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地域防災計画について

地域防災計画について - 質問 -

(拍手)皆様、おはようございます。

公明党、木村誉でございます。

初めに、さきの東日本大震災で犠牲となられた方々に対しまして、御冥福をお祈りいたしますとともに、今なお苦難のただ中におられます被災者の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。

また、発災直後から被災地支援に総力を挙げて取り組んでこられた中村知事初め、県職員、関係各位に対しまして、敬意を表したいと思います。

改選後初めての、また、3.11後初めての登壇に当たり、今、私の念頭にあるものは、災害に強い、支え合う愛媛の実現であります。そのために微力ながら全力を尽くしてまいることを県民の皆様にお誓い申し上げたいと思います。

さて、今回の震災を通じて、政治が刻むべき最大の教訓は、防災対策に想定外という言いわけは通用しないということではないでしょうか。

そうであれば、今ある本県、我がまちの防災対策は、いずれも過去の想定に基づくものであり、少なくとも未曾有の国難を経験しつつある私たちにとって、どんなに過酷であろうとも、すべての想定を一つ一つ検証し、抜本的に見直していくことこそ、震災犠牲者に対するまことであり、後世に対する責務と私は確信するのであります。

既に多くの防災関連質疑がなされ、一部の重複もございますが、通告に従い、災害に強い、支え合う愛媛をテーマにお伺いしたいと思います。

去る6月中旬の3日間、私は、中議員とともに被災地である宮城県石巻市を視察いたしました。そこで目にした光景とそのとき感じた衝撃をどのように表現すればよいか、今の私には言葉が見つかりません。

特に、どうしてもそこに行かなければならないと心が命じるまま私たちが向かったのは、大川小学校でありました。

御承知のとおり、大川小学校は、死者68人、行方不明者6人と、全校児童の約7割が10人の先生方とともにあの日犠牲となったのであります。

一面の瓦れきの中で、校舎は爆撃を受けたかのように破壊され、ひとりぽつんとたたずんでおりました。その中に分け入り、私の目に飛び込んできたものは、あちこちに並べられた泥まみれのノートであり、勉強道具であり、体操服や水彩画、算数のテストや記念写真であり、それらを目の当たりに、心が震え、涙がとまりませんでした。ありし日の児童たちのはつらつとした姿と歓声が今にも聞こえてきそうで、しかしそれを聞くことは二度とない現実を思うと、子を持つ親として、御遺族の悲しみはいかばかりかと、こうべを垂れるばかりでありました。

御冥福を心から御祈念いたしますとともに、余りにも幼くとうとい大川小学校の児童たちが、命と引きかえに私たちに託したものは何だったのか、生涯問い続けながら、自身に与えられた使命を精いっぱい果たしていこうと深く心に誓いました。児童たちへの決意も込め、質問に入らせていただきます。

最初に、愛媛県地域防災計画についてお伺いします。

本計画につきましては、私もこの間、目を通しましたが、何しろ800ページを超える膨大な情報です。読み込むだけでも大変な根気仕事であったわけですが、これらをどう見直すべきか、私なりに模索をいたしました。

まず、想定外と言われるこのたびの震災を踏まえますと、本計画が前提とする災害の想定レベルを相当程度引き上げる必要があると思われますし、地震、津波、原発という同時多発型あるいは複合連動型とも言うべき今回の震災に照らすと、果たして現在の震災対策編、風水害等対策編、原子力災害対策編という個別3編の区分けが適切なのかどうか。また、自治体や公共機関から県民に至るまで細かく規定された役割と連携は、果たして実際に機能するのかなど、さまざまな見直しの観点が考えられるのであります。

そこで、お伺いいたします。

知事は、愛媛県地域防災計画をどのような観点から見直そうとされているのか、そのロードマップとあわせて御所見をお示しください。

さて、私たち公明党では、災害に強い我がまち、我が地域づくりを目的に、5月12日、県本部防災対策委員会を立ち上げ、県及び各自治体の地域防災計画の見直しに着手いたしました。理事者各位の見直し作業に加え、公明党らしい現場主義の視点から地域防災計画を検証し、その改善強化に寄与できればと念願しています。

当委員会では、当面の取り組みとして、発災時に、まず逃げる、要援護者を含めて逃げられる、こうした初動がすべての地域で速やかに行えるように、まず、避難所、避難体制のあり方を、なかんずく弱者の視点から検証してまいりたいと思います。

念頭にあるのは、岩手県大槌町の事例です。発災直後、その車いすの年老いたお母さんは、息子さんの介添えで避難所を目指したものの、そこに至る約40段の階段を上ることができず、ついに津波に巻き込まれ、お亡くなりになられました。御本人の無念、息子さんの悔しさはいかばかりでありましょう。

