議会質問

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2022年 6月定例会(6/13)

テーマ地域経済対策

マイナンバーカードについて(2022年6月定例会)

次に、マイナンバーカードの取得と利用促進についてお伺いします。

12ケタの個人番号が記載された公的な身分証明書であり、行政手続きのオンライン申請に役立つ「マイナンバーカード」は、国において今年度末までにほぼ全国民への普及をめざす取り組みが進められていますが、その普及率は現時点で44.0%に留まっています。

そうした中、昨年9月に続き、本年1月からマイナポイント第2弾がスタートし、今月からは新たなポイントも付与され、さらなる普及促進が期待されているところであります。

ポイント付与は、マイナンバーカードを新規に取得した場合に5,000円分、健康保険証として利用登録した場合に7,500円分、そして公金受取口座を登録した場合に7,500円分の3段階で行われ、最大20,000円分のポイントを得ることができます。

また、今回の県6月補正予算案では、マイナンバーカードの取得等に対して最大で4,000円分の県独自のポイントを付与する、愛媛県版マイナポイント事業に要する経費が計上されており、私は、国と連携してカードの導入、ひいてはDXの促進を加速する非常に時宜を得た取組みであると、高く評価いたします。

その上で、健康保険証および公金受取口座の登録については、買い物等で利用できるポイントの魅力だけでなく、利用者自身にとってどんなメリットがあり、社会に対してどのような利便性がもたらされるのか、広く県民に、理解と共感を広げることが、とりわけ大事になってくると思います。

健康保険証としての利用については、医療機関での事務負担やミスが減ることが期待されます。例えば、初診患者の氏名や住所、保険資格などを手作業で入力するには、患者1人当たり10分ほどかかるといわれますが、カードを利用すれば瞬時に自動入力され、レセプトの誤入力や修正もなくすことが可能となります。

一方、患者側では、診察券やお薬手帳の持参も、月に1度の健康保険証の提示も不要となり、本人の同意があれば、病院や薬局の間で治療や薬の履歴が共有できるようになるため、同じ薬が重複して処方されることも避けられ、医療の質の向上と同時に、医療費の削減が大きく進むことが期待されます。

高額療養費制度についても、これまでは一旦、窓口で限度額を超える費用を支払った上で払い戻しの申請手続きが必要でしたが、マイナンバーカードを利用すれば、限度額を超える窓口での支払いが不要となります。

加えて、国民健康保険や後期高齢者医療制度の加入者は、通常1~2年で保険証の定期更新が必要でしたが、マイナンバーカードを保険証として利用するようになれば更新が不要になります。

このように、患者にとっても医療側にとっても様々なメリットをもたらすマイナンバーカードですが、これまでのところ健康保険証としての利用は十分には広がっていません。

現時点では利用できる病院などが全国でも2割程度に留まるなど、利用環境の整備が追い付いていないのが実態であり、大きな課題であると認識しています。また、カードを持ち歩くこと自体に不安を感じる人も少なくないことなどが指摘されています。

その意味では、国において、全ての医療機関や薬局等でのカードリーダー導入を加速させる取り組みとともに、健康保険証の利用登録を行ってもマイナンバーカード自体に患者情報が記録されるわけではなく、万一、マイナンバーを他人に知られても関連情報は漏えいせず安全であるということを、国民に対してしっかりと理解を広げることが重要になってまいります。

同様に、公金受取口座の登録につきましても、1人一律10万円の特別定額給付金や子育て世帯への臨時特別給付金といった現金給付が、今後、迅速かつ確実に行われるようになり、また、万一、被災した場合にも、支援金や義援金、税の減免を受ける際に必要な罹災証明書が電子発行されるようになり、役場で長い行列に並ぶことやパニックの発生を回避する効果なども期待されます。そうしたメリットがあまり知られていないのが現状ではないでしょうか。

マイナンバーカードの活用は、今のところ社会保障と税と災害対策の分野に限られますが、DXの進展とともに、将来的にあらゆる分野にサービスが広がると、ほとんどの行政手続きが“手のひら”で完結し、私たちの生活は圧倒的に便利になるといわれます。

加えて、現在マイナンバーカードを取得していない約半数の国民が、今回のマイナポイント第2弾で最大20,000円分のポイントを獲得し、個人消費に回せば、1兆円を超える経済効果が期待されます。長引くコロナ禍で傷んだ日本経済の回復に向け、ぜひこの機会に多くの県民の皆様にマイナンバーカードを取得頂き、ポイントを活用頂ければと思います。

そこで、お伺いします。
県は、マイナンバーカードの取得と利用の促進に向けた課題をどう認識し、今後どのように取り組むのか、ご所見をお示しください。

<答弁概要:企画振興部長>
マイナンバーカードの取得率向上には、マイナンバーの利用範囲の拡大や個人情報漏洩への懸念の払しょく等が課題と認識しており、県では、これまでマイナンバー制度に係る理解促進のための広報やワクチン接種会場での出張申請窓口の開設等に取り組んできたところでございます。

今年度は、更なる取得率の向上を目指し、市町と連携して7月から9月にかけて県内各地の大型集客施設等において、何も持たずにカードの申請が可能な出張申請窓口を開設するほか、カードを取得した上で、健康保険証の利用申込みと公金受取口座登録の両方の手続きを完了した方に、愛媛県版マイナポイントの上乗せ付与を行うための経費を6月補正予算案に計上しており、カードの取得促進に合わせ、保険証利用等に係るメリットやセキュリティの信頼性についてもしっかり広報を行い、県民の理解促進を図って参りたいと考えております。

さらに、県への申請手続きについて、マイナンバーカードを利用した電子申請が可能となるシステムを今年度導入するほか、市町にも電子申請手続きの導入・拡大を促し、カードの利用機会を増やしたいと考えており、今後とも、市町と連携してマイナンバーカードの取得率向上と利用促進に取り組み、行政の効率化やデジタル化による県民生活の利便性向上に努めて参りたいと考えております。

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