議会質問

皆さまの声を
県政に、
カタチに

テーマ経済・産業に元気を

気候変動に対する取り組みについて(2020年12月定例会)

気候変動に対する取り組みについてお伺いします。

ご案内の通り、地球温暖化とは、地球表面の大気や海洋の平均温度が長期的に上昇する現象で、その主な要因は、産業革命が始まった18世紀以降、現在に至るまで排出増加が続く「温室効果ガス」にあるといわれます。

その「温室効果ガス」の排出をどのように抑制していくかということが地球温暖化対策の核心ですが、対策を取らずにこのまま放置すると、2100年の世界の気温は今より最大で4.8℃上昇すると予測されています。

ちなみに日本の場合、この100年で年間平均気温は1.19℃上昇しており、このままだと2100年には最大5.4℃上昇すると言われています。

約1℃の気候変動で今日の豪雨災害の激甚化、頻発化を招いているとすれば、5℃上昇した場合どうなるのでしょうか。その影響はわが国のみならず、もはや世界の存亡に関わる人類的課題といっても過言ではないでしょう。

そこで世界では、2015年にCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)が開催され、2020年以降の地球温暖化対策の新たな枠組みについて議論が行われました。そして成立したのが「パリ協定」です。

その概要は、世界共通の長期目標として、産業革命前からの平均気温の上昇を2℃より十分下方に保持する、できれば1.5℃に抑えることを目的とし、各国は削減目標と戦略を2020年までに策定、5年ごとに世界全体での進捗状況の棚卸しを行うというものであります。

日本は既に昨年6月に戦略を提出しましたが、そこに書かれた2050年までの温室効果ガスの削減目標は80%でありました。

これに対し、各国から“日本は温暖化対策に消極的だ”との批判が上がっていましたが、本年9月に就任された菅総理が、2050年に実質ゼロ、いわゆるカーボンニュートラルを目指すと宣言されたことから、今、わが国の動向に世界から注目が集まっているのであります。公明党としても、本年の通常国会で政府に提言していたところであり、その決断を高く評価するものであります。

国内に目を転じますと、2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロを表明した自治体、いわゆるゼロカーボンシティーは、先月20日時点で、本県を始め24都道府県、149の特別区・市町村を数え、人口規模では約8000万人にも達し、再エネ電力100%の調達をめざす「RE100」や、SDGsの達成に向けたESG投資などグリーン化に取り組む企業も確実に増えています。

こうした機運を追い風に、官民一体となった地球温暖化対策の取り組みを、県として力強く後押ししながら取り組んで頂きたいと思います。

県内に目を移しますと、地球温暖化の進行は、農林水産物の生育状況や熱中症など人の健康状態、豪雨など自然災害の激甚化・頻発化、さらには生態系にまで深刻な影響を及ぼそうとしています。そうした被害をできる限り回避し軽減する取り組みが重要です。

既に県では、柑橘や米等で高温耐性品種の開発・導入に取り組んでおられますが、2050年までの、いわゆるカーボンニュートラル実現に向けてはまだまだ時間を要するため、柑橘や米のみならず各分野において更なる適応策の推進が必要であると考えます。

そのため県では、本年4月に、地球温暖化対策の推進拠点である“気候変動適応センター”を設置し、温室効果ガスの排出量を削減する緩和策と合わせ、農林水産、防災、健康分野等における地域特性に応じた適応策を、車の両輪として取り組みを進めていると伺いました。

センターの今後の取り組みに期待を寄せつつ、お伺いします。 県では“気候変動適応センター”を中核として、気候変動が与える影響についてこの間、各種の調査・分析等を行っておりますが、それらの実施状況はどうか、また、気候変動への適応に向け、今後センターはどのように取り組んでいくのか、見解をお示しください。

〈答弁:中村知事〉

次に、気候変動適応センターに関する御質問でございます。

地球温暖化対策について、県では国に先駆け、2050年の脱炭素社会の実現を掲げ、緩和策と適応策を両輪に積極的に取り組んでいるところであり、特に適応策については、気候変動の影響や課題の把握が重要であるため、県気候変動適応センターで県民や農林水産団体へのアンケートやヒアリングのほか、動植物モニタリング調査等を実施しております。

このうち県民アンケートでは、9割近くの方が気候変動を実感し、うち7割以上の方が、自然災害や熱中症の増加に不安を感じていることや、適応策という考え方の普及が課題として明らかになりました。

また、今年度の最重要テーマの農林水産分野に係る団体への調査結果では、柑橘類の果皮障害や病害虫の発生、鳥獣被害や豪雨による林地等の崩壊、漁獲量の減少や養殖魚の生育不良等の影響が指摘されたほか、現在の適応策として、暑さに強い品種の導入や小まめな施肥管理、養殖時期の変更等が挙げられております。

同センターでは、これらの調査結果等を詳細に分析して、関係機関等から成る気候変動適応協議会に諮りながら、効果的な適応策を検討するほか、市町や企業向けセミナーやリーフレット等を通じ、温暖化の現状や適応策への理解促進を図ることとしており、県としては、今後ともセンターを中核に国や市町、関係団体等と連携し、気候変動対策を一層推進してまいりたいと思います。