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大人の発達障がいについて(2020年2月定例会)

大人の発達障がいについて - 質問 -

最後に、大人の発達障がいについてお伺いいたします。

近年、大学生以上の成人期における、いわゆる大人の発達障がいについて、メディア等で取り上げられる機会がふえてまいりました。

一般に、発達障がいは、自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)などに分かれ、それぞれには異なる特性と共通する条件があると言われています。共通するのは、発達障がいは生来のもので、大人になってから発症するものではないということ、生活のさまざまな面で生きづらさを伴い、年齢によって課題が変わること、症状は、境界で区分できないスペクトラムの間にまたがって存在し、他者からわかりにくいことなどが挙げられます。

インドの寓話に基づく、群盲象を評すということわざがあります。これは同じ象であっても、足をさわった目の見えない方は臼だと言い、鼻にさわった方は蛇だと言ったことから、物事の一面だけを取り上げたところでその全てがわかるわけではない、あるいは論じる対象が同じであっても、その印象や評価は人によって異なるという意味で、発達障がいがわかりにくいのは、この例えに近いものがあると言われます。

そうした概念のわかりにくさから、発達障がいという言葉そのものの認知度に比べて、特性に関する正しい理解がなかなか進まないというのが現状であります。そのため、子供のころには気づかなかった人たちが、大人になり、集団や組織における人間関係や恋愛、結婚など、社会に出て、なぜかうまくいかないことが多く、生きづらいと感じる中で、社会的に認知が進んだ発達障がいを疑い、心療内科等で受診する、そういう方々がふえているのであります。例えば、気が散りやすくケアレスミスを繰り返し、関心がないことには集中が続かない、忘れ物やなくし物が多く、整理整頓が苦手、計画が立てられず、優先順位がつけられず、片づけができなかったりする大人であります。

しかし、あくまでも発達障がいは脳の特性であり、病気ではありません。したがいまして、問題は治る、治らないということではなく、生きづらさをどう解消するのか、彼らが抱える問題の本質は、そこにこそあるのです。

生きづらさを感じる状態が放置されますと、今、大変な社会問題となっております8050問題のようなひきこもり状態へとつながったり、あるいは鬱病、アルコールなどの依存症、パーソナリティ障害など二次障がいの発症等が懸念されますことから、私は社会の仕組みとしても、行政の役割としても、できるだけ早期の対応が求められると考えます。

そして、県におかれましては、自分自身の特性を理解しないまま、進学、就労し、苦労を抱え続ける大人の発達障がいの方たちが、さまざまな生きづらさから少しでも解放され、心理的負担が軽減されるよう、発達障がいについての正しい理解、啓発と当事者へのサポートを広げながら、お互いに支え合う共生社会の実現に向けて、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと心から願うのであります。

そこで、お伺いします。
本県における、いわゆる大人の発達障がいの実態等について、県はどのように認識しているのか。そして、今後、どのような支援に取り組んでいくのか、御所見をお示しください。

また、就労という視点から考えますと、企業の労務管理者などに発達障がいの正しい理解と対応を促すことは、私は行政の重要な役割と考えますが、このことに対し、県として、今後、どのように取り組んでいくのか、御見解をお聞かせください。以上で私の質問を終わります。御清聴いただき、まことにありがとうございました。

大人の発達障がいについて - 答弁 -

<答弁:社会福祉医療局長>
大人の発達障がいの御質問のうち、発達障がいの実態等についてお答えいたします。

大人の発達障がいの実態に関する公式な統計はありませんが、全国の発達障害者支援センターの平成30年度の相談者数のうち、約半数が19歳以上からのもので、本県のセンターでも19歳以上が約3割を占め、ひきこもりなど生活に困難を抱えている相談者も多く、支援の充実が必要と認識しております。

このため県では、県発達障がい者支援センターに支援専門員を配置し、相談支援体制の充実強化を図るとともに、東・中・南予の発達障がい者支援ネットワーク会議において、大人の発達障がい者への対応や、市町のワンストップ相談の取り組みの促進を図っているほか、4月の発達障害啓発週間における県庁本館ドームのブルーライトアップやパネル展示、市町と連携した広報など、理解促進に向けた啓発にも取り組んでいるところでございます。

また、来年度から、発達障がいに関する相談に対応する市町職員に対し、ライフステージを通じた支援に必要な研修を実施するとともに、関係医療機関のネットワークを構築することとしており、県としては、今後とも発達障がいに対する正しい理解の促進と、身近な地域で支援が受けられる体制の充実に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。

<答弁:経済労働部長>
大人の発達障がいの御質問のうち、企業に正しい理解と対応を促す行政の取り組みについてお答えをいたします。

県内企業における障がい者雇用率は、昨年6月1日現在で過去最高の2.22%を記録し、法定雇用率を達成するなど、障がい者雇用に対する企業の理解は徐々に浸透してきておりますが、大人の発達障がいについては、対人関係の困難や興味・関心の限定など、さまざまな特性があるため、企業側がその特性を正しく理解するとともに、職場での適切なサポート体制を築けるかが極めて重要でございます。

このため県では、障がい者雇用に関する2名の専任のマッチングサポーターが企業を訪問する際、発達障がい者の採用や職場定着についても助言等を行っているほか、ハンドブックの作成・配布や現場見学会の開催を通じまして、発達障がい者の採用時には、筆記試験等の制限時間を設けず、面接で平易な表現を使うといった配慮や、採用後は静かな作業環境を整備し、業務手順を明確に指示するといった具体的な支援方法等の意識啓発も行っております。

今後は、適切な支援によって、発達障がい者が持つ能力を引き出している企業の事例紹介等も検討するなど、引き続き、愛媛労働局や県が指定した6カ所の障害者就業・生活支援センター等と協力し、発達障がい者が安心して活躍できる環境づくりに取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。