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2008年 9月定例会(9/26)

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がん対策について(2008年9月定例会)

がん対策について - 質問 -

続いて、がん対策についてお尋ねいたします。

御承知のとおり、今月はがん制圧月間でありますが、私は、灼熱照りつける7月、笹岡議員とともに高知県庁を訪れ、同県のがん対策の取り組みについて視察を行いました。他県同様、本県でも本年から5カ年の愛媛県がん対策推進計画が策定、実施されましたが、高知県は、計画とともに、条例まで制定されているのであります。その高知県がん対策推進条例は、医療関係者以外に、患者、家族、遺族を加えて構成されるがん対策推進協議会を条例内にきちんとした形で位置づけ、その協議会を中心に県の計画を推し進めていくということを規定しているのであります。この意味は非常に大きいし、重いと思うのであります。

また、条例内では、がん患者等への支援の項で、相談窓口の整備を盛り込み、昨年10月より民間に事業委託する形で稼働させております。その相談窓口はがん相談センターこうちでありますが、そちらも視察をいたしました。安岡理事長によると、がんについて知りたいこと、病院ではなかなか聞きにくいこと、また、セカンドオピニオンの紹介や拠点病院への連携など、がんに対する不安を抱える皆様が何でも気軽に相談できる場所として、着実に定着しつつあるとのお話でありました。
また、同条例内、緩和ケアの推進の項では、関係団体・機関との連携協力のもとに必要な病床を確保すると、かなり踏み込んだ表現が用いられ、同県のがん緩和ケアに対する力の入れようを感じたのであります。

そこで、お伺いいたします。
愛媛県がん対策推進計画の基本方針の中で、がん患者を含めた県民の視点に立ったがん対策の実施がうたわれておりますが、そうであるならば、本県においてもがん対策推進条例を制定し、患者、御家族の追い風とすべきと考えますが、いかがでしょうか。

また、本県計画に書かれております相談支援、情報提供について体制を整備するについて、高知県では、先ほど申し上げたがん相談センターこうちの稼働等により、着実に成果をおさめつつありますが、本県の体制整備状況及び具体的な見通しについてお聞かせください。

次に、がん緩和ケアについてでありますが、国のがん対策推進基本計画の中で、重点的に取り組むべき課題の一つとして、治療の初期段階からの緩和ケアの実施が挙げられております。それに対し、緩和ケア病棟を有する県内の病院は、現在、松山圏域の2施設45床、東予・南予地域には未整備という厳しい現状であります。緩和ケアの実施に関して、私たちは、医師等の人材育成とともに、緩和ケア病床の確保と整備が必要かつ重要であると考えます。

そこで、お尋ねいたします。
医療機関等が県に緩和ケア病床を申請する際、県は、一般病床からの転換同様に、増床としての新設も積極的に認めていく方針なのか、この点も含め、緩和ケアを推進するための今後の具体的取り組みについて御所見をお示しください。

がん対策について - 答弁 -

答弁:保健福祉部長

次に、がん対策について、3問御質問がございましたが、まず、本県もがん対策推進条例を制定すべきと考えるがどうかとのお尋ねがございました。

今後のがん対策におきましては、がん患者を含めた県民が、予防、罹患、進行、再発の各段階において、がんを知り、がんと向き合い、がんに立ち向かえる環境を整備する必要があり、行政、医療関係者、県民の相互理解と協力のもと、一体的な取り組みを展開することが不可欠であると考えております。

このため、県では、がん対策推進計画の策定に当たって、がん患者や家族会の方々に委員に御就任願い、そこでいただいた御提言等を計画に反映させましたほか、今年度設置予定のがん対策推進協議会においても、患者等の方々に参画していただき、具体的な推進方策を検討することとしております。

このような取り組みのもと、県といたしましては、まずは県民と一緒になって、計画の着実な推進を図ることが重要であると考えており、木村議員お話のあったがん対策推進条例につきましては、今後、計画の進捗状況や県民からの御意見、他県の動向等を踏まえながら、適切に判断してまいりたいと考えております。

次に、本県の相談支援、情報提供体制の整備状況と今後の見通しはどうかとのお尋ねがございました。

がん患者やその家族の方々は、がんと診断されたときから大きな不安や悩みを抱え込むこととなりますが、その不安を少しでも和らげ、がんに対する理解を深め、適切な対処を促すためには、がんに対する相談支援や情報提供体制の強化に取り組むことが極めて重要であると認識いたしております。

このような中、県内7カ所のがん診療連携拠点病院では、院内に設置しております相談支援センターにおいて、医療相談や在宅療養支援、セカンドオピニオンの相談等を行っておりますほか、近年、患者会との連携を初め、緩和ケア、精神腫瘍学などの専門知識や技術を修得した職員の育成にも取り組んでおります。県でも、本年度、がん医療体制整備事業費を増額し、このセンターの取り組みを支援しているところであり、今後、一層の機能の充実、強化が見込まれているところでございます。

今後、県といたしましても、拠点病院や医師会、患者会等が参画するがん診療連携協議会を通じ、相談支援等に関する県内の連携協力体制の構築に努めますほか、がん診療を含めた県内の医療機能情報をわかりやすく提供することにより、県民が適切に医療を選択できるよう努めてまいりたいと考えております。

最後に、緩和ケアを推進するため、今後、どのように取り組んでいくのかとのお尋ねがございました。

緩和ケアは、患者やその家族に対して、身体的症状の緩和や心のケアなどを行うものであり、患者が質の高い療養生活を送るためには、治療の初期段階からの切れ目のない実施が求められているところでございます。

そのためには、がん診療に携わるすべての医師が、緩和ケアの基本的な知識や手法を習得することが重要でありますことから、県では、本年度から四国がんセンターに委託し、緩和ケア推進センターを設置するとともに、県内の医師を対象とした緩和ケア研修に取り組むこととしておりますほか、他のがん診療連携拠点病院においても人材の育成に取り組んでいるところでございます。今後とも、その効果が地域医療に波及するよう、こうした拠点病院の取り組みを支援してまいりたいと考えております。

なお、木村議員お話のあった緩和ケア病床につきましては、県といたしましても、がん医療の均てん化の観点から、一層の整備が求められていると考えており、今後、病床整備を希望する医療機関があれば、病床過剰圏域での増床に関する特例措置の適用について検討を行い、適切に助言してまいりたいと考えております。以上でございます。

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