子どもの発熱等で欠勤したときは同僚に対し大変心苦しく感じること、何より大規模災害が発生した際、子どもたちを無事に避難させ守り切ることができるのだろうかといった、様々な不安に包まれながら日々仕事をされているそうです。
国では近年、保育士1人あたりが見る子どもの人数はどのくらいが適切か、議論が続いておりましたが、令和5年12月、政府がまとめた「こども未来戦略」において少子化対策が抜本的に強化され、今年度、保育士の配置基準が76年ぶりに見直されました。
これにより、保育士1人あたりが見る子どもの人数が少なくなり、負担が少し軽減されると思われますが、先ほどの保育士さんのお話によりますと、配置基準の見直しの他にも、そもそも絶対的に不足している人材の確保や、潜在保育士も含めてなかなか集まらない要因である給料や処遇の改善、業務内容など働く環境の見直し、あるいは公立・私立といった事業施設の官民格差の解消など、保育の現場は課題が山積しており、国と県と市町が連携して1つ1つの課題解決にスピード感を持って取り組んでほしいとのことでありました。
何より国の宝である子どもたちが安全で健やかに成長するためにも、保育士の方が安心して生き生きと働ける環境づくりと、若者が将来めざしたいと思えるような魅力的な保育業界となるよう後押しをしてまいりたいとの思いから、仕事と子育てを頑張る若者の声をご紹介させて頂きました。
そこで、お伺いいたします。
県は、人手不足が深刻な保育士の確保と、子育てをしながら安心して働き続けられる保育士の職場環境の整備に向けてどのように取り組んでいくのか、ご所見をお示しください。」
〈答弁概要:少子化対策・女性活躍統括部長〉
「県では、昨年4月に見直された配置基準やこども誰でも通園制度の対応も見据え、現状からさらに約千人の保育士が必要と試算し、何よりも保育士の確保が最優先課題との認識の下、9月補正予算に計上して、潜在保育士の再就職支援、保育士の心理的負担の軽減を図る臨床心理士による相談体制の構築のほか、県を挙げて保育士を応援するキャンペーンなどに取り組んでいるところでございます。
来年度は、保育士の確保をさらに加速させるため、未来の担い手である高校生と保育所等との交流促進や県外の養成校の学生への修学資金貸付制度の創設のほか、潜在保育士の職場体験や職場環境改善に向けた社会保険労務士による相談体制の構築等、働きやすい職場づくりの支援に取り組むこととしております。
加えまして、災害対応などの専門研修や幼児教育アドバイザーによるきめ細かなサポートにより保育の質の向上を図りますほか、保育士の社会的ステータスや魅力向上に向けて、愛顔の保育士応援大使を創設することといたしまして、当初予算案に所要の経費を計上させていただいたところでございます。
今後とも、国や市町との緊密な連携を図り、更なる処遇改善や負担軽減などに関する現場の声も十分に汲み取りながら、保育士の確保と安心して働き続けることができる職場づくりを通じて、子ども、保護者、保育関係者の誰もが希望する保育の実現に取り組んでまいりたいと考えております。」
- 投稿者
- 木村誉
- 投稿時刻
- 17:34