私たちは、こうした悲しみを乗り越えて、震災から得られた教訓を共有し、現在に生かし、後世につないでいかねばなりません。

そこで、お伺いいたします。

私は、発災直後の初動段階において、地域の人々が、まず逃げる、逃げられるといった避難体制と仕組みをどう整えるのかが行政にとって最重要の課題であり、その最大のポイントは、県民一人一人に対する自助の啓発と、共助、すなわち災害の最前線である自主防災組織の育成強化と考えるのでありますが、これらに関して県はどのように認識し、どう取り組まれるのか、御所見をお示しください。

なお、岩手県大槌町のケースでは、事前に地元町内会から町に対して避難路の整備要望があったにもかかわらず、既に堤防があることや財政難等の理由から要望を却下した行政の責任が問われておりますが、こうした事態は本県でも容易に推測し得るのであります。

その意味で、災害に強い地域づくりと財政の関係は、表裏の側面をあわせ持ち、本県の市町においても、財政状況によっては、想定外の事態に備えた取り組みのおくれが懸念されます。

そこで、お伺いします。

大槌町での事例を踏まえ、県は、広域調整の観点から、財政難の市町における防災対策の強化に関してどのような役割を果たそうとされるのか、御所見をお示しください。

地域防災計画について - 答弁 -

答弁:中村時広知事

木村議員に、まず、地域防災計画についてお答えをさせていただきたいと思います。

未曾有の被害を生んだ東日本大震災では、一部の市町において、津波により役場が壊滅的な打撃を受け、すべての機能が失われたことにより、本来行われるべき応急対策等の役割が果たせなかったり、防災行政無線を含めた一切の情報伝達手段が失われたことにより、関係機関や住民との連携が図れないなどの事態が発生いたしました。

このため、今回の見直しに当たっては、東日本大震災で明らかになったあらゆる課題に対応しなければならないとの観点で、県地域防災計画を全編にわたり見直すこととしています。

なお、被害想定の見直しについては、今後、国が、東海・東南海・南海地震が連動して発生した場合の影響やこれまでの想定を検証することとしていますことから、その結果を受けて検討していくことになります。

また、防災計画の編構成については、国の防災基本計画に準じ、災害種類ごとの3編としているもので、複合災害の視点も既に導入しているところでありまして、今後の国の防災基本計画の動向を見ながら対応していきたいと思います。

防災計画の改定時期については、国の防災基本計画の見直しと整合性を図る必要があることから、一定の時間を要することとなりますが、県民の安全・安心を確保するため、国の見直しを待つことなく、原子力防災等の資機材の追加整備、防災訓練の充実、救援物資の保管、仕分けや、通信資機材の確保のための民間活用など、現時点で考えられる対策にすぐに取り組んでまいりたいと思います。

答弁:県民環境部長

木村議員にお答えいたします。

まず、地域防災計画の改善強化についてのうち、県民への自助の啓発と、共助である自主防災組織の育成強化について、県はどのように認識し、どのように取り組むのかとのお尋ねでございます。

木村議員御指摘のとおり、発災直後の初動段階における避難体制を構築するためには、自分の命は自分で守る自助の啓発と、お互いに助け合う共助を推進することが重要であると認識しております。

県におきましては、自助の取り組みを促進するため、減災キャンペーンや、県内各地で開催する意識啓発講演会、さらには防災に関するメールマガジンの発信など、県民の防災に対する意識啓発に努めているところでございます。

また、共助の担い手である自主防災組織の核となる防災士や、自主防災組織の枠を超えて活動する地域の防災リーダーであるえひめ防災インストラクターなど、人材の育成に努め、共助体制の充実強化を図っているところでございます。

今後とも、県民への防災意識の一層の啓発と自主防災組織の育成強化に取り組み、自助、共助意識の涵養に努めてまいりたいと考えております。

次に、県は、広域調整の観点から、財政難の市町における防災対策の強化に関してどのような役割を果たそうとしているのかとのお尋ねがございました。

住民の避難所や避難路の整備といった防災対策は、地域における防災の担い手である市町の責務でございますが、広域的観点から、県が調整を図りながら進める必要があると考えております。

その際、経費のかかるハード整備はもちろん必要でありますけれども、あわせて意識啓発や人材育成、避難誘導といったソフト対策も重要でありまして、これらを有機的に組み合わせることによって最大の効果を発揮させることができるよう、市町を支援していくことが県の役割であると認識しております。

そのため、県では、愛媛大学と連携した防災フォーラムの開催、防災士やえひめ防災インストラクターの養成、市町と合同での防災訓練の実施などのソフト対策とあわせまして、ハード整備につきましては、市町の財政負担の軽減にも資する地震・津波対策推進のための総合的な交付金の創設を国に要望するなど、市町の防災対策の支援に取り組んでいるところでございます。

今後とも、市町において防災対策の強化が図られるよう、できる限り支援してまいりたいと考えております。